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2012年10月28日 (日)

エクスペンダブルズ2

2  あの使い捨て軍団の続編「エクスペンダブルズ2」が帰ってきました。かつての東映時代劇のお正月映画、勢ぞろい清水の次郎長の映画を髣髴させる、ハリウッド・アクションスターのオールキャストの映画です。
 今回のキャストは、親分のシルベスター・スタローンに、代貸し役のジェイシン・ステイサム、子分のジェット・リー、ドルフラングレンのおなじみのメンバーに、ブルース・ウイルスとアーノルド・シュワルツネッガーが引き続き出演し、一寸アクションもこなすほか、アメリカでは伝説となっているという(パンフレットの記事の引用)チャック・ノリスが客演し、最近落ち目だったジャン・クロード・ヴァンダムが敵役を演じます。こうなると、第3作には、是非、ソニー千葉とか、元CIAとか、往年のアクションスターに出て欲しいものです。

 さて、この映画は、徹頭徹尾、スタローンらの戦闘シーンのつなぎ合わせです。ともかく、作戦も何もなく、ただただ装甲車や飛行機で猪突猛進し、ありとあらゆる銃器を撃ちっ放し、度派手に爆破させていきます。その間、無数の敵は、次々となぎ倒されますが、雨霰と降り注ぐ銃弾は、決して味方にはあたりません。これほど、防御を考えずに戦う戦闘シーンは見たことがありません。観客は、口を開けて、ただただ見守るほかはありません。つじつまなどを考えてはだめです。頭のスイッチを切り、戦闘ダンスに身を委ねましょう。 
 そして、シュワルツネッガーなど出演者にまつわる数々の楽屋落ちギャグに笑ってください。陳腐なネタがしつこく繰り返されますので、我慢しましょう。さすれば、世にも筋肉質な楽しいドンパチ映画の真髄を悟ることができるでしょう。

 それにしても、前回に引き続き、女優が不細工(失礼!)なことは閉口します。もう少し、なんとかならないものでしょうか。大スターの出演料が高すぎて、調達できなかったのかな?などど思います。

 最後に、スタローンは本当に背が低いのですねえ。驚きです。小男のマッチョマンでした。余談です。

 

2012年10月21日 (日)

アイアンスカイ

Img_new_2  今話題の「アイアン・スカイ」を封切日の初回上映で見てきました。

 実は、この映画は、フィンランド人の監督作品だそうで、製作費の一部の1億円を募金して完成したというイワクつきの映画で、何故か、全国的な公開より半月以上も遅れての地方上映です。一時は、公開されないのではないかと心配もしました。というのも、お話が、ナチスが月面の秘密基地から地球に攻めて来ると言う、とんでも映画なのです。

 日本では、どうもピンと来ませんが、欧米では、最近、ナチスは絶対的なタブーだそうで、鍵十字のマークやナチ国歌などは禁止されているそうです。子供向けのテレビや映画にナチの残党が登場する、旧同盟国の日本ではその雰囲気はわかりません。多分、それだけナチへの恨みが深いのでしょう。(この映画を契機に出版されたナチ映画の解説本の引用です。)それを欧州の一部であるフィンランドで映画化しようとし、実現したのですから、監督の勇気と機知に、まずは敬意を表しますが、映画の出来はまた別の話でし、公開の遅れは、当局の圧力か、出来の悪さか、と心配していましたが、杞憂でした。

 この映画の製作者は、ナチスの紋章も含め、台詞や動作にも徹底した考証をほどこし、さらに、想像を膨らまして空飛ぶ円盤の形や機能をデザインしています。コンピュータが未発達という設定のため、歯車やシリンダーで動く巨大なメカ兵器というイメージを誠にうまく造形しています。この辺は、いかにもドイツ的な「メトロポリス」のイメージですし、アダムスキー型の小型円盤、隕石を牽引する飛行船型の貨物宇宙船、究極の巨大円盤型最終兵器、月の裏側、これを「ダークサイド」と呼称し、笑いをとってますが、鍵十字型の月面要塞など素晴らしい出来です。解説によると、すべてCG技術の産物だそうです。ハリウッド製のデザインにはない、重厚さと深みがあります。

 しかも、この映画は、ナチスの亡霊だけをパロディにしているのではありません。さまざまなエピソードを通じて、現代社会を風刺します。ショービジネス化した選挙や政治の崩壊、パワハラの女性広報官の狂乱ぶり等、なかなか笑えます。とりわけ、現代のアメリカの横暴について、極右翼の女性大統領(実際のモデルあり)を登場させることにより、徹底的に皮肉ったほか、国連に集まる各国のエゴイズムを毒のある笑いの中で告発しています。もちろん、その国の中には日本も入っています。(最近の国際社会の評価の低下からか、何故か、一寸うれしいゾ。)

 そして、ナチスの逆襲もあっけなく破綻し、新・旧の総統などの最後も、なんとも馬鹿馬鹿しいものですが、それ以上に、各国の帝国主義の末路は、「博士の異常な愛情」を髣髴させる、ラストを迎えます。お見事!!。

 なお、くれぐれもエンドロールが始まっても、席は立たず、最後までじっくりご覧ください。

宇宙人ポール

Img_0001_new  「宇宙人ポール」は、残念ながら劇場では見損ないましたが、先般やっとDVDで見ることができました。

 予想以上に、良く出来たSFコメディ映画です。見た目そのままの宇宙人が、幽閉されていた米軍の秘密基地、エリア51というらしいのですが、その基地から脱走し、たまたまSFオタク大会へ遊びに来た英国のオタク2人に遭遇し、その助けもあって、あの「未知との遭遇」の岩山の場所から、「ET」のように宇宙に帰るまでを描いたお話です。

 先日公開のスピルバーグ印のハードなSF映画「スーパー8」と、ストーリーは似かよっていますが、宇宙人へのアプローチが全く違います。英語べらべらで世に長けた、しかもミーハーの塊のような宇宙人ポールの設定が秀逸です。加えて、イギリス人の知識階級のオタクの凸凹コンビも、ハリウッド黄金時代の喜劇の王道です。この英国からのエイリアン二人を通して、アメリカの常識や世相を皮肉り、ポールという宇宙人の第三者の眼を通して、人類の現代社会を笑い飛ばします。単なるSF映画のパロディにとどまらず、上質の文明批評になっているところが素晴らしい。また、道中の人間関係や様々な人との出会いも面白いエピソードとなっています。台詞もなかなか侮れません。

 それにしても、こういうパロディ映画を見ると、改めて、アメリカは不思議な国と思います。滑稽で大げさな演出のせいかもしれませんが、男二人の旅行は必ずホモとか、男同士の新婚旅行だと思われたり、腕力が一番という連中がいつも屯し、なにかあると直ぐに銃をぶっ放したり、いまだにダーウィンの進化論を否定する牧師が居たりと、草食男子までが登場するようになった、均等に成熟した日本社会の常識はまったく通用しませんナ。(日本がオカシイのかもしれません。)

最後に、宇宙人の造型も一見安っぽく見えて、なかなかCGも良く出来ていますし、スピルバーグ監督本人が声だけでも出演しているのが驚きです。

未見の方は、是非ご覧ください。お勧めです。

2012年10月14日 (日)

蛇女の脅怖

 英国の今はなき、ハマー・フィルムは、吸血鬼ドラキュラなど、ハリウッドのユニバーサルの怪物映画を次々とカラー化、リメイクし、大ヒットを飛ばして、怪奇映画のフィルムメーカーとして一時代を築きました。
 当時としては、真っ赤な鮮血や怪物に襲われる美女たちのエロチシズムが大変な評判だったものです。クリストファー・リーのドラキュラやミイラ男、そしてオリバー・リードの狼男、ピーター・カッシングのヴァン・ヘルシングやフランケンシュタイン博士も有名でした。大伴昌司編集のキネマ旬報の怪奇特集号が忘れらません。当時、未見の作品をどれだけ見たかったことでしょう、今でも、あの渇望感は、体の記憶に残っているような気がします。(歳を経るとますますその思いは強くなるような・・・笑)

 おかげさまで、いまではほとんどの作品がDVD化されています。リーのミイラ男「ミイラの幽霊」を除いて・・・。これはまた別のお話です。

Photo さて、これらのB級映画群の中で、モンスターのデザインだけで有名になっている作品を紹介します。「蛇女の脅怖」です。先に述べた大伴昌司編の雑誌に掲載された、蛇女の顔の秀逸さは特筆です。
 この映画は、ハマー・フィルム特集のDVDボックスに収まれていて、一度見たことがあったのですが、ほとんど記憶に残っておらず、今回、単体として別売されていたDVDを見直しました。まったく期待していなかったためか、予想外に面白かった、というのが正直な感想です。英国特有のよそ者を阻害する村人の雰囲気や古く、意外にチャチな屋敷の佇まいなど、なかなか味があります。いつもの常連の脇役の頑固オジさんまでも懐かしい気がしました。結局、早送りもせずに、最後まで見てしまい、ハマー作品では誠に快挙です(笑)。

 キングコブラをモチーフに、カルト宗教を暴露したために、娘まで犠牲になる狂信の恐ろしさ、田舎の村人のエゴイズム、蛇の脱皮や冬眠というおぞましさ、さらに、黒死病まで織り込んだ、なかなかのB級作品です。なにより、現在のような、ハードでせせこましさがなく、まことに古風でよろしい。未見の方は、一度、古典の怪奇映画の甘い香りを味わってください。

2012年10月13日 (土)

天地明察

Img_new_2  話題の映画「天地明察」は、予想どおり楽しめました。原作もなかなか面白いのですが、映像になると、少し違和感もあります。

 セットや演技、そして全体の映像にもう一歩リアルさがあったら、と思ったのは、欲張りすぎなのでしょうか。昔の東映時代劇のように、ひどく画面が綺麗で、しかも端整すぎるのです。江戸時代という雰囲気がどうも感じられません。

 左の写真の700円もするパンフレットによると、小道具など、かなり頑張って製作したようですが、映像で見る限り、リアルさがあまり感じられません。最近のハリウッド映画の史劇や時代劇(?)の汚いリアルなセットや映像を見ている者にとっては、物足りないと思います。結局、撮影力か、資金力の違いでしょうか。役者さんがそれなりに頑張っているだけに、もったいない。ただし、徳川光圀は、史実とイメージが異なり過ぎかナ。

 

 

2012年10月10日 (水)

風神・雷神

H24108_006 最近、仏像が人気で、阿修羅像のようにミニチュアも結構作られています。海洋堂の様々なポーズがつけられるフィギュアが登場するに至っては、正直、仏像ブームも、ここまで来たのかと驚きます。

今回、仏像ではなく、東京国立博物館が所蔵する、尾形光琳筆の風神雷神図屏風を海洋堂が立体化しました。あの有名な風神、雷神の図ですが、まさか、二次元の絵を三次元化するのですから、大変です。しかし、造型師は、この手の第一人者ご存知、竹谷隆之氏です。見事な出来です。屏風にはない、背中も見れるのが、立体モデルの醍醐味です。ご覧ください。

H24108_007 後ろもどうぞ。

おまけに、数年前に、一世を風靡した阿修羅像のフィギュアもご覧ください。H24108_010

それにしても、それぞれ、さすがに、芸術作品だけに、見事なデザインです。惚れ惚れしますな。

2012年10月 7日 (日)

ボーン・レガシー

Photo 最近のアクション映画のスタイルを一変させた、「ボーン」シリーズから、スピンオフの映画が出来ました。どうやら、3作のボーン映画を生み出した、主演のマット・デイモンと監督が手を引いたために、製作者が脚本家を監督にして、新たな物語を作り出したようです。

マット・デイモン扮するジェイソン・ボーンのお話と平行して進行する、アーロン・クロスの物語なのです。いわばボーンと同じ舞台で、全く別の物語が進むのです。シリーズの単純な継続ではなく、なかなか巧い手を考え出したものです。さすがに、ボーンを生み出した脚本家のことだけはあります。

それにしても、予告編ではクロス役の俳優さんの顔に主演としての華がないように思え(失礼)、あんまり見る気も無かったのです。ただ、どこかで見たことが顔だと思えば、昔は「SWAT」の敵役、最近では「ミッション・インポシブル」の相棒や「アベンジャーズ」の弓矢のヒーローですナ。今、旬の俳優さんなのでしょう。また、共演の女優さんが、懐かしの「ハムナプトラ」のレイチェル・ワイズです。少しお痩せになって美人になっています。ということで、劇場に足を運んできました。

 この映画は、全編、ボーン映画の特徴である、ハードな肉体アクションと手ブレの映像が売りです。ストーリー自体は、第1作として、凄腕暗殺者の誕生のお披露目というような平たんなものですが、やはり体を使ったアクションは見ごたえがあって、鑑賞中はすっかり手に汗を握っていました。なかなか手の込んだ工夫をしています。「プレデターズ」のやくざ役の殺し屋も出ていますし、十分面白く、気楽に楽しめました。

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