追悼 レイ・ハリーハウゼン
この2013年5月7日に、私の尊敬する伝説のモデル・アニメーションの巨匠レイ・ハリーハウゼン氏が92歳でお亡くなりになったそうです。どうして、こんな大ニュースを一般のテレビ、新聞などのマスコミは、大々的に報道しないのでしょう。うかつにも今月になるまで気が付きませんでした、困ったものです。
さて、まずは、ハリーハウゼン氏の功績を称えたいと思います。ここで逐一、改めて紹介する必要もないのですが、私にとっては、「アルゴ探検隊の大冒険」を製作し、タロスなどの人形モデルに魂を吹き込んだ神様です。子供の時にTV放送で観て以来、もうその魅力のとりこです。
現役当時は、ファンタジー映画が子供だましと思われていたせいか、なかなか評価を得られませんでしたが、晩年になって、その作品群の偉大さをやっと再確認され、アカデミー賞の特別賞をもらっています。穿った見方をすれば、私のように、子供のときからのファンが大人になって、映画界に集まったおかげのような気がします(笑)。事実、ルーカスやスピルバーグ監督などの賛辞の声は以前から強く、CG全盛期の現在になってさえ、若手の映像クリエーターらの神様であり続けています。そのせいか、次々とリメイクやオマージュが捧げられた映画が作られています。
また、個人的にありがたいことは、それぞれの製作した映画会社が異なるにもかかわらず、全作品を網羅したDVDーBOXが発売されるという快挙を成し遂げております。
さらに、彼が創造したクリーチャーのデザインは、素晴らしく、いまだにフィギュアの発売が後を絶ちません。私も随分購入しております。実は、レジンキットの草創期の傑作も、彼の映画からのものでした。以前、このブログでも掲載しておりますが、改めて彼のデザインを基にした模型の傑作キットをいくつかご紹介しましょう。
この「アルゴ探検隊の大冒険」に登場するタロスの模型は、高さ23cmのサイズながら、レジンキットの草創期に、マーメイドというメーカーから発売された、伝説の造型師大石透氏の手になるものです。タロス像では、このレジンモデルが最高傑作です。
胴体が蛇になっているというデザインが秀逸なメデューサです。晩年の作品「タイタンの戦い」に登場します。アメリカのメーカーからの発売です。サイズは28cmぐらいのソフビのキットです。どうみても、引き絞った弓に対して、矢の長さが変ですが、いまのところ、このモデルが、一番格好がよろしいです。
リメイクに登場する同じタイプのCGのメデューサと比べても、ハリーハウゼンの凄さがわかります。
「シンドバット黄金の航海」に登場するカーリー神です。このモデルは、エクスプラス社から完成品として発売されたものです。高さは32cmぐらいあります。レジン製なので、ずっしりと重く、スタチューとしては、なかなかの迫力があります。
最後に、「シンドバット七回目の航海」に登場するサイクロプスです。このクリーチャーも人気が高く、ビリケン商会やエクスプラスなどのメーカーから数多くキットが発売されていますが、いまのところ、このキットが、腕や指の太ささなどの点で、最も映画の雰囲気を伝えてています。
ちなみに、サイクロプスといえば、私が独学で模型を作りはじめて、塗装などのできばえになんとか納得したのが、次のバストモデルでした。おまけで紹介します。
それでは、改めて、レイ・ハリーハウゼン先生のご冥福をお祈りします。
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