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2013年12月 7日 (土)

47RONIN 

Img_0001  映画「47RONIN」は、フォーティーセブン・ローニンと読みます。当たり前ですが、日本公開の映画の題名としては、せめて日本語で表記してほしいものです。

 まず、この作品を観るにあたっては、大事な心構えが必要です。忠臣蔵を題材にしているとか、いやそれどころか、日本を舞台にしているとか、江戸時代の出来事とか、そういう意識をすべて捨て去ることが肝要です。
 ここが何処か、いつかも分からない、全くのファンタジーの世界、日本時代劇のパラレルワールドの物語なのです。例え、浅野家や吉良家、大石とか綱吉などと、聞き覚えのある歴史的な由緒ある名前が出てきても、全くの空似なのです。ゆめゆめ惑わされることのないように、おおらかな気持ちを保ってください。
 幸い、私は、この映画の封切日が、一月間に及ぶTOHOシネマのフリーパス券の有効期間最後の日に当たり、無料で見ることが出来ました(9本目)ので、誠に平常心で鑑賞できました。

 さて、そういう前提で、つらつらこの映画を眺めるに、いかに欧米人が日本に対する誤解と空想を抱いているのかが良く分かります。
 もう、17~18世紀のジパングに対する意識とそんなに変わりません。いや、最近は世界に冠たるマンガのおかげで、さらにファンタスティックな妄想が増しているのかもしれません。それゆえに、この映画の製作者は、こういった、欧米人から見た東洋趣味のごった煮映画をつくるのでしょう。
 まあ、欧米から見た日本の姿を勉強するには、とてもよい資料になります。中国の切り立った山河、ごてごての宮殿、原色の衣装などなど、以前どこかでに見たことがありますが、諸外国の教科書に出てくる誤った日本そのものなのです。いや、これが、まさに、欧米人が求めてやまない日本なのかもしれません。目のつり上がった中華系の女優さんが日本人の役で出演し、アメリカのテレビドラマで人気が出るのと同じ理屈ですヨ。多分、向こうの人達のイメージどおりなのでしょう。

 しかし、この映画は、そうした外見?に惑わされず、純粋にファンタジー映画としてみた場合、なかなか面白い箇所もあります。
 伝説の麒麟の姿をデフォルメし、馬を猪に変えたような怪獣。その色合いは好感が持てます。そして、主人公に術を教えた天狗の造型には一番感心しました。多分、すべての格闘技の源流であるインドの坊さんの姿をしているのですが、鷹の目をもつ突然変異の人間として描いています。いいじゃないですか、混血も含めて、異形の者への差別と迫害を鋭く告発しています(笑)。出島に居る巨人の造型もイイ。いわば、白人を見た日本人が思う鬼の姿ですよね。
 さらに、菊地凛子が演じた女妖。最近様々な映画で描かれた魔女の中でも出色の出来です。左右色ちがいの眼を持っており、変身した白狐も、長い髪を触手のように動かす「怪物くん」の怪物姫、着物を蛇のようにくねらす姿などは、本当に素晴らしいモンスターぶりです。ラストの東洋の龍の姿のなんと迫力のあったことか。ディズニーの「眠れる森の美女」を髣髴させます。この女優さん、「パシフィック・リム」から見直しておりましたが、いよいよ贔屓にしたいと思いますゾ。
 加えて、吉良を演じた浅野忠信もなかなか悪役が似合います。やはりハリウッドに進出する俳優はどこか吹っ切れています。

Img_0002  そのほかの見所といえば、討ち入り後のアクションです。日本刀の殺陣は見ごたえがあります。あれで鎧のデザインがマトモならうれしかったのですが、ともかく、衣装にはすべて目をつぶってください(笑)。
 殺陣を指導したのは、われらの真田広之だそうですが、日本の「侍」を狭量で自分勝手な人間像に描くような演出には、日本人として毅然とした態度を示してほしいものです。どいつもこいつも侍の恥さらしのような46人(キアヌ・リーブスを除いた数)でした。そういえば、「ウルヴァリンSAMURAI」も、ほとんどヤクザと同じ扱いで残念でした。日本刀を持っただけで侍になれるわけがない。

 それにしても、トム・クルーズもそうでしたが、キアヌ・リーブスも同じです。結局、欧米人は、一度は侍になってみたいのでしょうね。しかも、今回は、なぜか切腹もしたかった、・・・というところが、このハリウッド映画の意義なのでしょう(笑)。それが欧米の観客のニーズでもあるのですから。
 もっとも、この映画は、どうやら、あちらでも、藏之助の討入りならず、お蔵入りしていたようですが、さもありなん。合掌。Img
 

  

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