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2010年1月23日 (土)

黒澤かぶれ

 最近、携帯電話のCMで、坂本龍馬に扮した武田鉄矢を見て、白い犬のお父さんが言います、「龍馬かぶれ」と。このCMではないですが、どうも、人間というものは、尊敬する人物に少しでも近づきたく、同じような格好をしてみたくなるようです。

 さて、私の尊敬する人は誰かといえば、若いときは間違いなく、映画監督の黒澤明でした。当時は、監督の人柄とか、人間性は全く知り得ませんでしたが、なにより、黒澤監督の作った映画、その作品を愛したのです。

 きっかけは、以前にこのブログで書いたかもしれませんが、「特攻大作戦」のパンフレットの解説に、黒澤明の「七人の侍」の面白さが書かれており、洋画ファンだった私に、この日本の監督の名前が刷り込まれました。その後、学校の映画研究部が主催する16mm映画の鑑賞会で念願の「七人の侍」を観たのです。教室の中で、音響も画質も悪い映写環境でしたが、その内容は、すべてが私の想像を超え、その面白さに打ちのめされました。芸術性も高く、しかも娯楽性も高い。完璧な映画でした。生意気盛りの洋画ファンで、邦画を見下していたのですが、すっかり黒澤ファンになりました。  

 ところが、当時は、今のようなビデオも無い時代で、黒澤監督の評論書もありませんでした。映画を観るどころか、どんな監督なのか、知ることも出来ませんでした。そうした情報に渇望した頃に手にしたのが、キネマ旬報社の黒澤明特集でした。Dscn9376 この本の巻頭に掲載された作品群の写真をあこがれをもって眺めたものでした。特に、「用心棒」や「椿三十郎」などのアクション系は、想像を逞しくしたものです。

その後、初めての黒澤明の本格的な評論集が出版されました。「黒沢明の世界」のタイトルで、何故か「澤」が「沢」と変えられています。(人の名前を勝手に変えるなヨ) Dscn9377 当時は、ほかに無いものですから、何度も読み返した評論ですが、著者の意図がなんか黒澤にケチをつけるような論調なのが気にかかりました。「七人の侍」を自衛隊の創設に結びつけたり、強引に政治的な意味付けをしている気もします。有名な評論家ですが、以後、この人の映画評論は余り読みません。

さてさて、その後、東宝出版社から、黒澤明の座右の銘といわれる「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」の言葉をタイトルにした作品写真集が発売されました。この本は楽しかった。そして、しっかり、この長い言葉を自分を座右の銘にお借りしたのです。このへんも、しっかり黒澤かぶれです。Dscn9375

 ここでやっと本題です。黒澤明は、晩年、ロシアで手に入れたというマリンキャップ(帽子)を愛用していました。よほど気に入ったと見えて、生地が破れると、神田の帽子屋で解体、仕立て直しを繰り返していたそうです。この帽子には、以前から注目していまして、似合う、似合わない、は別にして、いつか、似た帽子が欲しいと思っていましたが、やはり発売されました。黒澤明生誕100年とかで、値段が馬鹿高く、あまり価値の無い本も発売されているような気運も発売の背景にあるかもしれません。

Dscn9366さあ、写真をご覧ください。ちゃんと、商品名も「黒澤型マリン」となっています。ただ、念願の帽子を通販で手にいれましたものの、どうも、被る勇気がありません。うーーん、結局「黒澤かぶれ」にもなれそうもありません。

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