マイク・ヒル
マイク・ヒルという造型師さんがいます。この人の造り出す模型の作風がなかなか私好みなのです。
この外国の造型師について、初めて意識したのは、ハマー・フィルムの「吸血鬼ドラキュラ」に登場する、クリストファー・リーの1/4サイズのバストモデルを手にした時でした。
映画の雰囲気を余すことなく再現し、しかも、リーの猛禽的な凶暴さもスタイリッシュに彫り込んでいる逸品です。 他の人の作品とは一線を画しています。やはり、オリジナルの映画を尊重する精神が尊いのです。
映画ファンにとっては、某有名造型師のように、勝手な好みで、映画のクリーチャーを無残に変形するのは、許しがたい冒涜であります(笑)。
これは、デフォルメを否定しているものではありませんし、映画への敬意を表す見事なデフォルメ模型も数多くあります。要は、オリジナルの映画に対する愛情が感じられないキットが大嫌いなのです。私の模型作りは、映画への賛美と憧憬の象徴なのです。(大げさな・・笑)
ちなみに、そんな映画への愛情に満ちた素晴らしいドラキュラ・キットを完成させたのが、上の写真です。私の塗装の腕が未熟で、なんともマイク・ヒル氏に申し訳ないことです。
さて、今回、このヒル氏の話題を取り上げたのは、かねてから気になっていた、同じくハマー・フィルムの映画「吸血狼男」に登場する、若き日のオリバー・リードが扮したオオカミ男のバストキットが入手できたからです。
塗装する前に、その見事な造形美をご覧ください。リードの憤怒の表情、複雑な毛並み、千切れかけた衣服、閉じ込められていた牢屋の鉄格子をねじ切った形の台座。斜めに切り裂く爪の跡など、誠に細かな細工が素晴らしい。
とりあえず、レジンキットの煮沸、離型剤の洗浄、サーフェイサーの塗布の段階まで済みました。次の塗装作業に向けた戦略を練りながら、今しばらくはこのままで楽しみしょう。
ちなみに、狼男は、やはり、こんな半狼(半分人間)が一番です。最近の映画のように全身が狼の姿になると、どうも猿に見えてしまいます。困ったものです。
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