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2012年3月25日 (日)

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム

Photo 「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」を劇場で観てきました。シリーズの第2作目という作品ですが、前作で、チラチラとその影をみせていたホームズ最強の敵、モリアーティ教授がその姿をついに現します。

演じるのは、ジャレット・ハリス。実は全然、その俳優さんのことを知りませんでしたが、パンフレットを見て納得。名優リチャード・ハリスの息子だそうです。父親と違って丸顔で磊落さは無いですが、言われて見れば、なんとなく雰囲気は似ています。

しかし、教授の設定があまりにも冷酷でシャレがないので残念ですね、冒頭直ぐに第1作のヒロインを殺すなんて。・・・結局、脚本と監督がいけないのでしょうね。

今回の話は、モリア-ティ教授が世界戦争を起こして、大儲けをたくらむ企てを、ホームズとワトソン博士が阻止しようとするものなのですが、ともかく、やたら身体能力の高い蒙古人の暗殺者や凄腕の狙撃者などが次々登場する襲撃シーンは、少しやりすぎ感があります。スローモーションでの格闘イメージも、くど過ぎませんか。銃弾の弾道もくどいですねえ。

それに、第1次世界大戦に登場するような高射砲や連発銃の登場は、ホームズの時代とは少しというか、かなり時代考証がかけ離れていませんか?
 整形手術も登場するのでは、いくら原作の探偵とは違う設定といわれても、どうも、納得できない気がします。

また、ホームズというか、主演役者の演技、ユーモア感覚にはなんとなく、今ひとつ笑えないのですが、ホームズの兄が自宅では全裸で居り、女の客にも動じないし、召使たちもまったく頓着していないというシーンは、笑えました。しかも、そこには貴族の傲慢ぶりもそこはかとなく漂っており、この映画の名シーンです。 

そして、ラストが小説と同じなのでなんとなく納得しましょう。

最後に、あのジプシー女が、実は主演格であり、あの「ミレニアム」のスエーデン版映画の主演女優だったといいますから驚きです。うーん、人は見かけによらないものです。が、それでこの映画が面白くなった、とはとても思えませんね。監督さんは何を考えていますのでしょう。

2012年3月24日 (土)

ズデニェック・ブリアン

「ズデニェック・ブリアン」をご存知でしょうか。一言で言えば、古生物を描くチェコスロバキアの画家です。中学生の時に、学校の図書館で、ブリアンの「人類以前」という図鑑を見た時の感動を忘れることができません。この図鑑の話は、以前、このブログでもご紹介しました。

51cqqc0u5l__sl500_aa300_ ところが、最近、ひょんなことから、子供用の絵本で、「ブリアンの古生物図鑑」という本が、ずいぶん前に出版されていたことを知りました。どうやら、この古生物図鑑を出版した方はブリアンの熱烈なファンで、はるばるチェコスロバキアにまで出かけて、原画から撮影した絵を掲載しているというではありませんか。そのため、しっかり、副題に「ブリアンの」という冠を付けています。
 ・・・ブリアンファンである私としては、どうしても、その本を手にしたくて、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、中古本をゲットしました。なにしろ、プレミアがついて、定価の○倍もするお値段でした。

本日、届いた本の状態も良く、やはり原画から転写したという絵は美しい、筆使いなどブリアンの力量をあますことなく堪能できます。・・・まあ、掲載の古生物の絵自体は、「人類以前」で既におなじみのものでしたのが、少し残念ですなあ。

2012年3月20日 (火)

マネーボール

Photo_3 話題の映画「マネーボール」をDVDで観ました。仕事で忙しくて公開中に劇場で足を運ぶことが出来なかったのです。さすがに、アカデミー賞の候補となるだけあって、一気に観てしまいました。球団のGMを主人公としたのも面白いし、経済学・統計を応用した戦略も興味深いものです。球界の戦略を革新したという成功の実話というのがなければ、信じられない理論です。選手を分析する、若きふとっちょの相棒が良い。アメリカの大卒というのは、日本と随分ちがうと改めて思います。良くも悪くも専門的知識をしっかり身に付けている感じです。日本がアメリカに勝てないわけです。

それにしても、連敗から、あれよあれよと20連勝というお話は、野球映画のツボをしっかり抑えており、大満足です。しかし、経済学をもっても、ジンクスは破れないのですねえ。それに実話ですから、ラストは・・・、まあ、ネタばらしは差し控えましょう。未見の方は、是非ご覧ください。

Photo_4 それにしても、やっぱり野球映画は面白い。古くは、ゲイリー・クーパー主演の「打撃王」、ルー・ゲーリックの伝記映画で、本物のベーブ・ルースがゲスト出演しているのも驚きます。そして、「甦る熱球」は、ジェームス・スチュアートが主演です。義足の名投手の実話だそうです。まだ、DVDをもっていないので、VHSでご容赦ください。Photo_9

Photo_6 私の贔屓は「ナチュラル」。これは、中年になって大リーグにデビューする不世出の打者、古き良き時代の大好きなお伽話です。

「がんばれ、ベアーズ」も良い。ティタム・オニールの子役も懐かしく、最後に負けるのも好ましい。Photo_7

「メジャー・リーグ」のハチャメチャ喜劇映画も、しっかり、だめなチームが連勝して優勝するという成功物語なのです。しかも、実名の球団の話なのです。メジャーリーグの腹の太さが立派です。

駄目なチームが強くなり、優勝するというストーリー、これが野球映画の醍醐味なのです。Photo_8

あと、どんな野球映画があったかな?日本では、最近の「もしドラ」もそうですねえ。マネージャーが主人公というのがものめずらしいのでしょうか。あれ、「マネーボール」と良く似ている?

サンダーバード読本

Photo_2 「サンダーバード」が初めてテレビ放送されたのが、昭和41年4月だそうです。以来、半世紀近く、根強いファンを獲得し続けています。私のように、子供時代にリアルタイムで見た人間にとっては、あの数々のメカの凄さには、驚嘆し、そのままファンとなることも理解できるのですが、最近の若い人は一体どうやって「サンダーバード」を知るのでしょうか?それ自体が不思議でなりません。

といいいますのも、このたび、写真のような「サンダーバード読本」が出版されました。内容は、製作当時の裏話などかなり専門的な記事がびっしりと掲載されています。結構、撮影裏話が好きな私でさえ、あまりに細かすぎて、途中で読むのを断念しました。(印刷文字が小さくて、老眼では見難いのが本当の理由です。笑)このことは、若いファンが増えていることを証明しております。

こういった類の本は、前もあったはずと、我が家の書斎というより物置の書庫を探しますと、出てくる出てくる、けっこう購入しておりました。多分、一番古いのが、「ロマンアルバム増刊サンダーバード」でしょう。分厚く大型豪華本の「サンダーバード写真集」というのもあります。30周年記念の「サンダーバードファイナル」、ハードカバー本の「サンダーバードセンチュリー スーパーマリオネーション」、輪切り本の「サンダーバードクロスセクション」、別冊宝島の「僕たちの好きなサンダーバード」は、2冊もありました。多分、探すとまだまだ埋蔵されていると思われます。ほんとに、我ながら、「サンダーバード」には目がありません。

とはいうものの、実は、DVDーBOXは所有しておりません。なにしろ、DVDの値段が高い。また、マリオネーションのシーンをノーマル映像で長時間眺めることが出来ない。直ぐに、倍速で飛ばして、メカのシーンのみを眺めてしまうのです。しかも、当時と違い、大人の眼では、さすがにリアルには見えません。やはり、記憶の中だけが幸せなのです。

もっとも、メカのデザインなどは、永遠にその魅力を失っておりません。以前に、このブログで紹介しましたように、サンダーバード2号の30cmサイズの模型を所有しています。また、数年前?にコナミから発売された1号、2号、3号、4号、5号、そしてジェットモグラなど、小さいながらも精巧な食玩模型はなかなかの出来でした。敵役のメカも模型化してくれないかなあ。ところで、実写版の映画化に登場する2号機など、そのお粗末なデザインに驚き、あきれ、改めてオリジナルのデザインの素晴らしさを再確認したものです。いやあ、今後とも、模型や書籍の発売など目が離せません。

怪獣ウルトラ図鑑

Photo なんとも、懐かしい本が、復刻されたものです。ウルトラマンからウルトラセブンに移った頃でしょうか、怪獣の黄金時代に発刊された本でした。当時、この本も所持していたものですが、ご多分に漏れず、廃棄されておりました。

中身は、本当に懐かしい怪獣解剖図や怪獣の能力説明があります。著者である大伴昌司編集者の素晴らしい仕事です。この編集者のことは、以前このブログに書きましたが、少年マガジンなどの特集を通じて、大変影響を受けたものです。それにしても、この本は、当時380円というのも驚きです。

しかし、「復刻ドットコム」という出版社は、えらい会社です。復刻してもらいたい出版物について、希望者が100名になると、版元の出版社や著者と交渉して、出版する仕組みになっているようです。昔のマンガの復刻も多いようです。私が投票している、小山春夫先生の「甲賀忍法帖」を早く復刻して欲しいものです。もっとも、まだまだ賛同者が少なく、残念なことです。この作品は、山田風太郎の原作を始めて漫画化した記念すべき作品です。シャープな絵柄とあいまって、なかなかの傑作なのですが、どうも、作者と作品が知られていないのか、票が集まりません。しかし、絶対、マニアが多いので、元は取れますぞ、「復刻ドットコム」さん、お願いします。また、風太郎の忍者物に興味のある方は、是非、投票してください。

2012年3月18日 (日)

大魔神怒る

Photo かつての大映のパンフレットは、「大映グラフ」という形で、封切り映画を掲載しておりました。大体、大映のスターたちが表紙を飾っていたものですが、「大魔神怒る」の特集号は、湖を割って登場する大魔神の姿がそのまま見事に全面に打ち出されています。非常なインパクトがありました。このパンフレットは、当然所有していたのですが、学生時代に、「もう怪獣映画は卒業」とばかり、その他の東宝ものと一緒に、廃棄してしまいました。そして、月日は流れ、失った物への愛着が湧き上がり、ついに、私が再取得すべき最後のパンフとも言うべき、「大魔神怒る」をyahooオークションでゲットしたのです。

実は、この「大魔神怒る」の特集号には、併映の「座頭市海を渡る」の記事も掲載されており、しかも、過去の座頭市の作品の解説も付いているという、本当にお得なパンフだったのです。なにしろ、安田道代の初々しい娘役がお気に入りの作品です。新藤兼人の脚本なので、少し固い所もありますが、西部劇調で、座頭市と娘の関係がなかなか楽しい作品です。未見の方は、是非、ご覧ください。第1作は別格として、「座頭市兇状旅」と「座頭市血煙街道」と並ぶ傑作です。・・いや、「座頭市果たし状」も捨てがたいし、「座頭市あばれ火祭り」も好きだが、・・・。

Photo_2 お話を戻して、その「大魔神怒る」の前作の「大魔神」は、「ガメラ対バルゴン」との併映でした。そのパンフレットは、「ガメラ対バルゴン」が表紙を飾っています。思えば、この時が怪獣映画の黄金時代だったのでしょう。両作品とも、大傑作です。大魔神は、この作品を契機に、3部作となり、そのまま今日まで断絶したままです。一方、ガメラシリーズは、この作品のみ大人仕様であり、なにしろ、宝石をめぐる大人たちの醜い争いは、ガメラとバルゴンの争いの比ではありません。その後は、「ギャー、ギャー鳴くからギャオス」などとお子様が勝手に怪獣名を名付けるようなお子様ランチに陥り、6作で自滅。しかし、平成になり、新たなガメラが不死鳥のように蘇り、平成ガメラ3部作として、怪獣映画の最高傑作ともいうべき作品が生まれています。前置きが長くなりましたが、その平成ガメラを記念して、「ガメラクロニクル」という大型豪華本が発刊され、そのオマケに、昭和ガメラシリーズのパンフレットが復刻されました。それがこの表紙写真です。いやあ、懐かしい、楽しかった、何も心配のなかった、あの頃が蘇ります。

2012年3月12日 (月)

世界イカ類図鑑

Photo_3  長年の念願だった「世界イカ類図鑑」を入手しました。この図鑑は、全国いか加工業協同組合が、創立40周年を記念して、東京水産大学の奥谷喬司名誉教授に依頼して作製した、専門的図鑑です。なにしろ、世界のイカの種類は、約450種と言われている中、408種を掲載しているというのですから、驚きです。この宣伝文句を見るたびに、図鑑マニアとしては、現物を見たくてしかたありませんでした。なにしろ、専門業者向けの本格図鑑ですので、定価が相当に高く、いままでなかなか手が出ませんでした。今回、アマゾンで新本同然の古本というふれこみの定価の2/3という掘り出し物を発見、何度か迷った挙句、ゲットしました。

さて、中身ですが、予想通り、カラー写真は少なく、モノクロまたは細密画の図鑑です。しかし、1ページに、上下1匹ずつという図版です。お目当ての、ニュウドウイカ、ダイオウイカ、そしてテイオウイカという巨大イカ類も掲載されていますし、これまで見たことも無い、奇妙なイカ類も掲載されています。・・・十分満足です。

Photo_2 ところで、この奥谷名誉教授は、かつて、トビイカの飛行編隊の写真を表紙にした新書「イカはしゃべるし、空も飛ぶ」という名著を書いた人でした。私の愛読書でした。その著書の中で書いていますが、日本人は、世界で3体しか標本が無い貴重なイカを、トロール船で缶詰に加工していたとか、イカ好きの人種も困ったものです。 では、その名著の表紙、トビイカの飛行中の勇姿をご覧ください。感動しませんか。

2012年3月11日 (日)

アンダーワールド 覚醒

あのケイト・ベッキンセール主演の「アンダーワールド」シリーズの正式な続編の第3弾がひっそりと公開されていました。

3 第2作で、始祖の血を飲み、昼間も歩けるようになった吸血鬼セリーンの物語です。

冒頭、吸血鬼と狼男の存在が世間に公表され、人類との全面戦争が勃発するという設定です。ニュース番組での映像やアナウンスが面白い。「人類のほかに、新たな2種の存在を確認。吸血鬼と狼男です。感染。治療できません。粛清が始まります。」とアナウンサーの絶叫と虐殺のニュース映像が流れます。

なにしろ、人類は数は多い上武器も開発します。一方、吸血鬼も狼男も力は強い割りに弱点が多すぎます。日光に、銀の弾丸。数年で、人類の圧倒的な勝利を得て、狼男は絶滅、吸血鬼も地下に消えます。

主人公の女吸血鬼の処刑人セリーンも、最愛の狼男ハイブリットであるマイケルと一緒に爆発に巻き込まれ、意識を失うのですが、気が付けば、巨大製薬企業の冷凍カプセルで、何故か逆さに冷凍されて12年が経過していたのです。しかも身に覚えのない娘も居たのです。狼男と吸血鬼の混血のその娘をめぐっての大活劇です。

さらに、巨大化した狼男の出現するものの、狼男の造型がどうもイマイチです。やっぱり、顔のでっかいゴリラに見えます。しかも、何故か、マイケルは一瞬しか登場し,ません。かわりに若き吸血鬼が助演します。が、あまり血肉沸く展開になりません。

正直、ケイト・ベッキンセールが老けました?その娘も、あの憧れのオリビア・ハッセーの実の娘らしいのですが、あんまり可愛くありません。(ごめんなさい。そんなメイクなのかもしれません。)まるで、「バイオハザード」シリーズのようです。吸血鬼伝説よりも、SFゾンビ映画に近くなってきています。終わり方も、まるで続編に続く・・・というような幕切れです。観客が観るのもつらくならないうちに、速やかに終わりにしましょう。 そんな心配までしたくなりました。

2012年3月10日 (土)

ALWAYS 三丁目の夕日’64

「ALWAYS 三丁目の夕日’64」をやっと見てきました。幸いなことに2Dです。3Dはあまり効果が無いような記事を見ていましたので・・。

Photo_3 

さて、映画の出来は?というと、これがけっこう泣かせるのです。もう定番中の定番で、想定どおりの筋書きなのですが、これが良いのです。まるで、「寅さん」シリーズです。セットも、CGでの昭和の再現も文句なしです。衣装も、小道具も、丁寧なつくりで、ここまでやるから画面に卒がないのだということを改めて感じます。ただ、少し文句を言えば、「道路面」のらしさが少しセットぽくて気になります。

お話は、まずは「六ちゃん」の嫁入りのエピソードです。当然のごとく、頑固な父親(?)の娘への思いと求婚相手への絵に描いたような応対、そして、かつて日本に有ったらしい美風、三つ指突いて花嫁が親へ感謝の挨拶をするシーン。もう徹底したマンネリの塊のようなシーンですが、思わず涙する自分に驚きます。

そして、二つ目のエピソードは、茶川家の親子の断絶のお話。これも頑固な親父と息子の二代に渡る、馬鹿馬鹿しいほど不器用な設定で、しかし涙なしでは語れない親の心のお話です。さすが吉岡秀隆は演技が巧い。頼りなくも、心優しい小市民をよく表現しています。私には、「寅さん」のおいちゃん(森川伸)に似ているような気がします。・・本当に、どなたかが言っていたように、「寅さん」の下町人情の世界なのです。高度成長時代の直前の世界は、多分、日本全体が、そうだったのでしょう。

医者の宅間先生が言います。「みんな、お金持ちとか、出世とか、上を目指していますが、しあわせとは、なんなのでしょうね。」・・・現在、東日本大震災を経て、「高度成長時代」を反省し、私たちが考えなければならないことを静かにつぶやきます。

ただ、最後に、とても残念なのは、ラストで、茶川家の夫婦と赤ちゃんが夕日を見上げるシーンです。カメラが3人の横を回りこんで、意味深なまとめの台詞「いつも(=ALWAYS)見ている夕日」とか、なんとか言っている目線の先には、そのまま同じカメラワークで美しい夕日がど~んと繋がるものとばかり、思っていましたら・・。なあんと、カメラが切り替わって、東京タワーを俯瞰した夕日の風景に切り替ったのです。なんということでしょう、この最後の場面こそ、CGワークの見せ所ではないでしょうか。ああ、最後の最後で、もったいないことでした。

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