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2014年6月29日 (日)

超高速!参勤交代

Photo_2 昨日、再び、地獄の映画二本立てに挑戦しました。もう少し計画的に劇場に足を運べば、このような体力と年齢を無視した愚行を決行する必要もないのですが、どうも、平日に映画に行く習慣が身につかなくて困っています。嗚呼、まだまだ観たい、上映中の映画が消化しきれていません。 

 さて、前置きはともかく、一本目の映画「超高速!参勤交代」は、かつてのハリウッド映画黄金時代にもどったかのような、能天気で、痛快で、喜劇タッチの娯楽時代劇に仕上がっています。
 観る前は、「超高速」などという現代的なタイトルにやや異和感があったのですが、これは、もう、快速列車、いや新幹線と言っていいぐらいの快作です。

 ともかく、話が面白い。時代考証を度外視し、馬鹿馬鹿しく、しかし、なかなか細部まで考え抜いています。なんかの脚本賞を取ったというのも、うなずけます。
 

 この時代劇映画の素晴らしいところは、現在の福島県(ここがミソ)にある片田舎の貧乏藩で、藩主も、家臣も、領民の百姓達も、土の恵みを受けながら、楽しくつつましやかに生きている生き様を、日本人は何か忘れていませんかとばかり、しっかり描いている点です。封建時代という小難しい時代背景などは、からりと捨て去り、個性豊かな田舎侍たちを笑いのネタを積み上げながら、描いています。一行の数も6人の家来と1名の雇われ浪人ですから、喜劇七人のサムライ、といった趣があります。

 幕府の命による無理難題の参勤交代を成し遂げようとするこの一行に、次々と幕府の刺客が襲い掛かりますが、知恵と工夫で乗り越えてくのです。しかも、こうした一行の艱難辛苦を観客は捧腹絶倒の中で見守ることになります。
 佐々木蔵之介扮する、領民にも家臣に慕われる殿様も、居合の達人ながら実は閉所恐怖症で駕籠に乗ることができないとか、西村雅彦演じる知恵者の家老も井戸に落ちたり、幽霊に間違われたり、もう絶品です。そのほか、喜劇の得意な役者がそれぞれ槍、弓矢、二刀流などの達人に扮し、さまざま見せ場を作ってくれます。鑑賞途中で、何回、吹き出したかなあ。あの竹光のギャグは、わかっていても笑ってしまいました。 

 そして、深田恭子の気の強い飯盛り女が良い。この人、だんだん本物の女優さんになっていくなあ。殿様のやさしさに惹かれ、最後はハッピーエンドがうれしい。それに、戦いの場面では、しっかり刀を構える姿など、気の強さも細かく描いています。演出の小技が光っています。こういうの凄く好きです。

 加えて、喜劇時代劇のくせに、もう殺陣が迫力満点。痛そうなアクションが見事です。それに、斬ったら、きちんと血がつつましやかに節度を持って出ます。この細かさが何とも言えません。

 また、一行の案内人として雇われた、伝説の凄腕の忍者役も、花子のお父(NHK朝ドラ)にとっては儲け役よねえ。すれからしの筈の稀代の忍者が、殿様をはじめとする一行のあまりの人の好さに驚く中、結局、前渡しされた報酬がこつこつ溜め込んだ小銭だったのを見たことで、「表返り」するという流れはうまい。なんか納得します。こういう脚本の工夫が効いていますから、時代考証などは荒唐無稽でもいいんです。要は、何を観客に伝えたいかではないでしょうか。

 そして、最後に、ハッピーエンドの中、良い筆頭老中役の花子のおじい(NHK朝ドラ)が言います。「これからも土を大事にせいよ。」と。現代の為政者はわかっているのでしょうか、と映画は静かに皮肉を利かせています。

 時代劇ファンの私としては、ギャグ良し、殺陣良し、筋書き良し、のこの映画には、痛快娯楽活劇分野での大金星という賛辞を捧げたいと思います。真にお見事でした。

 2本目の映画は、また後日。どうも目が疲れてしまって、記憶が薄くなっているような気がします。

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