高山良策造型(その1)
このブログでも、何度も取り上げていますが、高山良策という造型家がいました。この方は、ウルトラQやウルトラマンの創世期の怪獣の着ぐるみを作り続けました。デザインは、別の人間なのですが、高山氏のつくる怪獣たちには、命が吹き込まれています。当時は、まだ優れた新しい材料もなく、昔からある素朴な素材で作っていたようですが、彼の手になってこそ、生物感あふれる、歴史に残る怪獣たちが生まれました。その証拠に、後年、同じデザインで作られた怪獣たちが、なんと無様で、不恰好な着ぐるみとなったことか、皆さん、誰でも思うことではありませんか。
特に、ビリケン社から発売されていましたウルトラ怪獣達の模型キットを制作してみると、そのオリジナルの凄さが良くわかります。ビリケン社のソフビのキット自体が大変良く作られていることもあって、本来の高山造型の凄さ・見事さを痛感するのです。
以前にご紹介しましたように、ビリケン・キット「ベムラー」を作りましたが、それ以来、ビリケン・キット作りの面白さと高山造形美の世界に病み付きです。
今回は、「レッドキング」です。ビリケンキットで、その体型のボリュームの大きさに圧倒されます。腕も太い、首も太い、そして、ゴムチューブを体中にまきつけたような生物にあるまじき肌をしてます。そして、全体的には爬虫類系のキングコングか、あるいは怪獣プロレスラーというイメージです。しかも、頭は小さく、よく見るとサルのような顔です。意外なことに、初代のレッドキングは、つぶらな黒目なのです。(白目がありません。)また、見方によっては、頭に昔の乳母の帽子のようなデゼインです。いやあ、この生物らしからぬデザインは、デザイナーの勝利ですが、そのデザインをリアルなものに創り上げたのは高山氏の功績でしょう。 それにしても、このキットは塗装に苦労しました。初代の体表は、青色系なのです。白くさえ感じます。しかも、金色も混じります。(名前とのギャップが大きいゾ。)手順としては、ブルー系とイエロー系で吹き分けながら、クリアーのイエローを筆塗りしました。まあ、こんなものでしょう。
さて、次なる高山造型への挑戦は、「アントラー」です。実は、こいつは、デザインは全く気に入りませんが、角や甲冑の生々しさの魅力に惹かれての選択です。すでに、キットの組み立て(素組み)まで終わりました。では、高山良策氏に見習い、製作過程の紹介です。 (おまけにレッドキングもどうぞ。)
その2の続編をご期待ください。
コメント