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2014年3月31日 (月)

黒澤映画のフィギュア

 映画愛好家の友人と最近見直したばかりという黒澤明の「椿三十郎」の話題となり、その前作である「用心棒」と比べてどちらが好きかという難問に、ふと、以前、食玩ブームの最盛期に、海洋堂から黒澤明の用心棒と椿三十郎のフィギュアが発売されていたことを思い出しました。H26331_0041

 まずは、椿三十郎のラストの有名な対決シーンです。この後、大量の血が噴出するという、あまりにも有名な場面です。この一撃で、東映時代劇は粉砕されました。

 ところが、当時、あまりにも速い居合い勝負だったので、一体どうやって、三船は仲代を斬ったのかと話題になったようです。その答は、反対側から見れば、一目瞭然です。

こんなときは、立体は非常に便利です。ではご覧ください。H26331_0051_2

 そうです、三船は、鞘のまま刀の刃を下向きにして、左手の逆手で抜き打ちをしたのです。しかも、添えた右手で押し出します。

 このトリッキーな離れ業なら、凄腕仲代の室戸半兵衛も斬れる気がします。
 よくぞ、こんな殺陣を考え出したものです。お見事。
 ちなみに、三船のアイディアも随分入っているようです。

次は、用心棒をご紹介します。

H26331_0061 もう、仲代の卯之助がかっこよすぎます。絹のマフラーと短銃、そして、着物のすそを捲った姿が、なんとも粋です。 

 そして、名優加東大介の猪之吉。もう、あの少し足りない滑稽さは見事です。

 桑畑三十郎も、あの岐路の雰囲気を再現しています。

 ところで、このフィギュアのサイズは、どのくらいと思いますか? 次をご覧ください。

H26331_0071  黒澤明のフィギュアまでありますが、隣の単4電池と比べてください。

 わずか、7~8cmしか、ありません。海洋堂の造形力の凄さを思い知ります。

 ところが、上には上があります。その直後に同じ海洋堂から発売された「七人の侍」のフィギュアがあります。まずはご覧ください。

 H26331_0011_2   

 このフィギュアも、七人それぞれの特徴をよく捉えています。

 で、この大きさと言うと、次の写真をご覧ください。

 どうやら、ミリタリー模型の世界水準に合わせたようでして、電池と比較して見るとおり、ボトルキャップの台座をのけると、約5cmのサイズです。それで、顔の細かな表情までも作りこんでいます。
 加えて、当時の撮影隊や若き黒澤明の姿までも再現しているのは、誠に心憎い海洋堂の造型師です。

 H26331_0021

 どうやら、今夜は「七人の侍」を見たくなリました。高校生の時代に、私に映画の醍醐味を教えてくれた作品です。今夜は、見て元気をもらいましょうか。

 

2014年3月30日 (日)

レイ・ハリーハウゼンの子ども達

Img1  ついに、というか、やっぱり、レイ・ハリーハウゼンの特集DVDが発売されました。既に、VHSやLDでは、生前から彼の作品を紹介する商品が発売されているのですし、ご逝去にあたって、アメリカで特集化の企画が無いはずはないと思っていました。
 DVDの邦題は、「レイ・ハリーハウゼン 特殊効果の巨人」という2枚組みです。内容は、本編ディスクではレイの高校生の時代の作品から、最後の作品「タイタンの戦い」まで、それぞれの作品に関する本人の思い出と映画関係者の解説などです。
 特典ディスクの方は、レイ・ハリーハウゼンの展覧会のために集めた、映画で使った模型を輸送箱から取り出すところを記録したビデオです。良い歳をこいたプロデューサーたちが歓声を挙げながら、次々とクリーチャーを取り出します(羨ましいゾ)。模型の体表がラテックスですから、経年変化で痛んでいる箇所もありますが、画面で見る限り、予想以上に大きいと言う印象です。また、様々な有名人のインタビュー集、さらには、生前のレイ(もう、完全な好々爺でした。)を囲んでの公開座談会が収録されています。

 ともかく、本編に登場する人物が凄い、主なゲストを挙げると、スティーブン・スピルバーグ、ジェームス・キャメロン、ピーター・ジャクソン、ティム・バートン、ギレルモ・デル・トロ、テリー・ギリアム、ジョン・ランデス、ジョー・ダンテなどの映画監督をはじめ、リック・ベイカー、フィル・チペットなどの有名な特殊効果の巨匠などが、次々と自分の思い出とレイの作品がいかに芸術であるか、ということを力説します。私にとっては、なかなか興味深く拝聴できました。まあ、ほとんどは周知のことでしたが(笑)。
 ただ、撮影のスナップ写真や使用した実物の模型、そして、当時のスタジオや娘さんの証言は珍しいと思いますので、この特殊効果の分野に興味のある人には一見の価値はあります。

Img  最後に、座談会で誰かが言っていました。「どうして、ジョージ・ルーカスが出演しないんだ。」それに対して「作品の使用は了解してもらったヨ。別のところでインタビューしてるんだ。」とか、「サム・ライミ(大好きらしい)は本編に出ていた?」など、など、思わず、笑いました。

2014年3月24日 (月)

映画術 その演出はなぜ心をつかむのか

Img_0001_2  この「映画術 その演出はなぜ心をつかむのか」という書籍は、映画監督の塩田明彦氏が、映画美学校アクターズ・コース在校生のために、7回行われた講義を採録したものということです。

 正直、この監督の作品は、観たことがありませんが、この本の映画の見方には、感動しました。映画を作る側から、実際の映画のシーンを取り上げて、まさに、副題の視点で、詳しく説明してくれます。
 また、動線、顔、視線と表情、動きなど、映画ならではの論点でのアプローチも素晴らしい。しかし、なにより凄いのは、取り上げる作品や監督です。もう、私のツボをしっかり抑えてくれます。

  ヒッチコックの「サイコ」のアンソニー・パーキンスの顔の演出、小津安二郎の「秋刀魚の味」の俳優の機械的な動きや無表情さの秘密、クリント・イーストウッドの「許されざる者」のモーガン・フリーマンの演技の凄さ、さらに、三隅研次の「座頭市物語」の対決シーンなど、細かなカットを丁寧に解説しています。まさに、観客の感動をいかに作り出しているかをじっくり浮き彫りにしてくれます。もう、目から鱗の連続です。

 わが国の感覚だけで、筋書きだけで、駄文をつむぐ映画評論家達は、せめて爪を煎じて飲んで欲しいものです。「映画とは動きの創造である。」との監督の言葉がいい。「映画は生れ落ちたときから映画」という認識もいいな。

  実は、この本は、まだ、半分しか読んでいません。が、あまりに感動したので、このブログを書いています。どんな映画美学校がどんな所か知りませんが、行ってみたい。
 さあ、後半、お楽しみはこれからだ。

 なお、唯一、気に入らないのが、表紙のダサさですが、この本のタイトルは、あの名著「ヒッチコック/トリフォー 映画術」から取っているとか、これは良い。まあ、これは、別の話です。ともかくも、是非、映画が好きな人は、この本をお勧めします。

2014年3月23日 (日)

ウォルト・ディズニーの約束

Img  「ウォルト・ディズニーの約束」とは、あのサイコの撮影裏話を描いた「ヒッチコック」と同様に、ディズニー映画「メリーポピンズ」の撮影秘話を映画化したものと聞いて、一に二もなく、劇場に足を運びました。こういう映画現場の苦労話が大好きなのです。 

 さて、ストーリーの筋を平たく言うと、20年間にわたり映画化を拒否している童話「メリーポピンズ」の原作者パメラ・リンドン・トラヴァーズと、社長のウォルトを始めとするディズニーの制作陣の悪戦苦闘の物語です。
 映画は、トラヴァース女史の子供頃の回想を中心に、脚本製作現場が交互に描かれます。オールドミスの女史の契約を振りかざし、ディズニーの脚本家や有名な作曲家たちへの横暴振りは凄まじいものがあります。「アニメやミュージカルは一切ダメ」、「赤い色は禁止」など一方的な指示の修羅場に、ディズニーのスタッフは、じっと耐えます。こうした受け手の描き方は、この映画がディズニー作品だけに割引きますが、それでも宮仕えや下請け業者などの弱い立場の悲哀に共感し、応援したくなります。

 ところが、実はロンドンの霧の中に住む偏屈な原作者には、その生い立ちに大きな秘密があったのです。ハリウッドに似た気候のオーストリアで子供時代をすごし、大好きな父親との思い出が彼女の現在を作り上げています。誠に、一流の作家というものは、その創造の源に、一般人には思いもよらないような深い闇を抱えているものがあります。一流の芸術家に、一般常識など求めるな、ということを再認識させます。当たり前のことですが、・・・。
 ところで、娘というものは、あんな駄目な父親を好きになったままで居るのでしょうか、よくわかりません(笑)。
 主演のエマ・トンプソンは巧く演じていますが、やや美人過ぎます。最後に出てくる実在の原作者の写真は、なかなか圧倒的な存在感を示しています。当時、彼女と仕事をしたスタッフの恐怖と怒りが察せられます。

 一方、ディズニーランドの大成功、ハリウッドの帝王ウィルト・ディズニーについては、名優トム・ハンクスが演じ、仕草などはそっくりです。やっぱり、彼は何を演じてもうまい。ただ、制作がディズニー映画ですので、その創始者は立派な人として描いています。
 トラヴァース女史の場合とは雲泥の差です。映画のタイトルは、「メリー・ポピンズの秘密」という方が似合っていますが、これはどこまで事実なのでしょうネエ。本人にしては、プライベートの最たる処ではないでしょうか。誠に有名作家とは辛いものですねえ。映画自体は、総じて面白かったものの、そんな一部の割り切れなさが残りました。

フランシス・コッポラのドラキュラ

 久しぶりにゴッドファーザーを観たせいではないのですが、巨匠フランシス・コッポラの意外なB級趣味(?)が満載された怪奇映画「ドラキュラ」から、吸血鬼ドラキュラが狼男に変身した姿のソフビキットを製作しました。
H2507214_004  このキットは、アメリカのメーカー「ホライゾン」から発売されたものですが、映画に登場するドラキュラの吸血鬼になる前の騎士姿と蝙蝠男、そしてこの狼男の3つの模型がシリーズで売り出されていました。この中で、騎士の甲冑デザインが秀逸であり、この模型欲しさにオマケで買ったものでした。その後、蝙蝠男は未開封のまま転売したのですが、このキットはなかなか引き取り手が無いのです。その不人気の理由は、外箱でもお分かりのとおり、なんとも顔の白い類人猿の様で、とても狼には見えないというデザインの拙さからなのでしょう。これは、純粋に、映画のオリジナルの造型が問題なのであり、キットに罪はありません。
 そこで、一念発起し、自ら塗装することにいたしました。以下、製作過程をご紹介します。

 まず、ソフビのキットの組み立てです。ここは、ドライヤーを使って軟らかくしながら部品をはめ込みます。ただ、このキットは、上半身が大きく、しかも両手を広げた形状であり、重心が高くなっていることから、うまく自立しません。そこで、時間経過によるソフビのへタレの防止と重心を下げてバランスを取るため、両足の部分に、レジンキャストを流し込みました。ここで大失敗です。過去と同じ過ちを犯しました。継ぎ目からレジンが流れ出しているではありませんか。継ぎ目は埋めたはずなのに、嗚呼、無情・・・。一旦中止です。H26222_0011

 H2639_0101 修復を図ったあと、上半身を組み立て、継ぎ目を黒い接着剤で、埋めます。そして、サーフェーサーで下塗りです。

 これで、やっと、塗装の段階に入ります。
 やはり、顔の白さと体色の黒さに違和感があります。間抜け面です。そこで、体色は、ブラックではなく、ブラウン系の薄めに変更し、顔や手,足は、肌色をベースのラッカー塗装に、クリアブルーで隈取を施しました。

 以下、完成した姿をご披露します。映画のオリジナル姿とは少し違いますが、この方が見栄えがします。第一、映画の中では、暗がりの中で女を襲っているシーンでの登場でしたので、単体だけの模型とは条件が異なりますので、ご容赦願います。

H26323_0171 H26323_0161 H26323_0221

 

 いかがでしょうか。オリジナルの箱絵よりも、雰囲気は狼男風ではないでしょうか。え、あまり変わらない?
 ちなみに、寡聞にして、この映画のドラキュラ本体は、模型が発売されていません。(売っていたら、ゲーリー・オールドマンさん、ゴメンナサイ。)というのも、当然かもしれません、このブログで以前書いた(2007.5.4)ように、あまりに貧相の姿でしたので人気が出ないと思ったのでしょう。確か、あの白髪のターバン髷の老伯爵姿の方はあったと思いますが、やはり、なんと言っても、傑作デザインは、あの狐風の甲冑姿でしょう。おまけでご覧ください。H26111_0151

2014年3月21日 (金)

ゴッドファーザー Part2

 今年の正月、DVD「ユーガットメール」を観たとき、劇中、「男はみんな、ゴッドファーザーの話をする。」との会話があって、無性にゴッドファーザーを再見したくなったことがありました。
 当時、その思いをこのブログ(2014.1.3)に書いて、DVD3部作のBOXまで購入したのですが、なかなか見る機会が無いまま、最近まで時を過ごしていました。実は、正直なところ、筋書きも知っているだけに、見る覚悟がなかなか整わなかったのです。あれだけの骨太のドラマですので、体調が良く、気持ちが高揚していなければ、とっつきにくかったのです。

Img  そして、ついに、先日夜、意を決して「ゴッドファーザーPart2」のDVDを手に取りました。まあ一度、幕が開くと、あとは時間を忘れてしまったのですが、いかんせん、3時間という上映時間のことを失念しており、睡眠時間との関係で、一度中断し、後半については翌日にずれ込みました。残念なことをしました。

 しかし、やっぱり、Part2の出来は最高です。アル・パチーノ扮するマイケルの現在と、ロバート・デ・ニーロが演じた若き日のゴッドファーザーの過去が相互に描き出されます。特に、若きロバート・デ・ニーロが素晴らしい。
 ある女性のブログの評では、「デ・ニーロが美しい」という表現があったのですが、まさに、そのとおり、良い得て妙です。改めて見て、普段思っているデ・ニーロとは違う、新鮮味を感じました。
 加えて、第1作のマーロン・ブランドの台詞回しなどに、かなり似せて演じているようにも見えて、デ・ニーロの演技の巧さを実感します。

 その後、第1作も再見したのですが、どうも、今回、デニーロが新鮮に見えた分、第2作の方に軍配を挙げたくなります。しかし、いずれも、映画監督のフランシス・コッポラとしての最高の映画であります。ただ、第三作目はパスです。この2作品の余韻を十分楽しむためにも、見ることは遠慮しました。 

2014年3月18日 (火)

地震対策

 最近、南海トラフ地震の発生が話題になっています。先日もテレビの地震予知の特集番組が放映された直後に、実際に震度4の地震が起こったことも、我が家のコレクション状況に危機感を抱くきっかけになりました。
 幸い、書棚からの本の落下や飾り付けのフィギュアの転倒などの被害は起こりませんでしたが、どうやら早急な緊急対策が必要です。
 このため、コレクション対策として、まずは飾っていたフィギュアのうち、貴重なものは、元箱に梱包して押し入れなどに保管することにしました。日常的に眺めることができなくなることは残念ですが、その分、陳列スペースも増えます(笑)。

H251031_0121 H2365_0041 H2211212_0041 H23919_0051_2 Dscn90791_2  対象のリストは、サイドショウのダイナソーリア・シリーズ恐竜模型から、①ディロフォサウルス、②ステゴサウルス、③トウプクスアラ、④スティコラサウルス、⑤ティラノサウルス、⑥カルノタウルスの6体です。もともと、スピノサウルスやアパトサウルスは未開封ですので、これですべての恐竜フィギュアを眺めることができなくなりました。トホホ。

001_2 Dscn6453  次は、ロード・オブ・ザ・リングの模型から、⑦湖の番人、⑧フェルビーストです。外にも、サウロンやウィッチキングが鎮座しているのですが、サイズが大きすぎて元箱への帰還が至難のわざとなっており、当面様子見です。

 さらに、サイドショウの⑨ビッグサイズの「大アマゾンの半魚人」は、なんとか箱に入れました。また、新顔の⑩プレデターもお蔵入りです。そして、長らく廊下の一角で停泊していた⑪エクスプラス社のレジン製のノーチラス号もドッグ入りに致しました。これが一番寂しい。

Dscn6198  現在のところ、こうした緊急避難対策で精一杯なのですが、尻尾がどうしても外れない、マーミットの屈みエイリアンなどの保管などはどうするのか、頭が痛くなります。
 
 しかし、それ以上に問題なのが、天井まである書棚です。揺れによる本の落下をどうやって防ぐのか、それが最大の課題になっています。
 インターネットのあるサイトを見て、一縷の望みもあるのですが、なお、さらなる研究をする必要がありそうです。

 ともかくも、どうか、今しばらく、いやできたら、当分の間、地震が起こらないことを祈っております。 

2014年3月17日 (月)

フェバリットのアパトサウルス

 以前、このブログで紹介(2013.12.13)しました模型メーカーの「フェバリット」から発売され、現在は絶版商品となっている恐竜アパトサウルスの模型が、このたびヤフー・オークションにニ品、同時期に出品されました。偶然にも出品者は両者ともリサイクル店であり、しかも、いずれの商品も尻尾が折れており、台座の状態もあちらこちらに塗装剥げ跡があり、あまり状態は良くないものです。
Img  ただ、一方には外箱があり、もう一方は箱なしです。しかも、箱付きの方が尻尾の骨折は簡単に修復可能な軽傷でした。箱無しは、尻尾が左の図(自筆)のように、ほぼ直角に曲がった挙句、骨である針金が飛び出し、接続面が欠損しているのです。

 オークションの締め切りが近くなるにつれ、当初、3千円台だった価格は、箱付き商品の方が尻上がりに値を上げ、結局5倍強もの高値で落札されました。さすが、絶版商品で箱付きの力は恐ろしいものがあります。お宝鑑定団の効果なのでしょう、まったく困ったものです。
 おかげで、私の方といえば、もう一方の誰も入札しないジャンク商品の方を当初の値段で購入いたしました(笑)。

 とはいっても、商品が手元に到着してからが大変でした。破損の状態が予想以上にひどいのです。折れた面が全くくっつかないのです。やむなく、隙間をパテで埋め、鱗を彫り込み、そして、サーフェイサーを塗布したうえで、ラッカー塗料のダークグリーン系で濃淡を付けました。
 しかし、この商品は、原型師が恐竜造型一筋で有名な荒木一成の作だけに、見た目以上に複雑な色合いで塗られており、なかなかうまく擬装できません。
 結局のところ、遠目で見たら目立たないかもしれない程度で妥協いたしました。まあ、自白しなければ、背広の上下の違いほどには、通常は多分気が付かないでしょう。

 それにしても、材料がレジンである商品というものは、精密には造型できる反面、誠に壊れやすいものです。製造メーカーのフェバリットが、レジン製品を縮小し、ソフビ製品に変えていった理由もわかるような気がします。多分、製造過程での不良品、輸送中の破損など、コストもかかり、購入者からの苦情も多かったのでしょう、きっと。

 さて、お待たせしました。1/50サイズで全長50cmの勇姿をご覧ください。

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H26316_0041 ちなみに、これが、修復した尻尾です。あんまり目を凝らして見ないでください。妥協の産物であり、未熟な腕が恥ずかしい・・・。

また、木製の台座の塗装はがれには、市販の「かくれん棒」を塗り込んで誤魔化しています。結構、目立ちませんゾ。

 なお、足元に見える白い物質の正体は、取り外し自由のガム状の固定材です。地震の弱い揺れには一定効果があります。

 ということで、フェバリットの恐竜模型シリーズの製品で入手できていないのは、あと3体になりました。
 ・・・どうやら、眠っていたコレクション魂を起こしてしまったようです。困りました。発売中は、そんなに欲しくなかったのにネエ・・・。 

2014年3月16日 (日)

新ロボコップ

Img  何故、あの名作「ロボコップ」をリメイクする必要があるのでしょう。新作を観た後も、その疑問は解けません。通常のSF活劇として眺めれば、普通に楽しめるかもしれませんが、オリジナル作品の信奉者としては、やはり納得できません。

 結局、監督がCGでロボコップを作りたかっただけじゃないのか。あの黒澤明監督の「椿三十郎」をカラー化しただけの駄作と同じ結果でした。
 もちろん、元が秀逸ですから、一定、鑑賞に堪えますが、せめて、ピーター・ジャクソン監督の「キングコング」のリメイクのように、オリジナルでカットされた場面を復元するとかの心意気を示してほしいものです。

 しかし、ロボットの兵士や警官を導入しないという禁止法がある近未来のアメリカで、法の網の目をくぐり、人間との機械の合体マシンによる導入実績をつくろうとする設定や発想などは、結構おもしろい。
 というのも、鉄腕アトム、というより森羅万象の物に魂を感じる精神的な土壌の上で、ロボットに愛着を抱く日本人とは異なり、人間以外に精神があるとは決して認めないキリスト教世界では、やはりフランケンシュタインの怪物の悪夢でしかないだろうという前提があるようにさえ思えるのです。

 また、映画の実質上の主役であるかのように、徹頭徹尾、タカ派的な発言を繰り返すテレビ局のコメンテーターを演じたサミュエル・L・ジャクソンの迫力が見物です。その過激なアジテーションの演出が、かえって、今の現実の世界情勢の危うさを浮き彫りにしているように見えるのは一定評価します。

 それにしても、人と機械の境界はどこか、新ターミネーターでのテーマでもありましたが、頭部と胸部しか残っていない姿を大画面で真正面から大写しにされると、CGとはわかっていても、気分が悪いですねえ。前シリーズ第2作の感心しないグロテスク面までコピーすることはないと思いますが、いかがでしょう。

 ただ、全体を通してみれば、活劇もあっさりしているし、機械にされた主人公の感情が淡白すぎます。オリジナルの怨念のような雰囲気がきれいさっぱり浄化されており、無菌室の印象が全編に感じられます。これは、CG技術の薄っぺらさのせいかもしれません。あのオリジナルの良い意味の毒々しさがさっぱりと抜け落ちているのも残念な点です。
 しかも、オリジナルの「お前はクビだ」というオチが、今回は、本人の根性?というような不可思議な力により成し遂げるのは、いくらなんでも、ご都合主義ではないでしょうか。少しあきれました。
 なお、新作のロボコップや大型ロボットED-209などのデザインは、オリジナルのデザインがいかに素晴らしいものであるかを改めて再認識させてくれました。

 最後に、安易なリメイクは行わないでほしいものです。有名俳優を何人も投入しようとも、せめて、オリジナルの公開から10年はそっとしておいてほしいと思ったら、公開年次は1987年というのですから、もう既に四半世紀を過ぎているのです。時の流れは速いことに改めて驚きます。こうなれば、名作映画リメイク禁止法でも作って欲しいものです。

   

2014年3月 9日 (日)

タブレット購入の巻

 先日、かねてから購入するか、どうか長らく悩んでいたタブレットを買ってしまいました。もちろん、タブレットとは、ipadに代表される情報通信機器です。
 3月の初め、職場で同僚とWi-Fiの話をしていて、突然購入を決めたのです。SiMカードとやらで月額980円でつながるらしいとのこと。今なら、グーグルの7インチタブレットのセットで、毎月の費用が3000円未満という。これなら許容の範囲とばかり、一晩の検討の結果、即決(?)しました。結婚と同じで決まるときは自然に決まります。本当か?

H2639_007  ちなみに、左の写真が、お安いケースに入れた7インチタブレットです。もちろん、機械オンチの私ですので、商品が到着後は、勧めた職場の同僚に、設定からアプリの導入まで一切をお任せです。同僚も良い迷惑です。本当にお手数をおかけしました。この場を借りて御礼申し上げます。(もちろん、彼はこのブログのこと知りませんが・・笑)

 さて、その後、表面の保護フィルムも貼って(これも、初心者にはゴミやら気泡が入って難しかったなア。)、一段落したものの、思えば、ここまで来るのが大変でした。
 自宅のパソコンのメールの会社が異なっているので、なかなかややこしい。ただ、そうした手間を通じて、Wi-Fiの仕組みもおぼろげながら判ってきました。やっと私のインターネットに関する知識も世間様並みの常識レベルに追いついてきました。
 それにしても、設定当初、某メールがつながらなくて、あせっていたら、なんてことはなく、丁度その時は間の悪いことに、システム障害があったようです。全く脅かしてくれます。

 機器が到着して1週間となりますが、カメラを写せばケースでレンズが隠れているとか、サイズが114mm×200mm×8.65mm、重さが290gであるため、若干片手では扱いにくいかな? ちょっと手に余ります。第一、歳のせいか油気が抜けているようで、タッチしても、なかなか指の指示通り画面が動いてくれません。困ったものです。これからテクニックを磨かなければなりませんゾ。
 しかし、まあ、まだまだ、新婚ほやほやの初心者です、なにが出来るか興味深々です。お楽しみはこれからです。

 余談ですが、アマゾンの電子書籍Kindle版が思いのほか便利です。
 紙ベースでは発売されていない、茅田砂湖の「スカーレット・ウィザード番外篇」の第1篇及び第2篇と、「デルフィニア戦記外伝」をそれぞれ100円で購入しました。これも一度設定すれば、あとは簡単、次々とゲットです。
 ついでに、映画「パシフィック・リム」の解説本及び「本編解説&コメンタリー」本をおもわず、購入しました。なんと一つは250円もしましたが、容量のためか、画像などは一切なく、ひたすら文章での解説です。ただ、作者の「羽生えるざ」という作者は、どうやら、このアマゾンから物書きにデビューしたようです。なかなか視点と文章が面白いし、某雑誌の文章より上品です。今後に期待しましょう。
 ということで、どうやら電子書籍も癖になりそうです。

 まあ、Kindle版については、これはまた別の話で・・(笑)

  

2014年3月 4日 (火)

ツノゼミ

 あなたはツノゼミを知っていますか?
 大きさは1cmにも満たない小さな虫です。南米からアフリカまで全世界に生息しています。私も、あまり昆虫には興味は無いのですが、このツノゼミの仲間の奇天烈な姿には驚愕します。その虫を網羅した図鑑が出版されています。この図鑑というよりガイドブックについては前から気になっていたのですが、今回やっと購入しました。

Img  写真は本の表と裏の表紙なのですが、中身も同じようにツノゼミの見事な精密な標本写真が多数掲載されています。是非一度、手にとってご覧ください。
 自然の気まぐれが作り出したような、ありえない姿は本当に感動します。
 併せて、あんな小さな虫をピントを合わせた写真も見事です。その撮影の秘密が本の巻末で公開されています。深度合成写真撮影法というようで、標本を上下に動かして、多数の写真を層状に撮影し、ピントの合った部分だけをコンピューター上で合成する方法だそうです。
 これほど小さな虫の鮮明な写真をつくるには、やはりコンピュータを活用しているのか、と納得しました。Img_2

 それにしても、なんとも珍妙な扮装をしたツノゼミたちの目的はまだ不明な部分が多いそうです。このような植物の棘や天敵への擬態という範疇を軽く飛び越えた姿には、大自然の神秘というより創造主の冗談のような気さえします。つくづく、この地球には、まだまだ人知を超える謎が満ち溢れていると感じます。さあ、こうした本を眺めながら、創造主の造型の妙味を楽しみましょうゾ。
 しかし、この極小の虫に魅せられ、ジャングルを巡って捕獲し、顕微鏡を使って標本の埃を取り除きながら、写真を撮り続けている、この著者はつくづくエライ人だと尊敬し、憧れもします。もっとも、自分が実際にしたいとは決して思いませんが(笑)。

2014年3月 3日 (月)

東京物語

 傑作の誉れ高い小津安二郎監督の「東京物語」のDVDを見ました。「秋刀魚の味」が前菜とすれば、この作品は、小津作品のメインディッシュのようなものでしょうか。
 
 日本の戦後高度成長期の風俗が良く切り取られています。女性の普段着の着物姿や外から丸見えのまだまだ貧しい家屋の佇まいなどはとても懐かしい気がします。
 それにしても、登場人物の言葉使いの丁寧なことや、子供も含めて隣人がきちんと挨拶している情景は、同じ国のこととは思えないほどです。もうすっかり滅亡した別の文明のようです。こうして過去の映像を見ると、家や服装が贅沢になっても、品格は確実に下等になっていますネエ。

 しかし、名作という所以は、やはり時代を超える普遍性を描き出しているからでしょうね。
 ストーリーは、田舎の年老いた老夫婦が育てた子供たちに逢いに東京を訪問しても、子供たちはそれぞれの生活に忙しくて、通り一編の応対しかしません。結局、老夫婦は居場所もなくなり、いつも物静かな老父の笠智衆は旧友と飲みすぎて泥酔し、老母は死んだ次男の嫁のところで一晩世話になります。
 それでも、老夫婦二人は穏やかに、しみじみと、子供たちのことを語り合います。老母が楽しかったという次男の嫁の口を借りて「しかたがないこと。子どもは自分の生活に忙しくなる」と言わせます。一方、老父も飲み仲間の東野栄二郎に「子供たちは、まあ上等の部類だ」とも言います。
 まあ、これは人生の真実ですネエ。といっても、当たり前のごく普通のお話でありますが、・・やはり身につまされます。歳をとってその度合が益々大きくなりましたか。
 だから、後をひく映画は嫌なのです。

 それにしても、杉村春子の長女の演技が素晴らしい。典型的なおばちゃんを見事に描いてます。実の両親に出すお菓子をケチり、お金で熱海の宿屋に追いやったり、死んだ次男の嫁をしっかり使い回したり、生活力は誠に旺盛です。そのくせ、母親が死ぬとなるといきなり泣くのです。しかし、葬式が済めば、ちゃっかり遺品の整理です。いやあ、時代が変わっても、いつの時代にも居る人間像ですナ。普遍的と言ってもよいでしょう。
 
 最後に、飲み屋の風景は、やっぱり「秋刀魚の味」と同じく大きなちょうちんを描いてます。これがOZUワールドの飲み屋のマークだったのですネエ(笑)。 

2014年3月 2日 (日)

銀河伝説クルール

Img_0001  またまた、SF・ファンタジー映画ですが、TSUTAYAのオンデマンド商品からDVD化された「銀河伝説クルール」を紹介します。1983年の公開当時から、一部で「早すぎた傑作」として評価されていた(本当?)作品です。

 今回、改めて見直しましたところ、確かにその舞台設定は意外に斬新なのですが、リアルな風景と奇抜なセットとの映像面での違和感や、一向に盛り上がらない演出に閉口します。

 ストーリー自体は、宇宙の大魔王ビーストが惑星クルールに攻め込み、美しい王女を拉致したことから、婚約者の隣国の王子が、仲間とともに、その救出に向かうという、誠にありきたりなお話です。その旅の途中で「七人の侍」風に、山賊や魔法使い、預言者やサイクロプスなどの仲間が次々と集まってくるところが見せ場になるはずでした。
 監督は、「ブリット」のピーター・イェーツですが、やっぱり、ファンタジーものは不向きだった感があります。

 設定上の面白い点といえば、ビーストの巨大な黒い砦です。宇宙から飛来し、そのまま地上に着地し、高い山のように聳え立っているのですが、日々位置を変えるという優れ物です。そのため、王女が拉致されている黒い砦の所在地を突き止めるため、王子たちは、未来を見通す力を持つ預言者や魔女を探すと言う設定なのです。
 また、魔女の設定などは、なかなか工夫をしており、感心します。こうした設定だけを考えると、「傑作になり損なった」という気持ちはなんとなく分かります。

 しかし、映画は脚本や設定だけでは成立しません。まずは絵作りが肝心なのです。
 惑星クルールは、中世のような時代設定なのですが、ビーストの軍団までも、黒い甲冑を付け、なんと馬に乗って襲来するのです。武器こそ、光線を発射する槍なのですが、宇宙船(?)で来た割には機動力はなんともお粗末なのです(笑)。

 その一方、王女の城といえば、古典的な外部に比べて、内部は映画「007」のスペクターの要塞風のモダンなセットで、やたら馬鹿でかいくせに安手のデザインなのです。007のスタジオを使用したそうですので、なんか大道具の使いまわしのような気さえします。
 また、味方の兵士は、数があまりにも少ない。もちろん皆殺しになりますし、国民の姿はタダの一人もいません。もう、画面のいたるところに、予算が少ない感が満ち溢れ、悲しさまでもが漂ってきます。
 ただ、ロケ地がどこか知りませんが、クルールの風景は美しい。まさに「ホビット」を先取りしてます。

 このように、映像面では多分に予算面で苦戦しており、当時の技術でもリアルな画面づくりはむずかしかったのでしょう。かなり、実際の風景を頑張って取り込んではいるもの、それがかえって、安手のセットとの違和感を強調する結果になっています。
 ただ、セットも、王女の囚われた場所などは、貝殻の内部のようなデザインなど精一杯の斬新な工夫をしています。しかし、その効果が乏しいのです。
 第一、ビーストは、王女と結婚するために拉致したと言っているのですが、生物学的に全く異なる怪物であり、実際は既に征服しているといってもよい状態なのに、一体、結婚に何を求めているのでしょうか(笑)、動機が全く分かりません。
 なお、怪物の姿は、わざわざ画像を歪めて撮影しているので、その姿は、猥雑な口以外よくわかりません。多分、監督としても、あまりに出来の悪い造型だったので、そのまま見せたくなかったのでしょう、きっと(笑)。
 また、造型といえば、一つ目のサイクロプスについて、最新作の映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 魔の海」で人の顔を基にしたCG製のそれの違和感が大きかったので、結局、この映画に出てくるコテコテのメイクアップの方が、逆に自然に見えるということが良く分かりました。

 最後にまとめていうと、この映画は、当時としてはいろいろ頑張った意欲作であったかもしれませんが、予算を大幅に増やし、最新のCG技術などを駆使しすれば、ひょっとしたら傑作になるかもしれないという類の映画です。もちろん、お勧めはしません(笑)。
 余談ですが、旅の仲間の盗賊役の一人に、リーアム・ニーソンが出演していました。  

2014年3月 1日 (土)

ホビット 竜に奪われた王国

2  「ホビット 竜に奪われた王国」を2月28日の封切日のナイトショーで観てきました。第1作目の「ホビット 思いがけない冒険」で、隠しに隠したドラゴン「スマウグ」がいよいよ登場するのです。我慢できるはずがありません。・・友人からは「本日なら料金が1000円なのに」と呆れられましたが、「男も、それを我慢できない。」の(笑)です。

 さて、あいかわらず、ロケ地であるニュージーランドの風景は美しく、絶景といって良いでしょう。ロケ地を観光客が来るのもうなずけます。その実景と架空のセットを巧妙に組み合わせた映像は、例えば断崖絶壁に刻み込まれた石の階段など、高所恐怖症ではないのですが、もう見ているだけで、目眩がするほど高く、リアルな恐ろしさを描き出しています。
 また、「闇の森」などは、徹底して奇怪に作りこんだ樹木のセットであり、多分、精密に作られた模型なども活用しながら撮影しているのでしょうが、その異様な姿や雰囲気は、ピーター・ジャクソンならではの世界を構築してます。他の凡百のファンタジー映画の追随を許しません。お見事ですとしか、言いようがない。

 しかし、残念な点もいくつか見られました。
 第1作の台所のシーンもそうですが、どうも、このシリーズの主人公であるドワーフ達のアクションシーンにおふざけ演出が過ぎるのです。例えば、森のエルフの城の排水溝から、樽に乗って脱出するのですが、その急流くだりのシーンは、樽の移動の絶妙なタイミングが功を奏し、襲い来るオークの群れを次々と撃退するのです。1~2回ならともかく、あまりに偶然が重なり合うので、呆れると同時に、そのしつこさが鼻に付きます。レゴラス(弓の名手)のスーパーアクションとは違うわけですから、ピージャック(ピーター・ジャクソン監督の略称)の悪乗りであり、やりすぎです。

 そして、この映画の本命のドラゴン「スマウグ」です。今回は、映画の後半から御開帳です。地下の宮殿の中で大暴れするのです。ドラゴンの種別で言えば、背中から羽の生えたタイプではなく、手が羽に成っている翼竜タイプです。そう、あの名作「ドラゴンスレイヤー」に登場するヴァーミラックスと同じタイプなのです。

 で、そのスマウグの姿についての感想なのですが、一言で言うなら、惚れませんでしたねえ(笑)。この造型はピージャックの渾身の作というふれ込みですが、なんとなく、顔が不細工なのです。人語(英語:笑)をしゃべるせいか、顔が人間的で丸顔なのです。やはり、ドラゴンは、爬虫類系の容姿で無ければなりません。しかも、スマウグは受け口なのです。ここが致命的です(笑)。
 やはり、ドラゴンも顔が命です。前述のヴァーミラックスやキングギドラ(初代)の顔のデザインの見事なこと、惚れ惚れします。
 さらに、その長い首の曲がり方の異様なこと。どうやら蛇の動きなのです。どうも、ドラゴンに似合いません。全体の姿も、蛇の首をもつトカゲのような印象です。実際、古生物の翼竜は、分類学的には爬虫類であり、恐竜ではありません。その意味では正しいのかもしれませんが、これはファンタジーの世界なのです。映画史上に名を残す前例の無いデザインの新たなドラゴンの創造を期待したのですが、残念でした。
 しかし、正直、安堵もしています。というのも、主役のドラゴン「スマウグ」に一目惚れをしませんでしたので、今後発売されるであろう数々の模型、特にサイドショウ製の高価なスタチューなどにも正常心を保つことが出来ます。財布もひと安心です(笑)。

 さて、映画自体は、3時間の長丁場も気にならないほどの出来栄えであり、3部作の途中という第2部らしく、「え、ここで終わるのか。」というお約束の幕引きも心地良いものでした。未見の方は安心してご覧ください。

 最後に、800円もするパンフレットを買いました。他と比べても大変高価です。しかし、ドラゴンの写真が1枚も掲載されていません。公開前ならわかりますが、公開後の市販の映画パンフレットで、一般雑誌にも既に発表している写真を掲載していないとは、「竜が奪った王国」という副題にもかかわらず、これを詐欺といわず、何というのでしょう、竜頭蛇尾とでも言えばいいのでしょうか。販売元のセンスを疑います。反省してほしいものです。本当、苦情のひとつも言いたくなりました。誰に文句を言ったらいいのか、誰か、教えてください。 

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