妖怪百物語
久しぶりに「妖怪百物語」を見ました。やはり、懐かしさにうれしくなると同時に、この当時の大映時代劇のセットや照明などを支えていた技の凄さを改めて実感します。
最近の妖怪映画と比較してみれば、一目瞭然です。確かに、妖怪の一体、一体の造型の緻密さなどは、新しい材料の進歩などもあって、比較にならないほどに進歩したのでしょうけれども、映画の映像は全体の調和です。多分、当時のことです、ありきたりの材料を集めて造った(失礼)とおもいますが、その撮影の方法などで、なんとも素晴らしい映像を作り上げていますし、第一、時代劇の陰影のある世界は、ため息が出るほど凄みがあります。昔の撮影所の培ってきた技術、業が失われた中では、いくらCGの発展があっても、なかなかあの雰囲気は出せないのが残念です。
それはともかく、この映画では、やはり、ろくろ首のエピソードが一番ですなあ。おいてけ堀、血のとれない鯉、あの長い首のライン(笑)、そして、爺さんの存在感が立派です。また、大首も素晴らしい。最後の百鬼夜行の行列もスローモーションと多重露光が印象的です。なにしろ、懐かしさという調味料が入っていますので、ある程度の甘さは許していただきましょう。
それにしても、妖怪というのは、やはり、少年マガジンで、水木しげる氏が鬼太郎を連載始めた頃から注目を集めたのですかねえ。結構、妖怪に関する書物も出版されています。実は、私も結構持っています。最近は、西洋の悪魔や怪物に関する書物まで収集するありさまです。まあ、こういった類の出版物が出るのはそれだけ人気があるということなのでしょう。なにしろ、平安、江戸時代からの日本の伝統文化ですから当然といえば当然です。私としては、やはり図鑑趣味がありますので、大きなサイズで絵や写真がふんだんにある図鑑系が好みです。その中からご紹介します。
この本は、絵と写真を多く集めた、こども向けの図鑑です。なにしろ、全5巻でして、結構値が張りました。多分、こども図書館などのニーズなのでしょう。大きな文字と住処で分類した妖怪ごとの絵や祭りの写真など、わかりやすさと見易さでお勧めです。まじめに学術的に取り組んでいる姿勢が好ましいものです。
この本は、雑誌の特集号のようなイメージです。日本各地の妖怪をカラーの絵や写真で丁寧に解説しています。特色としては、A4サイズより少し大きめの大型本であり、掲載されている個々の絵や写真のサイズが大きいところを買っています。どうも、日本の図鑑は、絵や写真が小さいですぞ。欧米の図鑑のように、大きな絵や写真をどんと掲載し、子供たちの想像力を育てるようにしてほしいものです。
余談ですが、かつての食玩ブームの時に、発売された日本の妖怪や西洋の悪魔を造型した一連のフィギュア群がありました。サイズが小さいながら、とんでもないリアリティと迫力を備えたミニフィギュアでした。どれもある一人の造型師の監修で作られたようですが、食玩というものの造形美の頂点を極めたシリーズと高い評価をしております。誰もあんまり触れませんので、一言アピールでした。今後、またの機会にご紹介します。・・・ところで、あの食玩ブームはなんだったのだろう。
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