特撮ニッポン
別冊宝島から「特撮ニッポン」という雑誌が突然
発売されました。いつもの小冊子ではなく、A4版の大型サイズです。内容は、わが国の特撮映画の特集です。円谷英二監督の業績を始め、過去のトクサツ映画の歴史を俯瞰しています。
しかし、今頃、何故、こんな企画を組むのか、不思議でしたが、一読して分かりました。
これは、映画「パシフィック・リム」の出来に圧倒された特撮業界人の敗戦の弁とともに、このハリウッドの怪獣映画が、わが国では、世界の中で最もヒットしなかったという悲惨な事態に大ショックを受けたことへの記念誌なのでしょう。個人的には、実は、公開前からこの結果は、ある意味予想しておりました。(2013.8.3ブログをご覧ください。)
この雑誌の巻頭にある渾身の弁という樋口真嗣監督の文章は、正直、良く分かりません。平成ガメラシリーズで尊敬する監督さんですが、今回の「気づくのは遅い」という言は何を意味しているのでしょうか。ハリウッドが莫大な金をかけて作るリアルなCG映像を前にして、金の無い日本映画の将来を悲観するあまり、懐古趣味の見立ての映像を製作し、懐かしんでいるのでしょうか。彼我の差は昔からのことではないでしょうか、是非、頑張って欲しいものです。
そのほか、様々な業界人が文章を寄せていますが、凄いと評価する「パシフィック・リム」も、怪獣のデザインなどに違和感を持っている雰囲気が伺え、それは、まさに我が意を得たりという気もします。あの映画には、怪獣のたたずむ風景が無いのです。なんとか、お家芸の復活を望みたいものです。
ほかにも、今の特撮映画界を伝統芸の見立てと表現したある評論家の意見は、私も円谷歌舞伎の物真似と揶揄していましたので、やっと公開の場で、近年の東宝特撮をきちんと評論できる時代になったかと安心しました。もう一度、平成ゴジラについて徹底的に見直すべきです。
思えば、円谷英二監督亡き後、真の怪獣映画と呼べるのは、平成ガメラの第1作と第2作です。第3作は、過去にこのブログでも述べたとおり、特撮部分は史上最高の出来ですが、話が支離滅裂です。今回の雑誌で分かったのは、結局、本編監督の暴走のせいだったようです。本当に、傑作になり損なったとしか、言い様がありません。返す返すも残念です。
それにしても、いまや、幼い子供たちが「ポケモン」やら、「ガンダム」などのアニメで育っている時代では、確かに、実写版は、しかも、リアルではない怪獣映画では、なかなか人気を取り戻すのは難しいでしょう。
・・・このことが「気づくのが遅い」という巻頭の言葉の意味なのでしょうか。ゲームや携帯と一緒で、日本は、世界水準から言えば、ガラパゴスの道を歩んでいるようにも見えます。
それなら、いっそ、世界水準を念頭に製作して欲しいものです。かつての円谷特撮のレベルは、当時、世界最高鋒、最先端だった筈です。これからの製作人の心意気、志を期待しましょう。過去を懐かしむ閑はないのではないかナ。ガンバレ、ニッポン トクサツ。
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