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2010年5月30日 (日)

座頭市 THE LAST

何故、いまさら、こんな「座頭市」が製作されたのでしょうか。カツシンの座頭市ファンとしては、許されない思いです。本当に怒っています。

カツシン亡き後、たけしの「座頭市」や女座頭市が映画化されましたが、いずれも、カツシンとは違うアプローチではあるものの、居合いの凄腕であり、世の中のアウトローという座頭市という存在の基本はきちんと押さえて、なかなか好感の持てる作り方をしておりました。

しかし、今回のカトリ版の座頭市は何でしょうか。居合いの名人でもなく、(普通のやくざ・三下にあちこち斬られるような腕では名人とは言えません。)ましてや、女房を持つなどというスタンスでは、基本がまったく違います。そのうえ、すぐに新妻が斬られるというストーリーが酷い。多分、この脚本家は、「座頭市」に何の思い入れも無く、興味も無かったのでしょう。いや、それどころか、時代劇も渡世の掟も知らないのでしょう。

そして、余りにめちゃくちゃな殺陣シーンは、どうみても体力任せの「紋次郎」の殺陣です。美しさも鋭さもスピードも無い、最近では珍しいほどの最低・最悪の殺陣です。これほど工夫の無い殺陣はそうないでしょう。CGでも使えば、その意欲が買えるのに・・・。雪の中で寒かったから凄いでしょう?的な、プロダクトアウト的な殺陣です。見ている観客には何も伝わりません。マンネリ化した立ち回りのうっとおしさだけですな。

最後に、この映画の監督は、何を考えているのでしょう。延々と冗長的に、思い入れたっぷりな無意味な映像を積み重ねて、あげく・・・THE LAST。出演者すべでがミスキャストです。よく、一流の皆さんが、あんな役で出演しましたと思いました。もっとも、こんな座頭市映画を見せられる時代劇ファンも酷いものです。ともかく、上映中に、おもわず「面白くない」と独り言を言ってしまいました。こんなの初めてです。3 普通、面白くなかった映画の場合は、パンフレットを買わないのですが、今回は買いました。こんな座頭市を作った製作陣の暴挙を長く記憶しておくためです。写真は、そのパンフレットの裏表紙です。・・・おりしも、DVDで三隅研次監督の「座頭市暴れ火祭り」が発売されています。仲代達矢も出演しております。口直しにDVDを見ましょうか。

パーマネント野ばら

何故か、「パーマネント野ばら」を観て来ました。SF・ファンタジー・アクション系の私の映画趣味の範囲から言えば、かなり逸脱しておりますが、この映画はなかなかの本物の映画です。(私の趣味が一般的でないのですが・・笑)いやあ、荒唐無稽なハリウッド映画と比べますと、本物の映画はよいですな。久しぶりに堪能しました。Photo 原作の西原理恵子さんの漫画は未見ですが、単なる下ネタとギャグだけではないようです。ラスト以外は、原作のエピソードを積み重ねた内容とのことですので、恐るべし、西原漫画です。正直、見ている途中で、何度か、声を上げて笑ってしまいました。

また、出演者の演技がよい。まず、夏木マリさん、若いときからのファンですが、年齢を重ねてもその独特の存在感は増すばかりです。そして、バーのママ役の小池栄子さんが物凄く良い。まさにはまり役です。もちろん、主演の菅野美穂さんは、やはり演技派です、見直しました。

とにかく、皆さん、是非、この映画はご覧ください。一般分野ですが、お勧めです。

追伸

どうもこの手の映画は後に残ります。印象的なシーンを思い出します。

夏木マリ扮するお母さんが山の中の廃屋で集めたゴミの中で暮らす婆さんを指して言います。「好きな人と好きなものに囲まれて暮らすのが幸せ・・」と。もっとも、この婆さん、いつも横に居る爺さんが違う人で、前の人のことを尋ねるといつも返事は「死んだ」。「一人は殺してるね」とマリに呟かせ、後半に婆さんが何かを埋めているシーンを出すのは笑えます。また、美容室常連の3人のおばはんの下ネタギャクが笑わせます。この街の住人のハャメチャぶりは凄まじいものがあります。普通は絶対警察沙汰になりますゾ。

このあたりは、主人公の台詞「この街は嫌。外に出る人は出て、居るのは残りかすばかり。」というところに、多分に、原作者の正直な気持ちが出ているのでしょう。まあ、現場に居れば、そうでしょう。・・・それにしても、映画のラストはいろいろ考えさせられます。ネタばらしはできませんのが残念です。

最後に、夏木マリの若いときの姿は、役者の吹き替えでなく、CGで再現せんかい。ハリウッドに負けないでファンのために頑張って欲しいものです。

ところで、こんなことを連綿と書いていることもどうかしています。やはり、私は、こんな類の映画は嫌いです。映画は、スカッとさわやか、後に何も残らないのが好きです。(笑)

2010年5月29日 (土)

プリンス・オブ・ペルシャ

「プリンス・オブ・ペルシャ」について、いつものことながら、あまり事前情報を持たないようにして、劇場内の予告編を頼りに、封切日に観て来ました。あいかわらず、こういう類のファンタジー&アクション映画には目が無いのです。

2 さて、この映画のストーリーは、ペルシャの国の王様の養子になった、スラム街育ちの若者が、伝説の王国の美しき姫とともに、世界を滅ぼすという「時間の砂」を狙う、恐怖の暗殺団と戦い、忌まわしい陰謀を阻止し、世界を救うという一大アドベンチャーです。いわば、砂漠の王国のお家騒動に、インディジョーンズ風の冒険活劇を取り入れたものです。

最初、何人もの王子が出てくるのですが、誰が主演のプリンス(王子)なのか、わかりませんでした。撮影の仕方かも知れませんが、一見なんか地味です。また、絶世の美女という設定のお姫様は、その登場シーンに期待が集まりましたが、その容貌はなんと地味か?と失望します。(ごめんなさい) パンフレットによると、例の「タイタンの戦い」で、最初、脇役と思ったら結局主演だったというヒロイン(守護精霊)役を演じた女優さんとのことで、これも改めて驚きました。どうやら、この監督さんは、アクションには力を入れているようですが、こうした決めの場面やちょっとした効果にはあまり気を配らない感じです。特に、女優さんは、素顔のままで撮影されている感じです。もう少し、メイクアップや照明などの演出の工夫で美しさをカバーすべきでしょう。まず観客をその気にさせて欲しいものです。こうした仕込みがないと、どんなに勝気な姫君とハンサムな王子との掛け合いが面白くても、感情移入が出来ませんな。もっとも、その二人の掛け合い自体も、あるいは意表をつく場面展開も、インディジョーンズの面白さにはとても及びませんが・・・。

とりえは、アクションシーンが俳優が肉体的に頑張っている点だと思います。思わせぶりに登場する恐怖の暗殺団への期待は、七人侍のように揃って登場するシーンだけでした。あとは、竜頭蛇尾、羊頭狗肉?。時間のリセットでの解決は、安易でお粗末なオチでした。

それにしても、どっかでみたと思いつつ、あの悪徳商人が、ドク・オック役の俳優とは最後まで気が付きませんでした。我ながら、一体どこを見ているのでしょうか。人を見る目は、あんまり、あてになりません。

2010年5月23日 (日)

原型師大石透のメデューサ 

ガレージキットの初期の頃、大石透さんという原型師が活躍されていました。マーメイドというメーカーで、レイ・ハリーハウゼンのクリーチャーなどの洋物モンスターのキットを何体か、手がけています。

 なかでも、25cmぐらいのサイズですが、タロスのキットの出来は感動ものです。このキットについては、完成させた現物を以前にこのブログでもご紹介しておりますが、映画の雰囲気を再現しているフィギュアとしてはこれに勝るものは無いと思います。ハリーハウゼン自身の彫像よりも良く出来ています。また、彼の手になる大きな半魚人のソフビキットは、もう何体つくったことでしょうか。要は、私は、この原型師さんの、この時期の作品のファンなのです。ああ、忘れてはいけません、彼のペギラの造型にもぞっこんです。私がガレージキットの凄さを初めて実感した、記念すべき作品でした。

ところで、世の中にはえらい人が居るようでして、原型師の皆さんのデータベースを作られて方がいらっしゃいます。何度も検索させていただき、感謝しております。実は、この中で、大石透さんの名を知り、その作品を知ったのです。ちなみに、アドレスをご紹介しましょう。

http://www.ne.jp/asahi/paopao/wonderland/genkeisi/godzmarm.html

このデータベースに出会って、大石さんの初期の作品で、どうしても現物を見たいと思っていたのが、レイ・ハリーハウゼンの「メデューサ」です以前、アメリカのオークションで、このデータベースに掲載されている写真と酷似したキットを入手したことがありました。当ブログでも紹介しましたが、蛇の髪の設計図もなく、造りも粗雑でしたので、そのまま放置していました。ただ、今回、国内のオークションで、地震によってバラバラになったキットがそのままの状態で出品されていました。いくつか部品も無くなっているジャンクというお話でしたが、思い切ってゲットしました。

ゲット後に判明したのですが、実は、この作品は別の人が原型を製作したものを監修した形の作品だそうです。・・・・うーん、そう言われれば、タロスとはすこし作風が違うとは思っていましたが・・・。(説明は最後まで読むものですな)

 とりあえず、前述のHPの写真を見ながら、仮組みと失われた部品を復元を行いながら、作業を行っています。その作業現場のご披露です。以前の持ち主が縫った塗装も色剥げも著しくなっています。これから、塗装の落とし、パテ埋めなど、いろいろ工程があります。少し時間もかかりそうです。

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なお、後ろに写っているのが、アメリカ帰り(生まれ?)のキットであり、これもできれば復元して見たいものです。

2010年5月22日 (土)

映画パンフレット(その5)

  久しぶりに、映画のパンフレットを話題にしましょう。

人は失ったものを取り戻そうとする本能があるのでしょうか。以前お話したとおり、かつて東宝の怪獣映画のパンフレットを多数保有しておりました。ただ、中学生頃でしたか、もう卒業とばかり、すべて廃棄したのです。最近になって、何故か、あの当時の思いを、記憶を取り戻したいというような気になり、再び、中古パンフレットを探すようになりました。

私が最初に映画パンフレットという存在を意識した「キングコング対ゴジラ」は、以前、ゴジラ映画の特集本の付録として、復刻版が発売されておりました。Photo こうした復刻版がどんどん出されたら全く問題は無いのですが、ポスターと異なり、なかなか発売されません。私は、内容がわかれば、初版とか、復刻版とかには全くこだわらないのです。東宝さんも出し惜しみせずに、すべてのシリーズを発売して欲しいものです。

 ところで、こうした収集には、オークションが欠かせません。これまで、怪獣映画黄金時代の2作品「地球最大の決戦」と「怪獣大戦争」は、オークションで、意外に手ごろなお値段で入手できておりました。後者のものはページが外れかかったものもありましたが、そこは入念に修復しました。3 4_3 そして、ついに、この時代を飾る傑作「モスラ対ゴジラ」のパンフレットをオークションでゲットいたしました。結構、高い値段でしたが、なにしろ状態がすこぶる良いのです。大変満足です。それにしても、内容を見ると、驚きです。併映は、仲代達也主演の「あり地獄作戦」なのです。内容も、見たことも全く記憶にありません。この映画は多分に岡本喜八監督の独立愚連隊シリーズにあやかって作られたものであり、出来も良くなく、子供心にも面白くなかったのだろうと自分に言い聞かせています。とこかく、一度見たいものです。

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2010年5月 9日 (日)

モルグル ロード

「モルグル ロード」とは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」に登場する、幽鬼の王の名前です。黒尽くめの衣装に黒い王冠を模った甲冑を身につけた姿は大変印象が強いものがあります。特に、第3作「王の帰還」では、翼竜「フェルビースト」に跨り、巨大な鉄球を振り回す活躍は、なかなか迫力がありました。もっとも、「人間の男には決して殺されることは無い」と豪語したとたん、ホビット(小人)や女騎士(人間の男ではない)にあっさりとやられてしまったのもご愛嬌で好感(?)が持てます。映画DVDのメイキングを見ますと、このモルグルの黒い衣装は、何重にも布を重ねて、重量感を出すようにした、衣装デザイナー苦心の作ということです。確かに、ピラピラのマントでは出せない、妖気を感じさせます。

ということで、映画「ロード・オブ・ザ・リング」に登場するモンスターで、サイドショウからスタチュー化(置物)されたものの中で、私が気に入った最後の逸品として、今回、「モルグルロード」を入手しました。オークション経由の中古品ですので、ややくたびれた感はありますが、それがかえって幽鬼にふさわしい雰囲気を出しています。・・・ともかく、「湖の番人」に次いで、これでコレクションも、やっと一段落です。どうぞ、ご覧ください。女騎士との戦いのシーンの姿を立体化しています。

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2010年5月 8日 (土)

ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲

貴重な休日なのに、なにを思ったのか、映画「ゼブラーマン2」を観て来ました。日頃からどうも体質的に合わない三池監督作品なのですが、前回、「ヤッターマン」ですっかり見直したこともあって、しかも、1作目の「ゼブラーマン」が、一応SF、SFしていたような記憶がありましたので、劇場に足を運びました。

うーん、前半までは、ゼブラー・クイーンの悪道ぶりに感心してました。この女優さん、あんまり知りませんが、CMでみる印象とは違い、スタイルは?と思いましたが、歌や踊りをはじめ悪役を頑張って演じている態度は好感が持てました。ただ、やはり、「ヤッターマン」の深キョンのボケ振りとスタイルの良さは素晴らしいと改めて思いました。

後半は、というより、ストーリーが悲惨です。ゼブラシティやゼブラタイムの設定の云々ではありません。結局、ゼブラ=シマウマに因んだ冗句「シロ、クロつける!!」をネタに話をでっち上げた感がします。そして、オチは、「丸く収めた」ということで、あのドッチボールの姿、というのは、いくらなんでも、観客を舐めすぎデス。あのラストで喝采を送る観客はいないと思います。ましてや、遠心分離機で、悪と善を分ける?合体がセックス?しかも、ストップザエイズのキャンペーン、このSF的な知的センスのなさにも驚きます。酒場のおっさんのジョークをそのまま映画化しています。脚本のクドカンさん、一体どうしたのでしょうか。・・・この映画に対しては、珍しく言いたいゾ、「料金1500円と時間を返せ。」と。

2010年5月 3日 (月)

ウルフマン

昔、私の若い頃、映画といえば二本立て公開が普通でした。それがいつの頃からか、一本ロードショー公開となってしまい、料金は高く、鑑賞時間は短くなり、ほぼ2時間程度で劇場を出ることとなります。思えば昔は、結構長い時間映画館に居たような気がします。

Photo_2 本日は、一念発起し、「アリス・イン・ワンダーランド」に引き続き、「ウルフマン」を観てきました。連休の間の至福の時間というべきだろうか。なんとか、体力は持ちましたが、目が疲れました。もう若くは無い・・・ことを実感します。

さて、この「ウルフマン」は、ユニバーサル・モンスター、往年の怪物映画「狼男」のほぼ完璧なリメイクです。しかも、この主人公の俳優さん、私はよく知りませんが、オリジナルのロン・チャーニーズ・ジュニアに似ています。しかし、アンソニー・ホプキンスが出てくると、美味しいところを持っていかれますねえ。

Photo_3 まあ、古典的なモンスター映画を最新の技術で復元しているもので、それなりに楽しめました。もっとも、よい点は、狼への変身が、メイキャップの名匠ジャック・ピアースの手によるオリジナルのデザインと同じく半獣半人で終わるところです。 完全に狼になってしまえば、怪物性が損なわれますし、もう一歩進んでも、熊にしか見えないという、本当のギリギリの人と獣の境界が難しいのです。この点、ジャック・ピアースのさじ加減は抜群です。いわば昔ながらの狼男を再現した映画であり、現在のジャック・ピアースとも言える、リック・ベイカーも、この大先輩の偉業にオマージュを捧げている仕事ぶりには好感が持てます。

なお、後半、ロンドンの街の屋根を疾走するシーンなどは、オリバー・リード主演の「吸血狼男」のシーンを思い出します。惜しむらくは、このあたり、やはり猿系の印象も受けますので、もう少し工夫が欲しかったというのは欲張りでしょうか。話し変わりますが、吸血狼男は、まだDVD化されていません。早くして欲しいものです。ちなみに、オリジナルの「狼男」はDVD化済みです。

ところで、パンフレットで始めて知ったのですが、「ウルフマン(Wolfman)」という言葉は、ユニバーサル映画のみで、いわば固有名詞的に使用されているもので、ほかの場合の狼男は、ワーウルフ(Werewolf)というそうです。そういえば、よく「人狼」と和訳していました。うん、本日はパンフレットを買った意味がありました。

アリス イン ワンダーランド

「アリス・イン・ワンダーランド」を観るのをためらっていたのは、まず、3Dであること、次に、贔屓のティム・バートンのハズレ作品ではないかと心配していたためです。なにしろ、前作の「散髪屋」のお話は悪趣味が爆発したようで大嫌いだったし、今回のテーマがあまりにバートンの世界にはまっているので、悪ふざけが過ぎる結果になっているのではないかと危惧していました。Photo  観終わった感想といえば、3Dがこれほど効果的に感じたのは初めてです。「アバター」では少しも魅力的に感じなかったのですが、こうしたお伽の世界では、立体感がより幻想性を高めます。空中に浮くチェシャ猫などは見事なものです。いや、立体効果だけではなく、バートンの描く世界は、そのセットや衣装の素晴らしさにため息が出ます。その世界を体験できるだけで見る価値があります。今回のバートン作品は、実写映画系では、「スリーピー・ フォロー」以来、久々の傑作になった、といったら叱られるのでしょうか。本当に、度の過ぎた悪ふざけや気色悪さもなく、久々に楽しめました。○。

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