スーパー8
スピルバーグ製作で、内容不明のSF映画と聞けば、封切直後に劇場に足を運ばなければなりません。
さて、秘密主義を貫いて製作された作品でありますし、ここからネタばれですので、未見の方は、ご注意ください。その内容は、アメリカの田舎町で8ミリ映画を製作している子供達のグループが、偶然、軍用列車の脱線事故にめぐり合い、その貨物室から逃げ出したエイリアンと遭遇するというお話です。
いわば、「ET」のようなストーリーですが、なにしろ、エイリアンが、巨大で獰猛で、人まで食いますので、なかなかハードなつくりです。もっとも、その姿に似ず、宇宙船まで作り出す知能を持ったエイリアンという設定ですので、最後の最後で、少し甘い風味になるのが、スピルバーグ的でしょうか・・・。
ともかく、タイトルの「スーパー8」自体が8ミリの商品名ですので、子供たちのアマチュア映画作りや思春期の交友関係が中心で、それもなかなか楽しめます。スピルバーグ自身の自伝のような気もします。私自身、子供の頃、8ミリ映画製作に凝った時期がありましたので、なんとも懐かしい気がします。最後のタイトルロールの中で、子供たちが完成させた8ミリ映画の映像が出るのですが、24コマでチラチラする、ややボヤケタような8ミリ特有の画面は、真にうれしい限りです。もっとも、私の8ミリ映画の場合は、シングル8のモノクロの時代劇でしたので、あんな可愛らしい女性はいませんでしたナ。
それにしても、子供たちの青春時代と懐かしさを除くと、これまでによくあるストーリーでした。それほど秘密にして守るべき画期性は感じられません。それに、公開した以上、売り物のパンフレットぐらいには、エイリアンの姿を出して欲しいものです。あれは何本足ですか? どうも、宇宙船の技術とは結びつかない間抜けな顔しか、画面では見えないのです。今後、デザイン図だけでも、公開してほしいものです。
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