黒澤映画のフィギュア
映画愛好家の友人と最近見直したばかりという黒澤明の「椿三十郎」の話題となり、その前作である「用心棒」と比べてどちらが好きかという難問に、ふと、以前、食玩ブームの最盛期に、海洋堂から黒澤明の用心棒と椿三十郎のフィギュアが発売されていたことを思い出しました。
まずは、椿三十郎のラストの有名な対決シーンです。この後、大量の血が噴出するという、あまりにも有名な場面です。この一撃で、東映時代劇は粉砕されました。
ところが、当時、あまりにも速い居合い勝負だったので、一体どうやって、三船は仲代を斬ったのかと話題になったようです。その答は、反対側から見れば、一目瞭然です。
そうです、三船は、鞘のまま刀の刃を下向きにして、左手の逆手で抜き打ちをしたのです。しかも、添えた右手で押し出します。
このトリッキーな離れ業なら、凄腕仲代の室戸半兵衛も斬れる気がします。
よくぞ、こんな殺陣を考え出したものです。お見事。
ちなみに、三船のアイディアも随分入っているようです。
次は、用心棒をご紹介します。
もう、仲代の卯之助がかっこよすぎます。絹のマフラーと短銃、そして、着物のすそを捲った姿が、なんとも粋です。
そして、名優加東大介の猪之吉。もう、あの少し足りない滑稽さは見事です。
桑畑三十郎も、あの岐路の雰囲気を再現しています。
ところで、このフィギュアのサイズは、どのくらいと思いますか? 次をご覧ください。
黒澤明のフィギュアまでありますが、隣の単4電池と比べてください。
わずか、7~8cmしか、ありません。海洋堂の造形力の凄さを思い知ります。
ところが、上には上があります。その直後に同じ海洋堂から発売された「七人の侍」のフィギュアがあります。まずはご覧ください。
このフィギュアも、七人それぞれの特徴をよく捉えています。
で、この大きさと言うと、次の写真をご覧ください。
どうやら、ミリタリー模型の世界水準に合わせたようでして、電池と比較して見るとおり、ボトルキャップの台座をのけると、約5cmのサイズです。それで、顔の細かな表情までも作りこんでいます。
加えて、当時の撮影隊や若き黒澤明の姿までも再現しているのは、誠に心憎い海洋堂の造型師です。
どうやら、今夜は「七人の侍」を見たくなリました。高校生の時代に、私に映画の醍醐味を教えてくれた作品です。今夜は、見て元気をもらいましょうか。
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