無料ブログはココログ

« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »

2014年9月30日 (火)

ID4のアタッカー

 ID4とは、映画「インデペンデンス・デイ」のプロモーション用の略記であり、アメリカの独立記念日の7月4日に由来して4がついているとのことです。
 この映画に登場するエイリアンの小型宇宙船戦闘機が「アタッカー」といいます。エイのような形で、そのデザインが気に入っています。’55年の映画「宇宙戦争」のウォーマシンを今風にリアルにアレンジしているのが好ましい。

 この小型戦闘機以外にも、質量が月の1/4もあり、全長550kmもある巨大宇宙船「マザー・シップ」や各地の都市を攻撃した、直径24kmもある巨大円盤「シティ・デストロイヤー」など、なかなか魅力のある宇宙船が登場します。
 さらに、エイリアンが着用する、まるでHG・ウェルズの「宇宙戦争」に登場するタコ火星人のような「バイオ・メカニカル・スーツ」も秀逸なデザインであり、「宇宙戦争」のウイルスにオマージュを捧げたオチも最高です。

 まだまだCG技術の黎明期の中で、模型を多用した特殊撮影は見事です。最近のCG技術オンリーのアメコミSF映画に食傷の方は、どうぞ、DVDを再見してください。なかなか、面白いですよ。なにせ、私は昨日、再見したので、間違いはありません。
 

 何故、今頃見たのか?
 それは、映画に登場する「アタッカー」の色を確認したかったのです。実は、長年放置してあったプラモデル模型のキットを組み立て、塗装しようと思い立ったからです。

 ところが、画面を見てもよくわかりません。日中、砂漠の上空で、ジェット機とのドッグファイトの時は、うす茶系の色に見えるのですが、エリア51に格納されていた機体は、照明のせいか、蒼いブロンズ系のようです。もう、しかたがないので、模型の箱絵と同じグレー系にしました。
 塗装方法は、ラッカー塗料のグレイに、薄いダーク・イエローを重ね、さらに、筋目に薄めたエナメル塗料のゴールド&ブラックの流し塗りです。その後、体表をシンナーの布でふき取りました。このように、結構、手間をかけた割には、その効果は今ひとつです。

 しかも、最後の最後に、黒い窓ガラスの板を接着材で付けた際、深く考えもせず、瞬間硬化剤を使ってしまい、あろうことか、窓周辺が白く変色してしまったのです。
 もともとマシンの塗装は苦手なのですが、今回は大失敗です。無念。

Img_00431 悔やんでもしようがないので、ご覧ください。
 これでも、細かな塗りは行っています。表面の無数の筋線を目を凝らしてご覧ください。Img_00461
 娘などは、出来上がりを見て一言「あれ、塗っているの?」。・・・・・やっぱり、あまりインパクトはないですかねえ。

2014年9月29日 (月)

宇宙人 東京に現わる

 1956年1月公開の大映製作の「宇宙人 東京に現わる」をご存知でしょうか。映画は知らなくても、ヒトデのお化けのような体に、大きな一つ目の目玉を持つ宇宙人の姿はご存知でしょう。あの有名なバクハツの芸術家岡本太郎がデザインしたというから驚きですが、なんとなく太郎節の香りがします。

Img_new 実は、この映画は、国内初のカラーのSF映画というもので、私は、長らくモノクロ映画とばかり思い込んでいましたから、今回、思い切って廉価版のDVDを購入しました。
 しかし、購入後、改めて驚きました。脚本は、あの黒澤組で有名な小國英雄が脚色しています。主演は、やせっぽちの若き川崎敬三と山形勲、あとは誰も名を知りません(笑)。

 さて、この映画、なにより、戦後の風景がカラーで記録されていることが最も大きな功績です。銀座の風景、わら葺き屋根、唐草模様の風呂敷包み、着物姿の女性たち、誠に懐かしく素晴らしい。有名な博士の家も懐かしい間取りの和室です。戦後の日本は、こんなに質素だったんだと改めて感動します。

 また、SF映画としても、当時としては、なんという高い志だったのでしょう。原水爆の禁止、巨大な隕石の襲来、善玉宇宙人の登場など、その先見性は見事です。
 しかし、残念ながら、特撮技術がまったく伴っていません。その映像はチープでなんともなりません。第一、あの主役の宇宙人のシーツの張り子の姿は全くいただけません。まあ、目玉だけは、意外に驚くほどよく光っていますが(笑)。
 まあ、戦後の状況から言えば、全く仕方のないことでしょう。

 それより、見処は、冒頭のシーンから、飲み屋のカウンターで円盤の話とか、芸者にセクハラする大宴会場に宇宙人が現れたりするミスマッチぶりです。もう笑います。
 当然、お色気も忘れていません。グラマーな踊り子の舞台裏に現れた宇宙人は、人間に変身する際に、仲間うちで醜いと貶したその踊り子に化けるのです。しかも、後半は、その踊り子が出ずっぱりの主役のようになります。東宝カラー化の第一号の「空の大怪獣ラドン」が、同じ年の12月公開ですから、カラー化もお色気の伝統も先んじています。

 しかし、お話の方は、もう行き当たりばったりのようなもので、不用意に発表した新エネルギーの開発からみで、武器商人に拉致されるは、子どもたちと避難した地下室が浸水するはと、全く先の進行が読めない展開でした。小國先生もSFには四苦八苦です。
 そして、まさに隕石衝突で地球滅亡寸前、あの宇宙人が助けてくれて、めでたしめでたし。これから人類を滅亡に導くかもしれない新型エネルギーの話など、もうすっかり忘れてしまいます(笑)。

 ただ、昔の特撮ものから言えば、あの珍妙な宇宙人が登場する割に、随分、ドラマのパニックシーンは力が入っていますし、登場人物の衣服の汚れ方も半端ではありません。真に志の高い映画だった(笑)と再度評価しますし、戦後の風景や風俗のカラー記録映画としても価値があります。最後は、この一点かもしれませんが(笑)。

2014年9月26日 (金)

GODZILLA1998

  ゴジラ60周年記念盤として、あの悪評高い「GODZILLA(1998)」のDVDのトール版が安価に発売されています。今までの商品は、CDサイズのケース入りでした。ちなみに、画像はほとんど変わりません。旧品のほうが、色合いが濃く見えて味があるかもしれません。

1998 このハリウッドゴジラの第1作は、ゴジラファンには評判が悪く、東宝版ゴジラの最後の映画でも、神の名をはぎ取られた「ジラ」という名前にされたうえに、魚食いとまで蔑まれています(笑)。
 この話は、以前にもこのブログでご紹介しておりますが、実は、怪獣映画としてみるとなかなか良くできています。
 まず、なにより、怪獣の巨大さをCGで本格的に描いたのは、この映画が初めてです。海面が大きく盛り上がって、桟橋を破壊しながら、上陸するシーンは最高です。2014の映画でもしっかり踏襲しています。それだけ名場面なのでしょうし、もっと再評価すべきです。
 

 しかし、この映画の致命的欠陥は、何といっても、ゴジラのデザインがひどすぎるのです。ちっこい目に、四角い顎、しかも、醜い乱杭歯です。なんか、日本人の顔をデフォルメしたような印象さえ受けます。そのうえ、体は、いかり肩に異様にひ弱な手足で、ひょこひょこ駆けるのです。これでは、とても感情移入ができません。しかも、ミサイルに当たれば、簡単に死ぬのです。日本の文化の怪獣ではなく、西洋の巨大生物にすぎません。もっとも、監督自身が、レイ・ハリーハウゼンの「原子怪獣現わる」のリメイクというのですから、しょうがありません(笑)。

 今回、改めてこのGODZILLA(1998)を再見しますと、漁船やビルの谷間でのヘリコプターや銃撃戦などは、最新作2014よりよほど怪獣映画らしく撮られています。
 こんな印象をもったのは、最新作を海外版ブルーレイでつぶさに見ると、意外なことに肝心な場面は、結構テレビのニュース映像で誤魔化していますし、戦闘シーンは夜間が多く、家庭のディスプレイでは、よく見えません。困ったものです。(しかも、字幕もないし・・。)

 という不満から、ハリウッド第一作をもう一度見る気になったのです。
 次の作品には、キングギドラやモスラも出るようです、もう少し劇映画風に撮ってほしいなあ。段々、時間の経過とともに欲が出ます(笑)。

 それにしても、家庭のブルーレイで映画を見ると、必ず違和感が生じ、失望します。やっぱり、映画というものは、劇場に足を運び、大画面で観るに限るのでしょうか。それとも、本物でない証拠かな?そういえば、公開後すぐにDVDを観て印象が良くなるのは、アメコミ映画の類だけです(笑)。
 劇場映画は、忘れたころにDVDで再見するのが、一番良いのでしょうネ。これは不滅の教訓かもしれません。

2014年9月24日 (水)

シナリオ別冊「座頭市の世界」

 久しぶりに痛快な本に出合いました。日本シナリオ作家協会発行の雑誌「シナリオ」の別冊「娯楽映画傑作選『座頭市』の世界」です。
 今頃なぜかわかりませんが、勝新太郎の「座頭市」の映画の特集号です。
 

Img_new 実は、先般、NHKで勝新太郎の特集番組「ラストディズ 勝新太郎」が放送され、TV映画の座頭市の撮影における現場でのカツシン即興の演出などが取り上げられ、それが絶賛されていました。

 思えば、そういう演出は、シナリオ否定につながるのかもしれません。シナリオ協会が頭に来るはずです。
 なにしろ、この本は、冒頭から過激です。
 巻頭企画には、若かりし市の映画を撮って、まだ現役の監督、池広一夫のインタビューを載せ、テレビの「座頭市」を一刀両断です。「部分的に面白いが、全体見るとなんだこれは。」とか、「この仕事は一人の才能ではできない。それを守らないとどんどんダメになっちゃう。」とか、「勝は、構成ができない。」など言いたい放題。しかし、全くその通りなのです。  

 実は、私もTVの座頭市はまったく評価していません。全巻DVDを持っていますが、あの市がまとう汚いマントも嫌いです。
 なんといっても、話が面白くありませんし、カツシンの思い上がりのマスターベーション映画なのです。観客を見ていません。視聴率も悪く、勝プロを倒産に追いやりました。結局、スタッフの誰もワンマン勝社長に意見することができなかったようです。実際、トップには言えませんよねえ。・・そのことを指摘した本が出版され、誠に感謝でいっぱいです。スッキリです。 
 また、映画の座頭市の全作品について、チャンバラに詳しい評論家たちの座談会も楽しいものです。結構、当時の裏話をふんだんに取り上げており、もう至福の読書の時でした。

 しかしながら、26本のシリーズの中での、傑作を選ぶ議論の中では、第1作などおおむね同意するものの、やはり納得できない部分があります。
 というのも、「座頭市海を渡る」と「座頭市暴れ火祭り」の評価がやや低く、ベスト5に入らないのは非常に残念でした。
 もっとも、海を渡った四国の金毘羅さんの長い石段が実は 合成だったとは、弘法大師さんでも気づきませんでしたでしょう。いや、驚きです。
 一方、心ひそかに想っていた「座頭市あばれ凧」の評価が思いのほか高いうえに、私が説明できなかった良さや見どころを見事に料理してくれたのは、誠に重畳でした。ともかく、その作品は扱いも軽く、当時の出演者皆さんが安かった(出演料)そうです(笑)。

 なお、番外ですが、綾瀬はるか主演の「ICHI」を一定評価しているのも好感が持てます(笑)。・・・・いやあ、久しぶりに楽しめた本でした。真にごちそうさまでした。

 最後に、座頭市の原作について、キネマ旬報の日本映画作品全集の説明で、「子母澤寛の原作「ふところ手帖」にたった1~2行ふれられている」というのは全くの間違いで、原稿用紙25~6枚の作品があるとして、その全文を掲載しています。私は、そのキネマ旬報の出典をすっかり信じていました。鵜呑みにせず、元本に当たるべきことを反省します。勉強になりました。

2014年9月21日 (日)

Godzilla ブルーレイ

 ハリウッド映画「Godzilla」は、まだわが国では上映中ですが、アメリカでは、既にブルーレイが9月16日から発売されています。
 ブルーレイは、DVDと異なり、日本とアメリカは同じリージョン(仕様)です。ですから、アメリカのブルーレイは、日本のレコーダでも見ることができます。

2014 日本での発売はまだ未定ですし、それまで待てないものの、しばらく悩みました。なにしろ、価格が高くなります。送料だけで、クロネコヤマトの国際宅急便2,046円がかかりますし、仲介手数料を考えると、円安(1ドル=111円)はけっこう響きます。せこい悩みですみません(笑)。
 ついに意を決してUSアマゾンに注文し、本日午後、やっとブルーレイが到着です。向こうを9月18日に発送したようですので、輸送の日数は、3日ぐらいですか?結構早いものです。 

 しかぁ~し、大誤算がありました。
 視聴してみると、日本語の字幕がないのです。そういえば、「クロニクル」の字幕版は英国製でした。まったく、どうせ作るなら、フランス語とスペイン語だけでなく、日本語も入れてほしかったなあ。
 まあ、冷静に考えれば、東宝が許すはずがないことでした。・・・脱力です。

 しかも、日本のアマゾンでも、既にインポート商品として定価で売っています。ダメ押しのショックです。

 ところで、アメリカのトイ・メーカーのサイドショウから、予想通り、ゴジラのフィギュアが発売されることとなりました。しかし、このフィギュアも桁外れです。大きさが60cmもあるようで、発売価格は、なんと15%引きで110,000円というから驚きです。一体、誰が買うのでしょう。今回は、このゴジラのデザインに惚れてなくて幸いでした。まあ、話のタネに、サイドショウの商品写真をご覧ください。Page39076

 ちなみに、日本では、ガシャポンが発売されています。サイズも小さくて、価格も安いので手頃です。しかし、シークレットは高いので、写真の3体だけ購入しました(笑)。

2014_3 
 

 このガシャポンでムートーの8本の手足の付き方がよくわかりました。案外、参考になるものです。本当に日本のフィギュア技術は高いものです。
 それにしても、やっぱり、今回のゴジラはあんまり恰好の良いデザインではありませんなあ。まさしく、長いしっぽを持つ巨大な熊人間です。
 ガシャポンのフィギュアでも、居間の小さなDVDの画面でも、そのことを再確認しました。ああ、これでひと安心です。

 なお、ガシャポンのシークレットとは、口から放射能を吐くゴジラの姿です。光線を模した透明な棒がゴジラの口から出ています。まったく、このセンスだけは判りません(笑)。

2014年9月20日 (土)

るろうに剣心 伝説の最後編

 いやあ、驚きました。「るろうに剣心 伝説の最後編」、これは傑作です。前編についてあれだけ辛口の批評(2014.8.9ブロク)をしていましたが、後編はもうまったく違う映画です。大化けしていました。何が良かったのか、少し冷静に考えなければなりません。

Photo_2 まず、予告編を全く見なかったこと、前作の時のような過度な期待がなかったこと。さらに、今回は、ナイトショーで入場者が少なく、見るための環境が快適だったことが良かった、何しろ、前回の時は、レディス・デイに当たっており、女性客がほとんどを占めるという異様な雰囲気の中で観た記憶がありますので(笑)。

 いや、本当は、そんな些細なことではありません。
 思えば、前編は、反逆の復讐者である志々雄真実(藤原竜也)が起こす様々な悪辣な事件、出来事を中心にした物語でしたが、今回は、登場人物に焦点を当てて、何故、生きるのかというテーマで描いています。映像も、人物のアップの多用が効果を上げています。点描だった人間がクローズアップされているのです。観客が自然に引き込まれます。
 特に、前編ラストに登場した謎の男 福山雅治については、ブログで散々あくたれをつきましたが、実は、緋村剣心(佐藤健)の師匠の比古清十郎であり、身も心も疲れ果てた剣心を鍛えなおすという役どころでした。
 自らの命を顧みなくなっていた剣心に「生きたい」という心を悟し、極意を授けます。演じる福山も、服装など相変わらずのかっこつけですが、殺陣も演技もなかなか頑張りました。少し見直しました。
 人間の成長譚というものは、黄金のストーリーですから、剣心が前回より強くなったということで、一段と面白さが増したのでしょう。なにしろ、伝説の人斬りという割には、前編は、ほとんど負け試合でしたから・・・(笑)。

 第二の見せ場である本筋とは無関係な幕府の隠密頭四乃森蒼紫(伊勢谷友介)との死闘も、これまでにないほどスピード感と迫力のある殺陣でした。まあ、手持ちのカメラワークと変幻自在のコマ数のマジックですが、なかなかの出来です。確かに、これまでの殺陣とは一線を画しています。思えば、「イン・ザ・ヒーロー」のラストの大立ち回りが、伝統芸を100人という物量作戦で見せたのに対して、日本刀を持った格闘技という新たな殺陣ジャンルを切り開いた気がします。
 ここでも、剣心に負けた四乃森も、生きる意味を考えざるを得ません。

 第三の見せ場が、いつもへらへら笑っている神速の剣士瀬田宗次郎(神木隆之介)との戦いです。前編のリベンジなのですが、瀬田は虐待の中、笑うことでしか生きられなかったという悲惨な生い立ちが説明(唐突なセリフのよる人物解説に驚きますが・・)され、その殺陣の凄味が一段とパワーアップしました。前回以上に、アクロバットな刀さばき、足さばきを見せます。いやあ、今回はその凄さにまいりました。予告編で観ていない分、新鮮です。若い俳優が良く頑張っています。そして、ここでも瀬田が負けで初めて号泣するのです。

 最後は、オオトリ、全身やけどの志々雄との決戦です。ここもアップの多用で、志々雄の包帯の中の表情を描きます。政治の身勝手さを呪い、復讐するは我にありという大義を藤原が文字通り熱演します。
 なにしろ、志々雄は火傷のため体の熱交換機能が損傷しており、決闘は15分しかできないというハンディの中、なんと4人を相手の大立ち回りを演じるのです。いつのまにか、元新撰組隊長斎藤一(江口洋介)もその一人になっています。(可哀想!)
 ただ、その発熱のため、振り回す刀身が炎をまとうのですが、この辺は、原作漫画の設定でしょうし、狂人ならではの強さということで、大目に見たいのですが、あまりに強すぎますので、すこしやりすぎでしょう。

 ということで、少しばかり、生きる意味などを頭の片隅に置きながら、宣伝文句の革新的な大立ち回りを十分楽しみました。ラストの敬礼などは蛇足です。まあ、観たばかりで、ちょっと酔っていますので、ハロー効果になっているかもしれませんが、ご容赦ください。
 それにしても、日本の漫画の原作の実写化は、アメコミの映画化よりは、クールで面白いというのは、やっぱり身びいきでしょうか(笑)。

 なお、この映画の「生きる」というテーマは、最近どっかで聞いたようなと思っていたら、NHKの朝ドラの「花子とアン」の今週のお話とかぶっていました。憲兵だった花子の兄が、敗戦の中で生きる意味を失っているというエピソードでした(笑)。これも黄金のテーマでした(笑)。

2014年9月15日 (月)

イン・ザ・ヒーロー

 馬鹿馬鹿しいほどの金をかけた不毛なアメコミ映画を嘆いていた私に、映画愛好家の友人が勧めてくれたのが「イン・ザ・ヒーロー」です。曰く「とってもベタで、イイです。」と。 

 早速、劇場に出かけたのですが、驚いたことに、地方のTOHO劇場では、この映画は一日に1回、午前中しか上映されていません。
 しかも、休日の劇場入口は、若者や親子連れでごった返していましたが、この映画の会場は、隣の席に人が座ることもなく誠に快適でした。

 内容は、唐沢寿明扮する伝説のスーツアクターのお話で、友人の言葉通り、「蒲田行進曲」の平成版です。本当に「ベタ」とは言い得て妙です。しかし、心地よい。肉食系のどろどろもなく、ストレートまっすぐで、変に変化球でないところが気に入りました。
 第一、撮影所の楽屋落ちのお話ということ自体、誠によろしい。ピンクのエピソードは微笑ましいし、ブルース・リーに憧れた時代を思い出します。映画ファンなら、たまりませんゾ。

 最近の信じられないぐらい頭の悪い展開で上映中から愛想が尽きてしまうアホなハリウッド映画と違って、久しぶりに映画に没頭できました。
 最後の階段落ち、じゃなかった二階落ちから百人斬りまでの大立ち回りは、結果はわかっているけど力が入りました。いいじゃないですか、これが映画の面白さ、楽しさです。久しぶりに、東映を褒めましょう。いや、楽しませていただきました。
 是非、未見の方はご覧ください。

 なお、劇中の映画監督として香港の巨匠が登場するのですが、ハリウッド流撮影方法に対する僻み、そして、巨匠のセリフ「映画は監督のモノだ。」には笑った。黒澤明もそうだったように、いずれの世も映画監督なんていうのは、そういう絶対君主なのでしょうねえ。スタッフや裏方からの皮肉もそこはかとなく感じられましたゾ(笑)。 

 余談ですが、何故か、この映画のパンフレットが劇場で販売されていません。ショップの店員は「売り切れ」と称していましたが、多分、嘘ですナ。まだ、売り切れるほど入場者数はいない筈です。ネットで調べてみると、値段が1640円(アマゾン)もします。パンフレットの値段ではありません。なにか、興行上の理由があるのでしょうが、パンフレットが入手できなかったことが唯一心残りでした。

追伸
 訂正です。パンフレットの定価は、東映ショップで720円でした。アマゾンの商品は転売屋さんの出品ですかねえ。詫びの印に、当該パンフを注文しましたので、機会を見てご紹介いたします。でも、送料が500円かかり、結局かなりお高くなりました。  
 東宝ショップでは東映のグッズは売らないのでしょうか。困ったものです。・・・これは単なる八つ当たりでした。Photo


追伸2
 やっと、待望のパンフレットが届きました。

 それによると、映画の中の巨匠を演じているのは、実際の韓国映画の監督である「イ・ジェニク」さんということです。
私は、韓国映画に疎くて、よく存じ上げませんが、有名な監督さんで、韓国監督協会の会長さんでもあるらしい。
 ということは、劇中の設定は、香港ではなく韓国の監督ということかな?

 一方、本作の監督は、長年フリーの助監督を務めてきた人らしく、やっぱり、あのセリフはギャグだそうです。そして、曰く「映画は観客のモノ」だそうです。・・・逆に、ちょっと引きました(笑)。

 

2014年9月14日 (日)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

 アライグマが機関銃をぶっ放している予告編が気に入った「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」。
 ネットで調べてみると、全米のサマーシーズンの興行成績ランキング第1位で約2億9千万ドル強の売り上げだそうです。ちなみに、わがGODZILLAは、第7位の約2億ドルだそうです。合わせて、レビューも評価は4.2点と高評価です。

 こうしたプラス情報ばかりだと、普通、劇場に行きますわね。
 そして、結果は、見事に惨敗。

 映画の内容についてまともに相手する元気がありませんが、少しだけ触れますと、カセット・ウォークマン(SONY製)で70年代のミュージックを聞き、ケビン・ベーコンを英雄視する主人公の冒険談です。
 開幕後、大人になった主人公が軽快なダンスを披露するあたりまでは一寸期待しましたが、もうあとはメタメタ。この主人公は、子供の頃、宇宙人に攫われた(冒頭エピソードあり)という設定で、周りすべてが地球人によく似たエイリアン達という外宇宙のハチャメチャ・スペースオペラなのです。

 それにしても、今回は、良い大人がコミックに意味を与えようと真面目腐って作っている一連のアメコミ映画ではなく、漫画のもつ笑いや風刺を生かしたセンスのある映画ではないか、と期待した私がバカでした。
 まったく、どうして、いつも、こけおどしの宣伝をまともに信じてしまうのでしょう。 だます方より、だまされる方になれと、日本人は言います(中国人は、騙された方が悪いらしい。)が、いい加減嫌になりますゾ。
 

 それにしても、ハリウッド映画はどうなっているのでしょうか。コミックの映画化に膨大な金を使って、歴史に全く残らない作品をこさえているのです。もっとも、それが第1位とは信じられませんが・・。
 思えば、第2位はとらんすふぉーまー、第3位がマレフィセント、第4位がXめん、第5位が猿の惑星、第6位がすぱいだーまん となっていますから、儲けるための目だけは持っていると言えるということでしょうか。

 しかし、もう一度言います、ハリウッドはどうなっているのだ(怒)。
 というより、映画を見る観客がどうなっているのか、というべきでしょうか。

 蛇足ですが、日本映画も同じ状況かもしれません。ヒットするのは、アニメ映画ですし、実写も漫画が原作の方が手堅いのでしょう。そんな作品が目につきますが、日本の場合、原作の漫画がアメコミと違ってもう少し大人の鑑賞に堪える、というのは身びいきでしょうか(笑)。

最後に、おのおの方、ゆめゆめ、宣伝予告とレビュー評価を信じることなかれ。
 

2014年9月 7日 (日)

トランスフォーマー ロストエイジ

 本年度に入ってから、ろくな映画が公開されない。(私の場合は、godzilla以外ですが・・・笑)このことは、先日、映画愛好家の友人と話し合ったとき、彼も同様の感想だったので、至極意を強くしております(笑)。

 しかし、やっぱり、土日の休みは劇場に映画を見に行きたい。
 と、いうことで、敬遠していた「トランスフォーマー ロストエイジ」のナイトショーに行きました。
 最近、このブログの書き出しが、映画館に行く前のことを記すことが多くなっています。なにやら、その映画を見たこと自体への弁解のようです。

1 そうです、予想通り時間の無駄でした。と、いうより、上映時間が長すぎです。思えば、3時間というのは、あのハリウッド黄金時代の超大作「ベン・ハー」並みです。いつから、こんなに長くなったのでしょう。おかげで、持病の腰痛が心配になります。 

 内容も、取り立てて取り上げるほどのものはありません。ただ、一点、これまで3作続いたシリーズの続きなのですが、人間側の登場人物の設定がすっかり変わっているのです。これまでと全く異なる別の家族が主人公なのです。
 それはそれでいいのですが、前作まで軍隊の兵士役で、わき役だったマーク・ウォールバーグ(テッドの主演男優)が、売れない発明家の役で主演を張るのは、どう考えても違和感があります。何があったのでしょう、キャスティングの裏話の方が興味があります。

 拾いものは、娘役のニコラ・ベルツという女優さんです。「エア・ベンダー」などで注目されたということですが、全く知りません。ただ、17歳という無理筋の役なのですが、目の色が緑色でなかなか色っぽいですナ。
 なお、この娘に恋人が居るのが発覚して、親父が未成年者への違法行為と糾弾した際、恋人役のプロのレーサー(ご都合主義の設定?)が「ロミオとジュリエット条項」を持ち出して抗弁するのが面白い。どうやら、アメリカには、両者が未成年であれば罪に問われない州があるらしい。ただ、それに対しての親父の「結果は死か」という反論も上手い。 

 こういった本筋とは関係ない親子関係を延々と描きますから、もう時間はかかり放題です。観客はこんな話を全く期待してませんぞ。
 とはいうものの、戦闘シーンは、これまで以上にますます過激に迫力ある映像なのですが、後に何も残りません。多分、必然性がないせいでしょう。いくら、恐竜のトランスフォーマーを登場させても、面白くなるわけではありません。観客が手に汗を握っていても、早く終わることを願っているのでは、意味がありません。 

 最後に、私のご贔屓の脇役スタンリ-・トゥッチが演じた軍事会社の社長の設定も笑います。悪の黒幕だったくせに、ラストではすっかりに心変わりして大活躍です。こんなイケシャーシャーとした節操のないストーリーも珍しい。 

 加えて、大市場の中国に阿ているとしか思えない共産党軍司令のセリフや観光有名地で大戦闘シーンはなんかは、マイケル・ベイ監督の真骨頂といった方が良いのかもしれません。褒めているわけではありませんぞ(笑)。

 本当に今年は、映画の不作の年かもしれません。

2014年9月 1日 (月)

マイク・ヒルの狼男、その後

 英国の映画会社ハマーフィルム製作の怪奇映画「吸血狼男」で、主演のオリバー・リードが扮した狼男を見事に模型化した、あちらの造型師の名匠マイク・ヒルのバスト・キットについては、以前、このブログ(2014.6.19)でその素晴らしさを紹介したところです。

 このキットは、下ごしらえをして、最終の塗装に向けて準備万端のはずが、あろうことか、胸部と台座の仮り組み立てを試みていた時、弾みで台座の鉄格子を3本とも折ってしまったのです。材質が壊れやすいレジンだけに十分気を付けていたのですが、なんとも不覚でした。
 重い胸部を支える支柱ですので、修復に苦労しました。単に接着剤だけでは強度が弱く、結局、真鍮の芯を入れて、なんとか原状回復に至りました。

 さらに、普通の場合は、ゴテゴテした台座よりはシンプルなものを選ぶのですが、名匠マイク・ヒルの劇中の雰囲気を見事に表現した鉄格子と爪で引き裂かれた胸元、さらに白シャツの絶妙な配置に敬意を表し、今回はその台座も使うことにしました。
 しかし、それだけではさすがに座りが良くないので、楕円形の木製ベースにその台座を載せることにしました。ところが、丁度の大きさの市販のベースが見つから無くて、結局、通販でやっと入手できたのです。

 そんな、こんなで、塗装するまでかなりの時間を費やしました。
 とはいっても、塗り始めたら、一気呵成です。昨日、ほぼ1日で終了です。朝から晩遅くまで、ただし、乾燥する時間もいれての時間ですから、実働時間はそんなにかかっていません(笑)。

 Img_00211

では、お待たせしました。多分、誰も待っていませんが、どうか、ご覧ください。

おまけに、アップもどうぞ。

Img_00221

« 2014年8月 | トップページ | 2014年10月 »

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31