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2014年8月30日 (土)

ルーシー

 予告編と全米の大ヒットという興行成績に期待して、リュック・ベッソン監督の「ルーシー」を封切日に観て来ました。
 ストーリーは、遊び好きの普通の女子大生ルーシーが、新開発の麻薬の運び屋に仕立てられ、その麻薬を誤って体内に吸収したことにより、通常は10%しか使用していない脳が覚醒。そのため、様々な能力を発揮しながら、悪の元締めの韓国マフィアを壊滅させる・・・というものと思っていました。が、後半は、微妙に期待と異なる展開になります。

Photo 前半は、誠に好調です。主演のスカーレット・ヨハンセンが、突然、言葉も通じない韓国マフィア達に拉致された普通の女子大生の恐怖と混乱をよく演じています。「アベンジャー」など比較にならないほど魅せます。
 脳が30%に覚醒した段階のアクションも演技も上手い。さすがにベッソン監督だけのことはあります。女を主演にした映画には力が入っています。
 パンフレットの解説で、「トランスポーター」や「96時間」などの男性映画では、製作・脚本だけで、あえて監督をせず、女性が主演の映画では自らメガホンを取ると書かれておりまして、思わず、吹き出しました。本当にそうです。フランスの男の監督は、ロジュ・バデ゙ィムもそうですが、女好き全開ですナ。立派なことです(笑)。 

 しかし、残念ながら、後半になって脳の覚醒度が50%を超え、SF度がさらに増した途端に、失調します。まず、覚醒能力が意味不明になり、リアリティが一気になくなりますし、繰り出す様々なイメージが陳腐で、中二病的で子供だましのような、誠にセンスのない映像なのです。昔の「フィフス・エレメント」から「アデル」もそうですが、この監督の悪い癖で、SF的要素が入ると、急に幼稚化し、しかもどっかで使い古したような既視感が顕現します。

 SF映画には、荒唐無稽の極みであっても、大人の鑑賞に堪えるような、虚構のリアリティの確保と、まだ誰も見たことのない映像、センス・オブ・ワンダーが不可欠です。

 人類最初の女「ルーシー」の登場はともかくも、地球の風景、環境、48億年の歴史など、もう幾度となく使い回されたテーマではないでしょうか、見る方はうんざりして、かなり疲れました。
 同じ神になるにしても、もっと違うアプローチと映像は無かったものでしょうか。しかも、後半、操る超能力、例えばペンが空中で変幻する現象などについて説明不足のせいか、その意味が全く分かりませんでした。まるで覚醒した脳のパワーではなく、中世の魔女の魔法のようです。これは、頭の固くなった親父の創造力と理解力が足りないせいなのでしょうかナ。

 加えて、お話も、後半は、全能の神になる行程が本筋になってしまい、韓国マフィアとの戦いなどは、結局、単なる添え物になったのは、相手にされない韓国人のボス(シツコイ奴ですが・・)も、あっと驚くような戦いぶりを期待していた観客も、全く物足りません。SFアクション映画としては、消化不良、肩透かしに終わった印象が強く、最後は失望の溜息が出てしまいました。残念なことでした。 

 なお、蛇足ですが、「ルーシー」とは、1974年に発見された化石人類「アウストラロピテクス」の化石に名づけられた名前で、当時流行っていたビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」にちなんで命名されたというそうです。(パンフレットの薀蓄より)

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