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2013年9月16日 (月)

脳男

 まったく期待しないで、レンタルDVDで観た「脳男」ですが、これが結構面白かったのです。拾い物でした。
 まず、彩度を落とした映像が良い。まあ、一種の粗隠しともいえますが、邦画の場合、普通に撮影すると、色が無駄に明るくきれいすぎて、どうもリアルに見えません。この辺は、ハリウッドとの照明のちがいでしょうか、それともフィルムの違いなのでしょうか、昔からの疑問です。黒澤明がモノクロにこだわった時代もありました。しかし、本音を言うと、リアルで美しく豊かな映像を見てみたいものです。
 それに、最近はデジタル化で、もうフィルム撮影ではないかもしれません。テレビドラマの劇場版は、平たんで陰影のない、テレビ映像そのまんまがスクリーンに写し出されます。おかげで、劇場で見る気がしないのは、私だけでしょうか。DVDによる家庭鑑賞で満足してしまいます。

 どうも、話が横道にそれましたが、地獄の閻魔様の仕置きのような陰惨なシーンなどは、この暗い映像によって、うまく隠されていますし、爆弾作りなどのセットや爆破シーンなどもリアルに見えます。撮影設計と照明の勝利かもしれません。

 主演の生田斗真は、「脳男」という感情のない正義の殺人者役で、うつろな目の演技で頑張っています。でも、超人という設定ほど強くなかったという気がします。江口洋介演じる普通の刑事とタイマンでほぼ互角というのは、いかがなものでしょうか。
 また、連続爆弾魔は、原作と違って女に設定を変更し、二階堂ふみ(?)が演じています。頭が完全にいかれた狂気の熱演ですが、あれだけの精巧な爆弾を作るという設定とは少し違和感はあります。まあ、あの変態演技に免じましょうか(笑)。

 結局、この映画は、生田の演じる「脳男」、この命名はどうもしっくり来ませんが、その謎の男の正体を探る物語というよりは、松雪泰子が演じる精神科医を通じて、精神を病む人間の闇が深く、しかも精神医学がいかに未熟かということを告発しているようです。
 それに狂気を演じた女爆弾魔よりも、染谷将太が淡々と演じる患者がリアルで怖いなあ。結果としては、松雪が演じる、神様のような精神科医の長年の努力がむなしく終わるのですから、哀れです。そして、最後の見せ場となるが、感情のない筈の脳男の微笑でした。まあ、いいラストです。

 それにしても、何故、冒頭、鈴木一郎こと脳男が警察にむざむざ捕まるのかが、結局判りませんでした。原作はどうなっているのかナ。
 この原作は、第46回江戸川乱歩賞を取っているのですが、前述したように映画とは設定が異なり、なによりアクション小説ではないようです。・・・今度、一度読んでみましょう。 

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