GANTZなSF映画論
映画「GANTZ」を観て、原作の漫画を知りました。作者は、奥 浩哉さんといいます。正直なところ、この方の漫画は観たことが無いのですが、映画の何倍も面白いという声もあると、娘から聞きました。
さて、この漫画家が「GANTZなSF映画論」という新書を書いています。漫画家の映画評論とは珍しい、と読んでみました。
いやあ、驚きました。この先生(呼び方も変えますゾ(笑)。)の書いていることは、なんとも共感することが多く、大ファンとなりました。なにしろ、最近の映画評論の風潮は、エロでグロテスクな、悪趣味な三流映画をことさらに持ち上げて褒め称えるオタク的な評論家が幅を利かせており、まともな評論に行き着きません。もう少し、まっとうな映画評論が読みたいと思っていたところへのこの本です。ありがとうございました。
ということで、本の中で共感した点をいくつかご紹介します。
まず、スターウォーズを評価していない、ということをはっきり明記している点が素晴らしい。スターウォーズ(後期)については、皆さん、何故か、遠慮しています。正直いって映画的にはまったく面白くありません。
また、なにより、映画への「感情移入」ということを大事にされている姿勢も共感します。さらに、「キングコング」や「グエムル」などの作品名をあげての多くのご意見は、僭越ながら、ブログで書いていた私の思いを世界に向けて代弁してくれたような気持ちにまでなります。ただし、「ゾンビ」に関しては、人が人を食べる話がトラウマとなっている私とは、異なる立場ですが、これは仕方ありません。
SFと書いて、サイエンス・ファンタジーと読ませるという意見にも、目から鱗です。もっとも、「少し・不思議」と訳する藤子F先生もさすがです。
なお、小生が未見の映画の紹介もありましたので、是非、近々観てみたいと思いますし、漫画「GANTZ」も是非、拝見したいと思います。
ほんとに、本書は、最近になく楽しい映画評論でした。未読の方は是非お読みください。
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