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2014年3月 3日 (月)

東京物語

 傑作の誉れ高い小津安二郎監督の「東京物語」のDVDを見ました。「秋刀魚の味」が前菜とすれば、この作品は、小津作品のメインディッシュのようなものでしょうか。
 
 日本の戦後高度成長期の風俗が良く切り取られています。女性の普段着の着物姿や外から丸見えのまだまだ貧しい家屋の佇まいなどはとても懐かしい気がします。
 それにしても、登場人物の言葉使いの丁寧なことや、子供も含めて隣人がきちんと挨拶している情景は、同じ国のこととは思えないほどです。もうすっかり滅亡した別の文明のようです。こうして過去の映像を見ると、家や服装が贅沢になっても、品格は確実に下等になっていますネエ。

 しかし、名作という所以は、やはり時代を超える普遍性を描き出しているからでしょうね。
 ストーリーは、田舎の年老いた老夫婦が育てた子供たちに逢いに東京を訪問しても、子供たちはそれぞれの生活に忙しくて、通り一編の応対しかしません。結局、老夫婦は居場所もなくなり、いつも物静かな老父の笠智衆は旧友と飲みすぎて泥酔し、老母は死んだ次男の嫁のところで一晩世話になります。
 それでも、老夫婦二人は穏やかに、しみじみと、子供たちのことを語り合います。老母が楽しかったという次男の嫁の口を借りて「しかたがないこと。子どもは自分の生活に忙しくなる」と言わせます。一方、老父も飲み仲間の東野栄二郎に「子供たちは、まあ上等の部類だ」とも言います。
 まあ、これは人生の真実ですネエ。といっても、当たり前のごく普通のお話でありますが、・・やはり身につまされます。歳をとってその度合が益々大きくなりましたか。
 だから、後をひく映画は嫌なのです。

 それにしても、杉村春子の長女の演技が素晴らしい。典型的なおばちゃんを見事に描いてます。実の両親に出すお菓子をケチり、お金で熱海の宿屋に追いやったり、死んだ次男の嫁をしっかり使い回したり、生活力は誠に旺盛です。そのくせ、母親が死ぬとなるといきなり泣くのです。しかし、葬式が済めば、ちゃっかり遺品の整理です。いやあ、時代が変わっても、いつの時代にも居る人間像ですナ。普遍的と言ってもよいでしょう。
 
 最後に、飲み屋の風景は、やっぱり「秋刀魚の味」と同じく大きなちょうちんを描いてます。これがOZUワールドの飲み屋のマークだったのですネエ(笑)。 

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