大映グラフ 1963年 盛夏特別号
大映グラフは、これまで何度か紹介しましたように、月刊ですが、大映の映画パンフレットです。今回、ヤフオクで、やっと、1963年盛夏特別号をゲットできました。私にとって、この号は、特別の思い出の映画の記事が載っています。
当時、テレビ映画の影響なのか、何故か、忍者の映画を観たくて、親父に無理矢理頼んで、劇場に行ったのが、山本薩夫監督の「続忍びの者」だったのです。
このリアルな大人向けの映画は、東映の忍者映画を期待していたこどもには、ハード過ぎました。暗いモノクロの世界で、若山富三郎扮する織田信長の獰猛さをはじめ、市川雷蔵の石川五右衛門が本能寺で信長の腕や足を斬りおとすシーンなどは、絶句です。あれほど怖かったものはなかったような気がします。
実は、併映が「座頭市兇状旅」でした。しかし、そのときは、盲目の居合いの達人のやくざ者のお話など知りませんでしたし、「続忍びの者」を見て、すっかり怖気づいた中では、もう見るのを止めて帰りたかったのですが、親父の手前、そうもいけません。
本当に、いやいや観た記憶があります。しかし、これが思いのほか、面白かったのです。一転して、明るいカラーの画面も心地よく、ユーモア溢れるカツシンの演技や見たこともない殺陣に、すっかり座頭市の魅力に嵌まりました。この映画が、私の座頭市映画の初めてなのです。・・・忘れられません。
ということで、良くも悪くも記念すべき二つの映画が掲載されている大映グラフの号を探していましたのです。
もっとも、その記載内容は、それぞれ、わずか見開き2頁の記事ですが、当時の記憶を再現させる、一種のきっかけですから、良いんです、これで。
それにしても、やっぱり、映画は、それぞれの人による思い出で再創造されていることが良くわかります。
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