禿鷹のえさ
「禿鷹のえさ」は、1966年に製作されたマカロニ・ウェスタンです。多分、封切り当時、なんらかの映画の併映で見たのだと思います。実は、映画の題名すら覚えておりませんでしたが、子供心になんとも面白かった記憶があります。
ストーリーは、メキシコの国境付近で、スコットランド移民の7人兄弟の居る大家族が牧場を営んでいるのですが、襲い掛かるならず者をどんどんやっつけるという喜劇調の痛快西部劇です。途切れ途切れの記憶を辿りますと、年老いた母親が、何丁もの銃を取りつけた銃を一斉に撃ったり、家に備え付けた大砲までぶっ放すというシーンが印象に残っています。この記憶を元に、あるマカロニ・ウェスタンの解説本で、題名を割り出したことは、以前、このブログで紹介しました。
それ以来、なんとか、この「禿鷹のえさ」という映画を見たいと思っていましたが、なかなかDVD化されません。よほどB級なのか、もともとVHSにも、LDにもなっておりませんので、これからもDVD化の道は険しそうです。多分、一般的な残酷マカロニのイメージと異なるため、販売メーカーの食指が動かないのでしょう。
そこで、意を決して、今回、アメリカのアマゾンで発売されているオリジナルのDVDを購入しました。あわせて、続編の「殴りこみ兄弟」も同時に購入しました。
さて、視聴の結果は、イタリア語で字幕もありませんので、ぜんぜん台詞の意味はわかりませんが、どんぱちの撃ち合いは十分楽しめます。また、コメディタッチのドタバタもかなりなものです。ラストに登場するバグパイプの演奏を伴った救援隊の登場には、大感激です。それに、いくつかのシーンには見覚えがあります。敵のメキシコ将軍姿やアジトの風景は確かに思い出しました。音楽が心地良いのは、実はエンニオ・モリコーネのおかげでした。
なお、続編には、近くに住む女兄弟が多い家族が登場し、これまた楽しいどんぱちをはじめます。これは、初見のはずなのに、どこかで見た覚えもあり、困惑です。多分、デジャブでしょう(笑)。何故、こんな楽しいマカロニ・ウェスタンがDVD化されないのでしょう。お勧めです。どこかのメーカーさん、日本で発売していただけませんか。台詞を理解したいのです。
下の写真が、続編のDVDの表紙画です。七人兄弟のうち、長兄だけは、第1作で花嫁がみつかるのですが、続編では、6人の姉妹家族が登場し、めでたく花嫁候補となるのです。しかし、召使のインディアンの無用のおせっかいや、女兄弟がスカートを上げて砂金取りをする場面で、目隠しをするシーンなどは、見た記憶があるのは、やはり不思議です。
それにしても、何故、第1作は、「禿鷹のえさ」という、ぜんぜん、内容と違う邦題にしたのでしょう。理解に苦しみます。「マッグレガー家の七人」というほうがましでしょう。
<追記>
どうやら、私は勘違いをしていたようです。この2つのDVDを再見する中で、どうも、かつて私が見た映画は、続編の「殴り込み兄弟」ではないかとの疑念が浮かび、時間とともに、それは確信に変わりました。
もともと、「禿鷹のえさ」という題名に行き当たったのは、マカロニ・ウエスタンの解説本の写真に、2人の年老いた母親が、何丁もの銃を並べた銃を撃つシーンや2人の父親のスコットランド独自のスカート(?)姿が掲載されていたためですが、実は、それは、続編「殴り込み兄弟」にもしっかり登場するのです。さらに、決定的な理由が、続編に登場する変なインディアンです。敵の頭の皮を剥ごうとして剥げ頭だったり、長男の浮気を示唆する無用な情報を長男の妻に与えて危機に陥らせ、しかも長男にしっかり自分だと告げるのです。この辺の可笑しさは、映画を見ないとわかりません。そして、将来の嫁たちの男勝りの猛烈ぶり、さらには、ラストの列車でやってくる応援隊の頼もしさ。断片的な記憶が蘇ります。どうみても、こちらのような気がします。第一、面白さが前作の倍増といっても良いぐらいです。
そこで、今回、「私がかつて見たのは、実は「殴り込み兄弟」だった」といたします。(きっぱりと)
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