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2010年2月28日 (日)

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々

  「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」の映画をさっそく観てきました。こういった類の映画には目がなく、別に封切りの日に行かなくても、と我ながら呆れるのですが、年がいったせいか、いらいらと我慢が出来ないのです。おかげで、出掛けに車庫で車を擦ってしまいました。バチが当たった?いや、ヘイでした。(ヘタ!!)

Photo_3 さて、この映画は、アメリカで最近大人気の児童文学の映画化だけあって、徹頭徹尾、少年の冒険物語です。筋書きは、ギリシャ神話の流れのままで、メデューサ、ヒドラなどを退治していくという、いつか、どこかで見聞きした、手垢の付いた物語です。ハリー・ポッターの監督が手堅くまとめています。ともかく、オリンポスの神々が、ニューヨークに引っ越しており、エンパイアビルの上空にオリンポスがあるなどという設定を臆面もなく描くのは、やはり、アメリカ人の自分勝手さ、ある意味凄みを感じざるを得ません。しかも、メデューサは、ロードサイドの石屋のマダム。何しろ、石屋ときてすぐにはピンときませんでしたが、石化した人の像を並べているのですから、これは笑います。また、パルテノン神殿の複製が実際にアメリカに建設されているかどうかはわかりませんが、なんか、ありそうですよね。そして、ラスベガスが快楽の都、ハリウッドが冥界の入り口という、アメリカ・ギリシャ神話ツアーとも言えます。

この映画の見所は、唯一、ユマ・サーマン演じる、メドューサしかありません。頭を黒布で包み、黒のサングラスを掛け、黒革のオートクチュールを身にまとって登場するシーンは、息を呑みます。そして、頭の布を取ってのけると、無数の蛇がうごめく、ご存知、メデューサの顔になります。本物の蛇の映像からCG化した迫力は、なかなかのものです。大小、サイズや種類の違う蛇が、動めき、もつれ合う姿は、ユマ・サーマンの白い個性的な顔に良く似合っています。この生々しい本物の迫力には、さすがに「レイ・ハリーハウゼンのメデューサ」もかないせん。なにしろ、あちらは、蛇も顔も人形なのですから・・。ともかく、ユマ・サーマンといえば、「バロン」で美の神ヴィーナスを演じていたのですから、ひとしお感慨深いものがあります。あの後、バットマンの悪役、キルビルの主人公など、なかなか個性の強い役ばかり・・・。最近ではGガールですか?・・・ともかく、このユマ・サーマンの艶姿をご覧ください。

 それにしても、冥界の王、ハデスやメディーサ達悪役は、最新の服装ですが、オリンポスの神々や養成所は、昔ながらの鎧・かぶとです。なにか、意図があるのでしょうかネエ。最後に、俳優のせいか、ストーリーの設定のせいか知りませんが、どの神も人間以上に人間臭く、全く全知全能ではありませんね。(全知全能なら、盗んだ犯人はわかるし、自分で取り戻せるはず)・・・絶対神イエスと差別しているのでしょうか。

2010年2月15日 (月)

ガラスの仮面

 「のだめカンタービレ」に続き、少女漫画の話題を。

Photo  ご存知、「ガラスの仮面」です。現在、第44巻の単行本が発刊されていますが、実に、漫画連載が始まったのが、昭和51年というのですから、その長寿ぶりには驚きます。

 この漫画は、一見ぱっとしないが、実は演技の天才という北島マヤを主人公に、ライバルの姫川亜弓と、様々な演劇合戦を通じて、幻の演劇「紅天女」の主演を競うという、いわば、演劇版「巨人の星」、星と花形の対決なのです。巨人の星と違って長い連載を保っているのは、マヤの足長おじさんである速水真澄との恋愛要素があること、実在の人物を使ってないことなどが挙げられますが、実のところ、読み出したら、途中でやめられないほど面白いのです。本当に「止められない、かっぱえびせん」漫画なのです。

 私がこの少女漫画を知ったのは、昭和57年1月号の「花とゆめ」に掲載された、あるエピソードを見たからです。行きつけの中華料理屋には、この「花とゆめ」という少女漫画雑誌しか備え付けられていなかったので、料理を待つ時間の退屈さに耐えかねて手に取ったのです。多分、その店の娘のお下がりの本だったろうと思います。

そのエピソードとは、マヤがオーディションを受け、「毒」というテーマで演技テストを受けるシーンです。少女漫画ということで、読み飛ばしていたはずが、このエピソードに、完全にはまりました。以来、何十年も愛読しています。この話は、単行本の第22巻末から23巻初めに掲載されています。長いシリーズですが、このエピソードに勝るものはないと思っています。興味のある方は、ぜひご覧ください。

Photo_2 ちなみに、いまは、一日も完結することを願っています。さすがに、話がくどくなって、長いぞ!!

ところで、最近、「チョコレート・コスモス」という小説を友人に勧められて読みました。小説版「ガラスの仮面」なのです。実に面白く、感心しました。

かつて、ガラスの仮面は、大竹しのぶが舞台で演じていましたが、面白かったのかなあ? やはり、その面白さを実演で描くのは無理ではないでしょうか。そのことをこの小説の文章表現の旨さから改めて思いました。だって、パントマイムの良し悪しなどは、文章や絵など二次元の世界で、読者に想像させることが一番良いのですから。なぜなら、実演するなら、本当に天才の演技が必要になるからです。あったり前か。とはいっても、一度、映画化しないのかあ。月影千草役は、44巻の帯のとおり、夏木マリでかまいません。(笑)

2010年2月13日 (土)

のだめカンタービレ

2  「のだめカンタービレ」が終わった、といっても、映画のことではありません。原作漫画の単行本が第23巻をもって終了したのです。

 この漫画については、いわゆる少女漫画のジャンルのため、テレビ化による放送が始まって娘に教えられるまで知りませんでした。著者は、二ノ宮知子さんという方で、漫画業界の中で、どの程度有名な方かは知りませんが、この作品は、とてつもなく、ユニークで面白いものでした。

主人公は、ノダメという風変わりなピアノの天才少女。その少女の天使役の、これも天才指揮者のオレ様千秋、さらに、ドイツ人の女好きのマエストロが加わり、てんやわんやの破天荒な音楽喜劇を演じるのですが、その他の登場人物を含め、いずれも人物描写が面白く、「ギャボー」とか、様々な漫画的ギャグを駆使しているのですが、一層、漫画の魅力を引き立てます。中華料理屋の親父が良いし、音楽記者なども笑います。

しかも、このストーリーがなかなか味があります。全23巻を通して読みますと、その伏線の張り方が真に鮮やかです。とりわけ、ラスト近く、ノダメが鮮烈なデビューを果たすクライマックスなどは、まさに「ダンテ」の伝説を思わせ、この後、どうなるのかと、読者を惑わせた後、一転、小気味よく幕を閉じました。しかも、最後の最後に、かつてノダメにダメ出しをした女流ピアニストの先生を登場させて、かつての汚名を挽回させるシーンをさらりと描くなど、本当にこの作者は並々ならぬストーリーテラーです。

 ついでに言えば、ノダメの演奏に感想をいう千秋の台詞がうまいのです。当然、漫画のコマからは音楽など聞こえないのですが、その台詞の内容で、彼女の天才ぶりを読者が聞けるのです。・・・ここがこの漫画の醍醐味です。どこぞのTV食い歩きレポーターのコメントとは、一味違います。

 ところで、TV放送の2人の主役は、本当に原作のイメージにぴったりであり、特に、女優さんの方は、ノダメそのものの名演技ですし、男優の方は、その声が漫画のフキダシ(独白)にぴったりと収まります。TV放送中は、漫画と一緒に楽しんでいました。

 ただ、どうも納得できないのは、マエストロ役の竹中直人です。あの顔に、付け鼻を付け、金髪のかつらです。どうみてもチンドン屋か、道化師です。白人には到底見えませんし、いつものくどすぎる演技が、漫画の面白さをぶち壊しています。もっとも、ヨーロッパ現地でロケを敢行しても、出演する外人は、TVでおなじみの在日アメリカ人ばかり。まあ、漫画のTV映画化ですから・・・というプロデュ-サーの顔が浮かびます。

 そんあことないぞ、この漫画は、本当に一流の傑作だぞう。皆さんも、少女漫画を毛嫌いせず、一度この原作をお読みください。余りの面白さに感激しますよ。ついでに、ガラスの仮面もご覧ください。これも話せば長い物語となりますので、また、これは別の話ということで・・・。

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