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2012年9月 9日 (日)

デンジャラス・ラン

Img_new デンゼル・ワシントンが主演する映画は、ハズレない、と思っています。とりわけ、賞狙いではなく、肩の凝らないアクション物については、「マイ・ボディガード」、「ザ・ウォーカー」、「アンストッパブル」など、素直に楽しめました。さらに、今回は、共演者も、「あなたは私の婿になる」で喜劇的な才能をいかんなく発揮したライアン・レイノルズですから、予告編の段階から、大変期待していました。

 また、ストーリーも、世界の諜報機関から追われる、元CIAの伝説のエージェント、トビン・フロストが、当局に出頭したとたん、殺し屋集団に襲われ、隠れ家の管理人だったCIAの新人とともに逃亡していく、という、スパイ・アクションの王道のようなお話ですから、期待はさらに盛り上がります。

 さて、映画は、冒頭から、殺し屋集団の襲撃のアクション、最近はやりの手振れ映像の畳みかけ、そして、フロストの伝説の紹介で、凄さの一端を披露し、謎を含みながら話が展開するのです。このあたりまでは、ワシントンの意味ありげな台詞や目つきなどから、破天荒な次の展開を期待していたのですが・・・。(パンフの表情はなかなか名演ですゾ。)

 そのうち、頼りないCIAの新人の方が、存外の手腕を発揮し始め、その分、伝説の男が冴えません。どうも、麒麟も老いては駑馬になってしまったような印象さえ受けます。(ワシントンは何歳の役なんだろう?。)あのボーンシリーズの何気ない中での凄さ、切れ味が感じられないのです。
 そして、二人の逃亡は、大きな山場もなくラストに到達します。しかも、1/2の確率のどんでん返しも、あっけなく終わります。手ぶれ映像に酔ったものの、手に汗を握ることなく、小膝を打つこともなく、そのまま映画が終わってしまったのです。

まあ、全体を通して言えば、退屈はしなかったアクション映画の小品でした。竜頭蛇尾と思うのは、期待が過度に大きかったせいかもしれません。以上です。

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