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2013年7月23日 (火)

風立ちぬ

Img はじめて、実話を元に作品を作ったという、宮崎駿監督の最新作を観てきました。O戦を設計した堀越二郎を題材に、自由な脚色で、主人公の夢を描くという手法を駆使して、やっぱり宮崎ワールドを作り上げています。
 冒頭、少年の夢ではじまり、最後は、国破れて、夢ありきで締めくくります。イタリア人の飛行機の設計家との交流など、いかにも宮崎らしい世界が広がります。

 一方、現実の世界では、関東大震災のビジュアルが圧倒的です。山や町が波打つ場面、火災による天をも覆う黒煙の映像は、物凄いインパクトがあります。
 そして、二郎と菜穂子の出会い、再会、このへんまでは、なかなか快調でしたが、その後の菜穂子の結核、そして結婚というドラマは、私の長らく使われていない涙腺の栓をゆるめようとします。(だから、病気モノは嫌なんです。)
 なかなかの140分間でした。

 しかし、この居心地の悪さはどうでしょう。鑑賞後の胸に広がる不安感は何故でしょう。しかも、製作者の思いは何処にあるのでしょう。こんな気持ちが整理できません。感じたことをいくつか並べてみました。
1 まず、「風立ちぬ」の題名は、飛行機も恋も、風がきっかけですから、まず、この言葉から題名が決まったのだろうという気がします。つまり、堀辰雄の小説は後付けです、きっと。
2 冒頭の主人公の家の絵一枚で、大地主と小作人の当時の社会を暗示させます。お屋敷の娘であるヒロインの設定なども、戦前の身分社会を髣髴させます。選ばれた少数の者の社会なのです。一般大衆は、その他大勢、震災で逃げ惑う豆粒のような絵がそれを表し、ただ、そうした社会に対して、憧憬とも、郷愁さえも感じさせるのは、いかがなものでしょうか。
3 主人公は、美くしい飛行機の設計という己の夢のみを追い続け、それ以外の社会の動きなどには、全く無関心です。この考え方もなんか変です。劇中には「悪魔」とか「国を滅ぼした」という言葉もありますが、なんか、アリバイ的な匂いがするというのは言い過ぎでしょうか。
4 今回、宮崎監督にしては、めずらしく男女の関係に突っ込んでいますが、二人の出会いのエピソードと、結婚への展開が、なにか水と油です。菜穂子さんがわかりません。このへんは、堀辰雄ですか?
5 素朴な疑問として、震災後、どうして主人公の住所や氏名がわかったのか、何故、きちんとした御礼に来なかったのか、わかりません。
6 忠告ですが、鑑賞前にテレビの特番を見るべきではありません。口真似で作ったというエンジン音などが、耳について困りました。それに、声優に、知り合いを使うのはやめて欲しいナ。

以上です。 

  

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