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2014年6月29日 (日)

オール・ユー・ニード・イズ・キル

Photo_4 昨日の映画のハシゴの2本目に選んだのが、先行ナイトショー上映の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でした。観たい映画が溜まっているという中で、何故、これから上映期間が始まる映画を選ぶのでしょう。まったく、我ながら、場当たり的ですなア。

 でも、あの「ボーン・アイデンティティー」の監督ダグ・ライマンが、トム・クルーズ主演で撮ったSF映画なのですよ。目の前に観る機会があるのに、見過ごすことはできませんでした。あの予告編の映像もすごいじゃないですか。

 さて、物語は、日本の同名小説が原作らしいですが、宇宙からの謎の侵略者ギダイに、ほぼ壊滅されつつあるとき、トム・クルーズ扮する広報担当将校が、いきなり、最前線に送り込まれ、あっという間に戦死するのですが、すぐに、同じときに戻され、同じ日を繰り返すという奇想天外な体験が始まります。

 実は、ネタバレに近いですが、侵略者の血液を浴びると、時間のループの中に閉じ込められ、何度も同じ体験を、つまり死を味わうのです。失敗して負傷した時など、リセットするために撃ち殺してもらうのですが、また死ぬのか、というクルーズの表情がなかなか笑えます。

 そして、同じ経験を有する女性兵士の英雄とともに、何千回と死ぬ中で、徐々に敵の正体に近づいていくのです。さて、二人は、人類の危機を救えるのか、どうか。以下、映画をご覧ください。

 ともかく、近未来のノルマンディー上陸作戦の迫力が半端ではありません。兵器や装備は、まったくの架空のものですが、臨場感やリアリティは、さすがに、スパイ映画の雰囲気を一新した監督だけのことはあります。また、敵のギダイがすごい、あんまりに素早く動くので目に留まりません。あんな敵と肉弾戦の陸上戦を行うこと自体、無謀です。全滅は当たり前でしょう。

 この映画のミソは、何度死んでも、その時点でリセットされ、最初からやり直しになるのです。いわば、パソコンゲームと同じ要領です。日本の原作というのもよくわかります。

 さらに、死んだ場合、リセットされる時間軸はともかく、死んだ後の時間軸は、どうなっていくのでしょう。トム・クルーズは、失敗のたびに、撃ち殺されています。その回数の別の次元があるのでしょうか。どうも、時間ループに閉じ込められるという意味がよくわかりません。また、敵の正体は、ゲームのように、ラスボスがいるのですが、そいつが時間をコントロールしているらしいのですが、どうも、よくわかりません。映画の中では、更迭された科学者が、説明してくれたのですが、いかんせん、2本目の疲れた頭ではよく理解できませんでした。ラストも、何故、その時点に戻って、ハッピーエンドになるのか、不思議です。

 やっぱり、この歳では、レンチャンは無理でしたナ。できれば、映画のように、開演までリセットしてもらい、もう一度、はじめから万全の態勢で臨みたいものです。
 反省です。もったいないことをしました。気が早いですが、DVDで、もう一度、映画をきちんと再見することに致しましょう。

 ちなみに、まだパンフレットが劇場では発売されていなかったので、チラシをどうぞご覧ください。

超高速!参勤交代

Photo_2 昨日、再び、地獄の映画二本立てに挑戦しました。もう少し計画的に劇場に足を運べば、このような体力と年齢を無視した愚行を決行する必要もないのですが、どうも、平日に映画に行く習慣が身につかなくて困っています。嗚呼、まだまだ観たい、上映中の映画が消化しきれていません。 

 さて、前置きはともかく、一本目の映画「超高速!参勤交代」は、かつてのハリウッド映画黄金時代にもどったかのような、能天気で、痛快で、喜劇タッチの娯楽時代劇に仕上がっています。
 観る前は、「超高速」などという現代的なタイトルにやや異和感があったのですが、これは、もう、快速列車、いや新幹線と言っていいぐらいの快作です。

 ともかく、話が面白い。時代考証を度外視し、馬鹿馬鹿しく、しかし、なかなか細部まで考え抜いています。なんかの脚本賞を取ったというのも、うなずけます。
 

 この時代劇映画の素晴らしいところは、現在の福島県(ここがミソ)にある片田舎の貧乏藩で、藩主も、家臣も、領民の百姓達も、土の恵みを受けながら、楽しくつつましやかに生きている生き様を、日本人は何か忘れていませんかとばかり、しっかり描いている点です。封建時代という小難しい時代背景などは、からりと捨て去り、個性豊かな田舎侍たちを笑いのネタを積み上げながら、描いています。一行の数も6人の家来と1名の雇われ浪人ですから、喜劇七人のサムライ、といった趣があります。

 幕府の命による無理難題の参勤交代を成し遂げようとするこの一行に、次々と幕府の刺客が襲い掛かりますが、知恵と工夫で乗り越えてくのです。しかも、こうした一行の艱難辛苦を観客は捧腹絶倒の中で見守ることになります。
 佐々木蔵之介扮する、領民にも家臣に慕われる殿様も、居合の達人ながら実は閉所恐怖症で駕籠に乗ることができないとか、西村雅彦演じる知恵者の家老も井戸に落ちたり、幽霊に間違われたり、もう絶品です。そのほか、喜劇の得意な役者がそれぞれ槍、弓矢、二刀流などの達人に扮し、さまざま見せ場を作ってくれます。鑑賞途中で、何回、吹き出したかなあ。あの竹光のギャグは、わかっていても笑ってしまいました。 

 そして、深田恭子の気の強い飯盛り女が良い。この人、だんだん本物の女優さんになっていくなあ。殿様のやさしさに惹かれ、最後はハッピーエンドがうれしい。それに、戦いの場面では、しっかり刀を構える姿など、気の強さも細かく描いています。演出の小技が光っています。こういうの凄く好きです。

 加えて、喜劇時代劇のくせに、もう殺陣が迫力満点。痛そうなアクションが見事です。それに、斬ったら、きちんと血がつつましやかに節度を持って出ます。この細かさが何とも言えません。

 また、一行の案内人として雇われた、伝説の凄腕の忍者役も、花子のお父(NHK朝ドラ)にとっては儲け役よねえ。すれからしの筈の稀代の忍者が、殿様をはじめとする一行のあまりの人の好さに驚く中、結局、前渡しされた報酬がこつこつ溜め込んだ小銭だったのを見たことで、「表返り」するという流れはうまい。なんか納得します。こういう脚本の工夫が効いていますから、時代考証などは荒唐無稽でもいいんです。要は、何を観客に伝えたいかではないでしょうか。

 そして、最後に、ハッピーエンドの中、良い筆頭老中役の花子のおじい(NHK朝ドラ)が言います。「これからも土を大事にせいよ。」と。現代の為政者はわかっているのでしょうか、と映画は静かに皮肉を利かせています。

 時代劇ファンの私としては、ギャグ良し、殺陣良し、筋書き良し、のこの映画には、痛快娯楽活劇分野での大金星という賛辞を捧げたいと思います。真にお見事でした。

 2本目の映画は、また後日。どうも目が疲れてしまって、記憶が薄くなっているような気がします。

2014年6月22日 (日)

世界名作映画絵コンテ図鑑

 「世界名作映画絵コンテ図鑑」とは、何と私の心をくすぐるタイトルなのでしょう。まず、「世界の名作映画」の映画製作の過程で作られる絵コンテの本とは、撮影裏話の大好きな私のために出版されたようなものであり、しかも、「図鑑」と銘打っています。図鑑趣味もある私としては、是が非でも入手せざるを得ません。その上、限定3000部とは、もうダメ押しです。結構、値段もそれなりに高いのですが、速攻でアマゾンに予約注文していました。 

Photo その待望の本が、昨日届きました。結構、サイズは大きく、いかにも外見は図鑑らしく重厚です。
しかぁし、なんとも大味な内容です。確かに、風と共に去りぬから、サイコ、インディ・ジョーンズなど、様々な作品の絵コンテが並べられています。ただ、どれもこれも、数が少ないのです。解説によると、絵コンテは、1930年代に、ウォルト・ディズニーがはじめ、その映画の内容がよくわかる効果に目を付けたハリウッドのプロディーサーが、「風と共に去りぬ」などの莫大な資金のかかる映画などに使い始めて広まったということですが、あくまで、映画製作の過程での消え物扱いで、ほとんどが消失してしまったそうです。
 この本は、そんな状況の中で、ソール・バスとか、有名なデザイナーの作品などで、奇跡的に残っているものをかき集めて、一冊の本にしたというのが、実態のようです。

 そのため、絵コンテではなく、コンセプトアートのようなものも混じっていますし、黒澤明が、「乱」の製作資金不足の中、描いていた絵なども含まれています。

 ということで、撮影の裏話の絵コンテではなく、アートとしての絵コンテとなっており、正直、私の思いとは異なる本だったのです。絵コンテは、あくまで映画製作のためのツールとして使われるべきであり、保存の問題はあるにしても、あまりアートとしての価値を強調することは本末転倒になるような気がします。
 今後、DVDのメイキングとともに、絵コンテ集やコンセプトアート集が発売されることには、なんの異論もありません。ただ、一言いえば、映画製作後、絵コンテ集を売るために、彩色や丁寧に書き上げることに傾注しすぎて、撮影の動きやアイディアを練るための絵コンテが手薄にならないことをお祈りするだけです(笑)。 

Photo_2
 まあ、中身を見ずに、注文すると、こんなこともあります。そういえば、先日も、米国の有名な模型メーカーのサイドショウ・トイの作品を集めたという本が出版されました。アマゾンのカタログにあったエイリンの見事な表紙写真につられて、思わず予約注文しました。
 が、開けてびっくり。ほとんどのページが、見開きに私の嫌いなアメコミのキャラクターの顔とか体の一部だけをアップで掲載するという、誠に斬新で馬鹿げた内容でした。・・・さすがに、金返せと思いましたネ。この本は、絶対、邦訳はないでしょう。

しかし、地方に居ながら、図鑑などが入手できることは、大変ありがたいことだと思っています。昔なら、こんな本が出版されることも知らなかったでしょう。こういう面では、本当に良い時代になったものです。・・・いや、負け惜しみでなく、ホントに。 
 
 

2014年6月19日 (木)

マイク・ヒル

 マイク・ヒルという造型師さんがいます。この人の造り出す模型の作風がなかなか私好みなのです。

Dscn80581 この外国の造型師について、初めて意識したのは、ハマー・フィルムの「吸血鬼ドラキュラ」に登場する、クリストファー・リーの1/4サイズのバストモデルを手にした時でした。
 映画の雰囲気を余すことなく再現し、しかも、リーの猛禽的な凶暴さもスタイリッシュに彫り込んでいる逸品です。 他の人の作品とは一線を画しています。やはり、オリジナルの映画を尊重する精神が尊いのです。
 映画ファンにとっては、某有名造型師のように、勝手な好みで、映画のクリーチャーを無残に変形するのは、許しがたい冒涜であります(笑)。
 これは、デフォルメを否定しているものではありませんし、映画への敬意を表す見事なデフォルメ模型も数多くあります。要は、オリジナルの映画に対する愛情が感じられないキットが大嫌いなのです。私の模型作りは、映画への賛美と憧憬の象徴なのです。(大げさな・・笑)

 ちなみに、そんな映画への愛情に満ちた素晴らしいドラキュラ・キットを完成させたのが、上の写真です。私の塗装の腕が未熟で、なんともマイク・ヒル氏に申し訳ないことです。

 さて、今回、このヒル氏の話題を取り上げたのは、かねてから気になっていた、同じくハマー・フィルムの映画「吸血狼男」に登場する、若き日のオリバー・リードが扮したオオカミ男のバストキットが入手できたからです。

Img_18741 塗装する前に、その見事な造形美をご覧ください。リードの憤怒の表情、複雑な毛並み、千切れかけた衣服、閉じ込められていた牢屋の鉄格子をねじ切った形の台座。斜めに切り裂く爪の跡など、誠に細かな細工が素晴らしい。

 とりあえず、レジンキットの煮沸、離型剤の洗浄、サーフェイサーの塗布の段階まで済みました。次の塗装作業に向けた戦略を練りながら、今しばらくはこのままで楽しみしょう。

 ちなみに、狼男は、やはり、こんな半狼(半分人間)が一番です。最近の映画のように全身が狼の姿になると、どうも猿に見えてしまいます。困ったものです。
 
 
 

2014年6月18日 (水)

ダンデライオン

 恩田陸の小説「チョコレートコスモス」の続編「ダンデライオン」が、毎日新聞社発行の月刊の小冊子「本の時間」に連載されていると聞いて、もう何年経ったのでしょう。

 以前、このブログにも書いたように、「チョコレートコスモス」とは、漫画「ガラスの仮面」の小説版ともいうべき、演劇の天才少女、佐々木飛鳥の物語です。彼女の出演する演劇チョコレートコスモスは、どうなったのか、その続きをどれだけ首を長くして待っていたことか。

 しかし、その後何年経っても、単行本が発売されません。いいかげん、待ちくたびれてしまい、掲載されていたはずの「本の時間」を求めますと、なんと、2013年9月に廃刊になっていたのです。
 もちろん、掲載中の「ダンデライオン」も、連載25回で終了です。

 その後、いろいろネットで調べますと、作品自体が中断しているようなのです。結局、2009年9月から2013年9月まで、隔月1回、各回わずか10ページでの25回分が発表されている状態です。愛読者苛めのようなものです。
 作者の一日も早い再開を祈念しますが、ともかく、発表分だけでも読みたい。一体、どんな展開になっているのだ~。

Img_0001_2 こういうときこそ、ヤフーオークションです。しかし、もともとが毎日新聞社の宣伝用の小冊子です。書店で細々100円で売られていたものです。部数もごく少数なのでしょう。
 
 

 オークションへの出品もわずかです。しかも、隔月連載のおかげで恩田陸の連載が掲載されているのは、さらにそのうちの極わずかです。

 

 それでも、やっと3冊をゲット。あともう一冊は手配しました。9回、10回、20回、25回の巻です。

 巻頭に、あらすじが載っているのですが、それを読むと、あろうことか、主人公の飛鳥は・・・。

 いや、内容を書くのは止めましょう。もったいないし、全巻そろった時のお楽しみにしましょう。

ともかく、一日も早い、連載の再開と、作品の完成をお祈りします。そして、冊子「本の時間」を廃刊した毎日新聞社も、単行本の発売に向け、読者に対する責任をしっかり果たしてほしいものです。
 
 

2014年6月15日 (日)

映画二本立て

 昨日、週末の夜、久しぶりに映画二本立ての劇場鑑賞を敢行しました。

Xmenn_2 まず、1本目は、アメコミ映画の「X-MEN フューチャー&パスト」です。実は、前作の「ウルヴァリン SAMURAI」が余りに悲惨な出来でしたので、もうこのシリーズは観るのを止めようとしていたのですが、友人の映画愛好家が「何か腑に落ちないが、妙に面白かった.」という言葉に惹かれて、選んでしまいました。

 この映画のミソは、精神だけを過去にタイムスリップさせるという新手のアイディアにつきます。この思い付きは、一般的なタイムトラベルを可能にさせる超能力という設定よりは、なんか説得力があります。(本当か?笑) 
 さらに、この突拍子もない設定を活用し、過去と現在を相互に見せながら、これまでに登場したX-MENの超能力者達をオールスターで出演させようという、誠に営業面での正しい戦略を立てているのです。なんとも、ファンにとっては、うれしい脚本、映画なのでしょうが、私のような、さほどファンでない者には、あざとい商売映画以外何物でもありません。でも、念動力の巨人ジーン役のファムケ・ヤンセンのカメオ出演はうれしいなあ。

 残念なのは、敵脇役であった青色カメレオン女ミスティークの存在が、大きな役割をもったために、女優が「ハンガーゲーム」の主演女優に代えられていたのは残念です。ミスティークというキャラクターの人気は、爬虫類的ではあるが、全裸で変身するというボディの魅力だったでしょうに、今回は、色気のない青いスーツを着ているような印象です。
 もっとも、配役で言えば、2大巨頭のプロフェッサーXやマグニトーの若き日を演じる俳優がイアン・マッケランやパトリック・スチュアートにまるで似ていないというのも笑えます。

 それにしても、その他大勢のように登場する超能力者たちの中には、どんな超能力を使っているのか、全然わからないミュータントが結構いるのにも驚きました。あの光線銃を持つ黒人、ただ立っているような刺青男などなど、一体何をしているのかな?。多分、原作を読んでいないとだめなのでしょうね、きっと。

 加えて、あのロボットは進化しすぎですよねえ。とても、人類の科学力でありません。逆にずいぶん興ざめでした。

 最後に、友人の「腑に落ちない」というのは、多分、タイムスリップのパラドックスの後始末なのでしょう。何をやっても歴史の結果は変わらないという最近の主流の考え方をあっさりと希望的願望で放棄し、ハッピーエンドで締めていますが、あれで本当に論理的な矛盾はないのか、よくわかりません。真に妙に腑に落ちませんな。

 なお、余談ですが、プロフェッサーXが未来の自分の姿を見たときに、次のセリフを是非とも言ってほしかった。「オレ、ハゲるんだ。」と。

 

 さて、この映画が終了した5分後に始まったのが、「ノア 約束の舟」です。いやあ、この映画の思想は、なかなかきつかった。2本目に観るべき映画ではありません、まいりました。映像などは一見リアルに見えるようですが、人間が実際生活できるリアル感は完全に排除されています。宗教映画ですから、実は当然なのかもしれませんが、とても、日本人にはついていけません。まさに、狂信の意味を考えさせられます。
 新約聖書の苛烈極まりない世界を徹底的に描きます。神の正義の非情さ、神の教えに忠実なノアの偏狭な人間像、他者への徹底した無慈悲さ、しかも、よく考えると、無垢な動物達という教えは、神の視点から見たら科学的には無知蒙昧ですよね。嗚呼、八百万の国、日本に生まれて本当によかったと思います。

 以上で、この映画へのコメントは終わりです。とても、とても疲れました。
 

2014年6月 8日 (日)

ターザン賛歌

 懐かしのターザン映画がDVD10枚セットのボックス仕様で安売りされていました。しかも、最も有名なターザン役者ジョニー・ワイズミュラーの作品が集められています。ただ、10枚入りのボックスでは収まりきらず、2枚だけが別のターザン役者のボックスに入っているのはご愛嬌です。
 結局、既に発売されていた6作品「類人猿ターザン」、「ターザンの復讐」、「ターザンの逆襲」、「ターザンの猛襲」、「ターザンの黄金」、「ターザン紐育に行く」以外の作品がDVD化されるのは、今回が初めてになります。ありがとうございます。
 さて、その初DVD化作品とは、「ターザンの凱歌」、「ターザン砂漠に行く」、「魔境のターザン」、「ターザンと豹女」、「ターザンの怒り」、「絶海のターザン」の6作品となっています。多分、これでワイズミュラー主演の全作品が網羅されたと思います。

Img 特に、今回のDVDに期待したのは「絶海のターザン」でした。子供の頃、夏休みにテレビ特集でターザンシリーズが一挙放送されたことがあり、その記憶では、ターザンが海の中で巨大なシャコガイに足を挟められるシーンがあったのです。この話は以前ブログ(2009.1.25)でも書きましたが、今回、再見して驚愕の事実が判明しました。
海の中でターザンが戦う相手は、巨大シャコガイではなく、巨大タコなのです。記憶違いにも程があります。もうまったく信じられません。ショックです。現実の悲哀とはこういうものでしょうか。・・・あのシャコガイは何処に逃げたのでしょう、これからしばらくは行方を捜す日々になりそうです。

 それにしても、今回再見して分かりましたが、さすがに水泳のゴールドメダリストであったワイズミュラーだけあってか、泳ぐシーンが多いし、川の周辺のジャングルや木の上の住み家など、まるで箱庭のような夢の風景が懐かしい。どうやら、私のジャングル好きは、この辺りの記憶から来てるかもしれません。もちろん、それは、安楽椅子でのお話で、熱さ、毒虫、臭いなどの過酷な実際のサバイバルの世界を訪れる気は一切ありません、念のため(笑)。

 やっぱり、この当時のターザンは、どんなにチープでも、懐かしい、楽しい映画です。
 
 
 
 

2014年6月 1日 (日)

アナと雪の女王

 今や、10週連続トップの興行成績を収め、主題歌「ありのままで」を若い女性や子供たちが口ずさむという社会現象化している、ディズニー映画「アナと雪の女王」を、昨夜やっと観て来ました。Photo_3

気持ち的には、曲りなりにも映画ファンの端くれとして、ここまでブームや話題になった映画に参加しないわけにはいかぬであろう、という他愛無い義務感と、これほど受ける理由も知りたいというミーハー心なのでしょう・・・多分。
 逆に、こんなに見るのが遅くなった理由は、ヒロインたちの造形が好みでなかったためです。顔が丸顔なのです。横に広がった形に、大きな目、しかも、鼻筋が低いのです。もう、一昔前の日本の少女漫画のようで、アジア向けのようなデザインなのです。そのほかの登場する男達の顔は、西洋人らしい面長です。
 私が愛してやまないディズニーの姫君たちの系統ではありません。中国市場に気を使ったのか、どうかは知りませんが、妙に違和感がありました。そういえば、ソニー資本が入ってからのあの女神像もなんか東洋系ですねえ。もっとも、うちの娘なんかは、「可愛らしいし、案外、CG処理のためじゃないの」と意にも介していません。これは、多分におじさんの妄想なのでしょう。

 さて、映画の方は、真に楽しく楽しませてもらいました。CG技術も素晴らしい。個人的には、手書きの絵が好きなのですが、ここまで美しくリアルな人形劇のような舞台を表現されると言葉を失います。多分、氷の描き方などは比類ないものなのでしょう。感服します。
 手書き芸術の粋を集めた宮崎駿の「風立ちぬ」を差しおいて、アカデミー賞を獲るわけです。あれは、思想的な問題ではなかったのですねえ、純粋にアニメとして面白いか、どうかということなのでしょう。職人芸も、やはり、お金と人と知恵をかけたものには敵いません。

 しかも、今回は、なかなか話が深い。これまでのディズニー映画の枠を超えました。エルザの悩みも深いし、ヒーローであるはずの王子の設定も憎い。最近の映画「魔法にかけられて」もそうだが、王子様はもう流行らないねえ。さらに、「真実の愛」の姿にも驚きました。さらに、映画は時代を受けて進化しています。それだけ女性が自立した時代なのでしょう。こうした点でもこの映画は大いに評価すべきです。

 一方、ディズニー伝統の脇役も活躍します。魂を持った雪だるまのオラフ。雪だるまのくせに、真夏にあこがれる変な奴です。彼の夢の南の島で日に当たる姿はシュールすぎて涙が出ました。座布団一枚を差し上げます。

 そして、山男クリストフの友達のトロールたちの造形が抜群です。いつもはまん丸の石の姿なのですが、これが可愛らしい。こんなすべすべの丸い石で描いたトロールはなかったのではないでしょうか。これも東洋のテイストを感じます。うまいとしか言いようがない。余談ですが、トナカイと暮らすクリストフに対してたびたび「清潔だが少し臭い」というセリフがあるは何ですかね。体臭のことが映画で説明されるのはあまり記憶がないが…。

 最後は、やっぱり歌ですねえ。凄いですねえ。もう聞き惚れます。日本語版ですが、吹き替えの松たか子、アナ役の神田沙也加、素晴らしい。それに、オラフ役は、ピエール瀧、あの「あまちゃん」の鮨屋の大将ですよ。まことに驚きました。皆さん、お見事でした。

 余談ですが、歌詞の翻訳者の功績は絶大なものがあると思います。「Let It Go」=すべてを解き放っての訳を「ありのままで」と作詞したのは、高い評価をすべきです。あのカサブランカの「君の目に乾杯」のセリフに匹敵する快挙です。 

 そういえば、映画と一緒に歌える上映会で、帰りの女性たちが「中年のおっさんが、妙にリキを入れて歌っていた」と揶揄していたという友人の知人の話を聞いたときは、思わず笑いましたが、いまは「いいじゃないか、おっさんが歌ったって」という弁護の気持ちに変化しました。気分は最高、だったんでしょう。よくわかりますぞ。
 食わず嫌いは行けませんね。もっと早く見るべき作品でした。

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