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2010年4月27日 (火)

妻は、くの一 

このブログは、映画関係を主に書いていますが、今回は、風野真知雄作、時代小説「妻は、くの一」のお話です。あえて言えば、是非、映画化を。

スタンリー・キューブリック風に言えば、「私は、如何にして、この時代小説を愛するにいたったか。」となりますが、実は、「居眠り磐音江戸双紙」などの佐伯泰英の新作が出るまでの間、軽い読み物を探していて、この小説に行き当たりました。

Photo  まず、タイトルに惚れました。小池一夫原作の劇画に出てくるイメージです。男心をそそります。内容は、正反対ですが・・・。しかも、2作目以降の副題が素晴らしい。とりわけ6作目の「宵闇迫れば」にはうなりました。

次に、角川文庫の戦略に乗せられたのです。発売当初、第1巻から第3巻まで毎月発行されましたので、連続して楽しめると思いました。しかし、それ以降の巻は、完全な不定期発行なのです。しかも1冊のページ数が少ない。さらに、実際の発売日も遅いとなれば、いやが上にも、次の発行が待ちかねるのです。

もっとも、最大の理由は、その内容が面白いのです。当たり前のようですが、登場する人物がみんな変わっています。

 これまでの筋書きは、星が好きな変わり者と噂される、平戸藩の雙星彦馬の許に、突然、織江という江戸の女が嫁に来ました。そして、1月余りで忽然と姿を消したのです。どうやら、江戸の隠密だったとわかったのですが、彦馬は隠居し、跡目を親戚の雁二郎に譲り、消えた嫁を探して、江戸に出ます。実は、元藩主松浦静山が密かに彦馬を見込んでおり、そのことをうっかり人に話したところ、幕府の隠密が重要人物と勘違いして、くの一を彦馬の妻に送り込んだのです。江戸に着いた彦馬は、妻恋町に居住し、手習いの先生として生計を立てるのですが、静山とも知己を得て、様々な事件の謎解きに特異な才能を発揮します。さらに、養子の雁次郎まで江戸に出てきて、宴会芸の才能を発揮し、これも静山のお供をする始末です。

 一方、織江の方も、彦馬が忘れられず、変装して夫を見守ります。しかし、織江の上司が織江を妻に求めたため、母雅江とともに抜け忍となるのですが、追っ手との戦いの中で母を失い、織江はただ一人、宵闇順平などの凄腕の忍者と戦います。そして養子雁次郎の意外な正体や、母と静山との因縁、さらに、亡き雅江を菩薩様と呼ぶ変態気味の若き鳥居耀蔵も加わり、なかなか先が読めません。最新刊では、静山の娘静湖姫までもが彦馬に興味を抱くなど、新たな展開も見せ始めました。

 はたして、彦馬は織江と再び夫婦となれるのか、二人の運命はどうなるのか、なかなか気を持たせます。また、次々と街中に起こる奇妙な事件の謎ときなど、探偵小説的な要素もあります。全体に、ユーモラスな事件や行動で綴られており、気晴らしの読み物としては最高です。是非、お暇なときにご覧ください。

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