総天然色 ウルトラQ
「総天然色 ウルトラQ」とは、あのモノクロ映像の傑作空想特撮テレビシリーズを、最新の技術にて、カラーライズされたDVDーBOXの第一弾の商品名です。
その宣伝文句には、構想18年、製作期間2年以上、日米共同制作の夢のプロジェクトと銘打たれています。うーん、ここまで書かれれば、買うしかないと、早速購入です。しかし、正直、これまでの経験からいうと、モノクロ映画のカラー化は、あまりよい結果を出しているとはいえません。前にもこのブログで書きましたが、私の知っているなかで、もっとも悲惨な例は、LD「カサブランカ」のカラー版でした。あの美しい銀幕のイングリッド・バーグマンが、粘土細工のゾンビ人形のようでした。逆に、もっとも良かったのは、レイ・ハリーハウゼンのDVDのカラー化です。もともと模型人形のアニメーションですので、あまり違和感がないせいかもしれません。
さて、それでは今回の結果はどうだったのかというと、登場するペギラやジュラン(マンモスフラワー)などのモノクロの怪獣が実際はどんな色だったのか、という疑問への回答という意味では、大いなる価値があったのかもしれません。絶滅した恐竜の本当の色を証明したかのような意義があります。・・かな?
しかし、映像的には、そのカラーライズ化の技術は拙いものと言わなければなりません。幕末の写真を色付けしたようななんとも悲しい出来なのです。何年も前の色あせたフィルムのような、全体的に褪めたような質感がなんとも悲しさを引き起こします。特に、人間の肌の色が死んでいます。皮膚呼吸(笑)をしていないのです。早すぎたカラー化でしょう。残念です。今後、下巻のBOXの発売もありますが、どうしようか、迷います。
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