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2010年7月24日 (土)

必死剣 鳥刺し

藤沢周平の原作を読んでいたので、映画「必死剣 鳥刺し」を観に行くのが1週間遅くなりました。なにしろ、悲壮なラストを知っているだけに、なかなか足が劇場に向かなかったのです。このたび、精神統一の上、やっと見てきました。

映画自体は、丁寧に時間をかけてしっかり撮影をしている様子が伺われ、好感の持てる作り方でした。かつて安手の時代劇を大量生産させていた東映マークでは有りましたが、製作委員会方式によるものでしょうか、その丁寧な映画づくりには、時代の流れを感じました。自分が歳をとるはずです。

ともかく、じっくりと腰の据わった作り方です。冒頭のシーンから、時間はじれったいほどゆっくりと流れ、能の舞を延々と見せます。衣擦れの音や笛や太鼓の音をこれほど見せるのはなかなかありません。カットを重ねていく中で緊張が高まり、やっと能が終わったと思ったら、一瞬の刺殺です。そして、その後、意外な展開が続くのですが、時間としては、やはりゆっくりとラストまで数年をかけて流れます。特に、謹慎蟄居という軽い処分を受けている間は、静かな緊張を保ちながら、日常の武家の作法や佇まいがきっちりと描かれます。四季のある美しい風景の中で、障子の開け閉めなど、日本人が失った精神性が見事に描かれるのです。こうした映像だけでこの映画は見る価値はあります。日本は美しい、素直にそう思えます。

Photo_2

 主演の豊川悦司は、平成の「椿三十郎」で、仲代達矢役を演じたせいか、同じく剣豪の道を歩いているようです。もっとも、風呂場のシーンの腹のくびれはいただけませんが(笑い)。それにしても、曲者である中老役の岸部一徳の存在感はなかなかです。こんな役をやらせれば「切腹」の三国連太郎にも、少なくても「斬る」などで切れ者役を演じた神山繁には十分匹敵します。また、大馬鹿な殿様役と驕慢な側室役の俳優さんは、地と思えるほど適役です。吉川晃司の剣の使い手ぶりも感心しました。

 ラストの殺陣は、なかなか頑張りました。吉川との対決シーンの殺陣は迫力もあり、細かな技は意表をつきましたし、最後の最後、集団による殺陣も本格的でした。止めの「鳥刺し」の妙技は、早すぎて映像では見極めることは出来ませんでした。いずれ、DVDの初回特典などによる、なんらかの具体的な解説が出ることを楽しみに待つことにしましょう。

 しかし、主人公が、殿様から嫌がらせをうけるシーンなどは、「すまじきものは宮仕え」という格言を思い出して、身につまされるものがあります。まあ、人生は厳しいものです。映画ぐらいは、あの馬鹿殿に天誅を食らわすべきでしょう(笑)。

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