るろうに剣心
「るろうに剣心」、若者に人気の佐藤健が主演の時代劇です。原作のコミックもなかなか人気だったそうです。
ストーリーとしては、維新のために刺客として、人斬り抜刀斎とも恐れられた剣客が、明治の時代になって、人を斬らない誓いを持って、数々の戦いに向かうという、なんとも面白そうなお話です。
そのコミックをNHK大河ドラマの「龍馬伝」のディレクターが、人斬り以蔵を演じた佐藤健を使って、実写化するものです。龍馬伝の演出は、スモークばかりで、巷でいうほど評価するものではありませんが、時代劇ファンとして、まずはお手並み拝見という気持ちです。
それにしても、剣心の使う逆刃刀には感心しました。要は、峰と刃が逆になっているのです。つまり、内に曲がった側に刃がついています。人を切ることは出来ず、常に峰打ちになるものです。これなどは漫画ならではの発想でしょう。さらに、中国の三国志に出てきそうな、巨大な斬馬刀、あるいは「心の一方」という白土三平漫画の技も出てきます。敵方も、どくろ仮面や短刀使い、格闘家など多士済々のメンバーです。極め付けは、香川照之の貿易商です。丹下段平のノリで、悪ふざけが過ぎるようなハチャメチャ演技ですが、今回は作りすぎですナ。
さて、肝心の殺陣ですが、冒頭の合戦シーンは、群集のチャンバラが気の抜けたようで、あ、これは失敗だなと思った瞬間、剣心が登場しました。デジタル撮影の威力でしょうか、なんともスピードが早い殺陣です。なかなか頑張っていると見直しました。また、人が爆風でなぎ倒され、飛ばされた挙句、木にあたって跳ね返るシーンは、なんとも痛そうで、力の入ったアクションでした。ともかく、佐藤健の動きが早い、よく走り、よく飛んで、動きます。それだけでも、一見の価値があります。それにしても、蒼井優まで飛ばされたのには驚きです。女優根性の人だけはあります。
動きが早く、刀が残像化することなどは、撮影技術がハリウッド並みに凄いのかもしれませんが、そのことで、新しい時代劇の出現とまではいえません。ただ、香港時代劇とは一味違う、リアルな時代劇になっています。それに、江口洋介と吉川晃司になかなかの存在感がありました。特に、吉川は「鳥刺し」に引き続いての剣豪役です。頑張っています。映画が終わって、隣の席の若い女の子二人が面白かったと話していましたので、この機会に、時代劇が隆盛してくれればよいのですが・・・。
それにしても、写真のパンフレットが800円とは高すぎますゾ。
最近のコメント