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2013年5月 3日 (金)

砂漠でサーモン・フィッシング

 「砂漠でサーモン・フィッシング」については、昨年公開時、作品紹介の記事を読んで、その奇想天外な筋立てが面白く、見たかったのですが、残念ながら、私の住む地方では劇場公開がされませんでした。本日、思いもかけず、劇場で見る機会を得ました。
 それにしても、なんともセンスのない邦題です。元々は、英国の小説「イエメンで鮭釣りを」を映画化したものらしい。しかも、実話には基づかないフィクションということですから、少し興ざめです。

 さて、この映画の感想というと、肝心な鮭の放流プロジェクトの詳細がよくわからない。いくら架空のストーリーとしても、もう少し観客に説明してもらいたいと思います。やる気のない主人公の思いつきレベルで事業が進んでゆき、不可能な事業に付きものの艱難辛苦が描かれません。英国の釣り人の反対ぐらいですか。第一、養殖魚は遡上しないなど、学者の癖に可能性を検討しませんし、放流した鮭が何故、いきなり上流を目指すのか、なんの説明もありません。それに、アラブの反対派も唐突です。

 この監督の興味は、鮭よりも、男女の恋愛模様に集中しています。妻と倦怠期の魚類学者のユアン・マクレガーと、軍人の恋人が戦場で行方不明となるエミリー・ブラントの恋愛物語なのです。でも、この主人公は、ろくに仕事もしない釣り馬鹿ですし、こんな奴に、命がけで帰還したら、恋人を取られていた彼氏がなんか可愛そうに思えます。

 拾いものは、首相の女報道官です。とんでもない暴走官僚ですネエ。大臣たちもろくでもない連中ですし、英国の政治家や官僚に対する国民意識がわかるような気がします。

 それにしても、アラブ人の大富豪は、顔から人柄が読めません。5千万ポンドをぽんと出し、スコットランドのお城を別荘にして、鮭釣りを楽しんでいます。まさに、現代の王様ですが、残念ながらオレンジジュースで乾杯しています、可愛そうに。もっとも、鮭の放流よりも、もっと国を富ますことに取り組むべきでしょうと、思わず言いたくなります。

 鑑賞中は、最後はどうなるのか、どきどきしますし、結構面白いとは思いますが、最初の記述のように、見たかった鮭プロジェクトの描写があいまいな一方、テロリストの攻撃などもあって、どうも、全体の印象が散漫です。まあ、退屈はしませんでした、ことをもって良しとしましょう。 

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コメント

たかとんびさん、こんにちは。

 お目当てがいかにも壮大なプロジェクトのほうにあれば、完全な肩透かしで、もっと憤慨されても然るべきかと思いますが(笑)、その矛先は全て“ろくに仕事をしない釣り馬鹿”に向けられちゃったようですね(ふふ)。

 酒を禁じられているイスラムの戒律を律儀に守っている生真面目さや命を救われた恩義を返そうとする律儀さに人柄は表れていたように思えるシャイフでしたよ。鮭の放流は余興的なものだったように思いますが、元々灌漑用水としてのダム工事自体はやってたように受け止めました。

 ま、でも、易々と進行していくプロジェクトよりも恋愛模様のほうが遥かに難航している感があって、物語としてのバランスは悪かったですよね。

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