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2012年8月27日 (月)

るろうに剣心

Img_0003_new_0001 「るろうに剣心」、若者に人気の佐藤健が主演の時代劇です。原作のコミックもなかなか人気だったそうです。
 ストーリーとしては、維新のために刺客として、人斬り抜刀斎とも恐れられた剣客が、明治の時代になって、人を斬らない誓いを持って、数々の戦いに向かうという、なんとも面白そうなお話です。

 そのコミックをNHK大河ドラマの「龍馬伝」のディレクターが、人斬り以蔵を演じた佐藤健を使って、実写化するものです。龍馬伝の演出は、スモークばかりで、巷でいうほど評価するものではありませんが、時代劇ファンとして、まずはお手並み拝見という気持ちです。

 それにしても、剣心の使う逆刃刀には感心しました。要は、峰と刃が逆になっているのです。つまり、内に曲がった側に刃がついています。人を切ることは出来ず、常に峰打ちになるものです。これなどは漫画ならではの発想でしょう。さらに、中国の三国志に出てきそうな、巨大な斬馬刀、あるいは「心の一方」という白土三平漫画の技も出てきます。敵方も、どくろ仮面や短刀使い、格闘家など多士済々のメンバーです。極め付けは、香川照之の貿易商です。丹下段平のノリで、悪ふざけが過ぎるようなハチャメチャ演技ですが、今回は作りすぎですナ。

さて、肝心の殺陣ですが、冒頭の合戦シーンは、群集のチャンバラが気の抜けたようで、あ、これは失敗だなと思った瞬間、剣心が登場しました。デジタル撮影の威力でしょうか、なんともスピードが早い殺陣です。なかなか頑張っていると見直しました。また、人が爆風でなぎ倒され、飛ばされた挙句、木にあたって跳ね返るシーンは、なんとも痛そうで、力の入ったアクションでした。ともかく、佐藤健の動きが早い、よく走り、よく飛んで、動きます。それだけでも、一見の価値があります。それにしても、蒼井優まで飛ばされたのには驚きです。女優根性の人だけはあります。

 動きが早く、刀が残像化することなどは、撮影技術がハリウッド並みに凄いのかもしれませんが、そのことで、新しい時代劇の出現とまではいえません。ただ、香港時代劇とは一味違う、リアルな時代劇になっています。それに、江口洋介と吉川晃司になかなかの存在感がありました。特に、吉川は「鳥刺し」に引き続いての剣豪役です。頑張っています。映画が終わって、隣の席の若い女の子二人が面白かったと話していましたので、この機会に、時代劇が隆盛してくれればよいのですが・・・。
 それにしても、写真のパンフレットが800円とは高すぎますゾ。

2012年8月26日 (日)

トータル・リコール

Img_0001_new 新作の「トータル・リコール」を見るべきか、見ざるべきか、ハムレットの心境でした。なぜなら、あのポール・バーホーベン監督とアーノルド・シュワルツネッガー主演の旧「トータル・リコール」の印象が良くも悪くも強烈すぎて、二の足を踏んだのです。旧作は、まだCGのない時代、こけおどしの舞台美術のような未来セットと、悪趣味きわまるミュータントのデザイン、しかも私の苦手な火星の赤い風景、何故、あんなに見難い色にするのか、疑問ですが、そのほかにも、シュワちゃんの目に余る大根ぶり、鼻からの機械の取り出しや目玉の飛び出しそうなふざけた特殊効果などなど、思い出しても腹が立ちます。その一方、大柄なおばさんの着ぐるみに入った変装など、忘れられない演出もあります。いや?そもそも、これほど印象が強かったことだけでも大したことなのかもしれません。
 加えて、新作の主演者が、あの肉体労働者役がよく似合う濃い顔コリン・ファレルですから、なおさらです。新作フライトナイトは最低でした。

さて、そういう中で、監督があの「ダイ・ハード4.0」のレン・ワイズマンということがわかったこと、あのダイ・ハードは、サイバー攻撃をリアルに描きつつ、高速道路でジェット機と大バトルするというとんでもないアクションシーンを描き出したという点で、傑作と思っています。あの敵役もいまやすっかりメジャーになりました。
 そのうえ、ご贔屓のケイト・ベッキンセールが出るというのです。旧作でシャロン・ストーンが演じた妻役というのが気にいりませんが、そんなことは些細なことです。・・・というわけで、昨日、劇場で見てきました。(最近、年のせいか、劇場に行くか否か、よく悩んでいます。)

Img_new  結果は、けっこう面白かった・・・と評価します。あのベッキンセールの貞淑な妻ぶりや親友達は、もともと旧作のネタばれがあるので、なんとも退屈なのですが、正体が知れるやいなや、やたら、面白くなります。やはり、この監督は、CG製アクションの使い方がひどくうまいですなあ。ベッキンセールが血相を変えて追跡する姿は、アンダーワールドの殺し屋セリーンを髣髴させますし、旧作の役柄の男が、女性に替わって、悪妻が追ってくるという、一種の楽屋落ちになって笑えます。それに、旧作と同じく、愛人より妻のほうが美人というのも面白い。
 ただ、イギリスとオーストラリアの設定が本国と植民地の関係を踏まえたにしても、地球の中を17分で通り抜ける通路ができている世界なら、世界を覆っている有毒ガスを除去する方が簡単と思えますが、いかがでしょう。それに、オーストラリアの下層社会が中華風となっているのが、今の中国の勢いを反映したものだそうです(パンフの説明)が、ブレードランナーの日本風が懐かしい。今回の都市デザインは、あんまり感心しません。

 最後に、あの着ぐるみおばさんの登場は、一定、旧作への敬意と受け止めておりますし、ラストのオチもよろしいのですが、やっぱり、主演がミスキャストです。とても、最高最強のエージェントとは見えません、旧作のように、建設現場が似合う肉体派です。この人の映画はヒットしないというジンクスが当たらないよう、お祈りするばかりです。

2012年8月19日 (日)

エイリアン エピソード0

Img_new 「プロメテウス」とは、リドリー・スコット監督の見事なビジュアルを堪能することと、「エイリアン」の謎ときを楽しむ映画です。まさに、エイリアンのファン向けの映画です。
 冒頭の氷河期のような空撮映像は、アイスランドでロケしたようですが、この世のものとは思えない氷に凍てついた大地と爆流川の世界です。しかも、いきなり、空に巨大な宇宙船と、筋肉を練りあげたような異星人の登場です。あとあとへの伏線でしょうが、何も説明されません。

 エイリアンの第1作と第2作のみのファンとしては、できるだけ事前情報に目をつぶって、鑑賞に及んだのですが、まさか、シャーリーズ・セロンが出演しているとは驚きです。しかも、主人公ではないのですから、なおさらです。それにしても、ヒロインが、あのミレニアムのスェーデン人女優(途中で気が付きました!)ですから、この辺は少し微妙です。

 ともかく、この映画の主題は、第1作に登場した、骨で出来たような馬蹄形の宇宙船と、通称、遺棄船と呼ばれていますが、その中央部に座して化石化している、スペース・ジョッキーと後で名付けられた、異星の巨人の正体なのです。その謎を解くことのためだけに、この映画が作られたといっても差し支えありません。
 軽快な動作で熱演しているアンドロイドも、人間とは思えないほど美しい監督官(セロン様)も、百数十歳も生きているような老社長も、人間達の行動は全く関係ありません。ひたすら、練りに練ったビジュアル、完璧なデザインの宇宙船、居住空間、宇宙服、探査用車両などをお楽しみください。

 そして、惑星に着いて、発見するのが、お待ちかねのスペース・ジョッキーです。実は、その異様な外見は、ヘルメットなどの宇宙服だったことが判明し、そのなから巨人が登場します。しかも、その周囲には、エイリアンの原型的な人工生物が配置されており、エイリアンが宇宙人の生物兵器であり、その惑星が、異星人の軍事基地だったことがわかります。そして、基地であるおわん型のピラミッドには、あの馬蹄形の宇宙船が格納され、最後は、宇宙に向けて飛び立ちます。余談ですが、その宇宙船はどっち向いて飛ぶか、議論がありましたが、私のにらんだとおりでした。正解は、映画をご覧ください。

Dscn86811  結論として、模型にもなっている、スペース・ジョッキーの正体と遺棄船(なんと、ジャガーノートと呼ぶらしい)の勇姿を見ましたので、私的には大満足です。さて、死蔵している遺棄船の精緻な模型キットの工作に着手しようかなあ。(実は、以前、写真のように、別のメーカーの模型を作っていましたが・・。)それにしても、神とあがめた異星の巨人の凶暴さは驚きましたが、逆に言えば、人が寄ってきた蟻をつぶすような感覚なのでしょう。神とは無慈悲なものです。監督からのメッセージかもしれません。

Img_new_2  余談ですが、エイリアンの造型については、あくまで後年の性的シンボルに似た頭を持った有機体ではなく、その形になる前の段階という設定のためか、生物感は乏しく、頭もとんがり帽子となっています。幼体のチェストバスターやフェスハガーも、旧ガメラのバイラスのような頭足生物を髣髴させます。しかも、かなりでかいモンスターになっています。あれがクイーンになるのかなあと想像もしましたが、好みの問題からいうと、私的には、イマイチかなあ。
 なお、左の写真の本は、今回の映画に登場するエイリアンなどの絵コンテやデザインや写真が満載です。どうぞ、お手にとってご覧ください。監督らの美術スタッフの美的センスの凄さが良くわかります。

2012年8月13日 (月)

ダークナイト ライジング

Img_new 「ダークナイト ライジング」の上映時間3時間という長さに恐れをなしたせいか、なかなか足が劇場に向きませんでした。なにしろ、前作の「ダークナイト」も、幕が閉じるまでに、延々と話が続いて、もう疲労困憊した覚えがあります。多分、あの映画は二度と見ないだろうと思っています。
 その続編ですから、相当な覚悟が要ったのです。

 さて、結果は、やはり3時間は長かった、としか言いようがありません。やたら前半部分がくどいのです。ブルース・ウェインが引きこもりになったことや会社の倒産など、もっと簡潔に描写してほしいものです。前半部分を思い切って刈り込めば、この映画は、きっと傑作になりますゾ。

それにしても成功体験なのでしょうか、クリストファー・ノーランの悪い癖です。たかが、コミック漫画の映画化であり、マスクとマントを付けた男のお話に、深遠な人生を重ねることはないでしょう。穴の中の絶望の刑務所の逸話などは、火の鳥を思い出しました(苦笑)。折角のキャラクターをストレートに生かした、スカッと、面白い活劇にできないものでしょうかネ。

見所は、ベインらの目的が判明してから始まります。・・・本当に、前半のストーリーは何のためなのでしょう。ともかく、バットマンが復活し、アン・ハサウェイのキャットウーマンがオートバイを乗り回す、ラストのシーンは、手に汗を握ります。(実は、停電で中断し、ラスト近くを2回見たのが良かったのかもしれません。)もっとも、警官と脱獄囚らの殴り合いの大乱闘も、敵役のベインとバットマンの一騎打ちの殴りあいも首を傾げます。どこか変でしらけます。

ただ、バットマン3部作の完結編として、かつての敵役を登場させる趣向は好きですなあ。ツー・フェイスはもちろんですが、スケアクロウも、リーアム・ニーソン扮するラーズ・アル・グールも登場します。しかも、結局、ロビンまで暗示するのですから、感心です。
 それにしても、あの番外のラストがあるからこそ、後味が良かったと言えるのです。加えて、アン・ハサウェイが儲け役です。なかなか、黒レザースーツ姿がいいぢゃないか。

2012年8月 5日 (日)

ワイルドスピード メガマックス

Img_new1「ワイルドスピード メガマックス」はなかなかの快作です。シリーズの中で最高のヒットというのも頷けます。ともかく、車の疾走が売り物ですが、なかなかストーリーも良く出来ています。前作で捕まった主人公が、脱獄し、南米まで落ちのびた後、一発逆転を狙った大仕事のお話です。ど派手なカーアクションと合わせ、主人公たちの仲間意識、ファミリー愛が強く描かれます。何故か妙に共感します(笑)。

相手の組織も、南米のスラムを牛耳っているボスですから、敵に不足はありません。少し、敵の手先がしつこい割にひ弱なのが難点ですが、それ以上に、第三の敵として登場する、ザロック様扮するFBIの追跡部隊が強力無比です。

この三つ巴の戦闘がスラム街の中で派手に展開されるのです。もう理屈抜きのアクションです。

しかも、最後は、疾走する二台の車が、巨大な金庫を引きずって、悪徳警察官のパトカー群とのカーアクションです。街をぶち壊しながらの金庫の迫力は大いに笑えます。一体、何台のパトカーをおしゃかにしたのでしょう。そして、鮮やかなハッピーエンドへの転換は、見事です。まさに活劇の面白さです。そして、主演のヴィン・ディーゼルを見直しました。

もっと早く内容を知っていたら、劇場で見たかった・・。残念でした。

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