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2009年10月18日 (日)

カマキラス

最近、どういうわけか、昭和の怪獣が気になります。多分、近頃の新作DVDのせいでしょう。年甲斐もなく、少し辛口に本音を出しすぎたと反省しています。

ということで、今回の話題は、「カマキラス」です。東宝特撮怪獣映画の黄金時代の末期に製作された「ゴジラの息子」に登場する、その名のとおり、カマキリが巨大化した怪獣です。操演怪獣の傑作なのですが、カマキリそのままの姿のせいか、あまり人気がない怪獣です。

この映画では、その6本の足すべてを操演で動かすという、ただただ驚嘆するしかない、東宝特撮陣の底力を見事に映像化しており、とりわけ、顎の動き、鎌と槍の振り上げ方、羽ばたくジャンプ、軽快な歩行に伴奏するバックミュージックなどは、個人的にも大変気に入っています。特撮技術という視点からも、その存在と評価をもう少し見直すべきと思います。結局、カマキラスの不運は、ゴジラの子どもを出すような企画に登場したことなのでしょう。別のまっとうな怪獣映画だったら、もっと人気が出たのにと、大変残念に思います。それにしても、もっと操演技術を高く評価しましょう。コマ撮り撮影では絶対に出来ない、モスラの羽ばたき、キングギドラの3本首など、まさに絶品です。

Dscn90171 さて、このカマキラス、不遇なせいか、ガレージキットはあまり作られていないようです。有名なのが、ボークス社から発売された15cmぐらいの小型のタイプです。(左の写真)

このような状況の中、先般、アメリカのオークションに、30cmサイズのレジンキットが出品されておりまして、珍しさのあまりつい落札してしまいました。このキットは米国製のようですが、この巨大昆虫はアメリカでは人気があるのでしょうか。早速、組み立てに取り掛かりましたが、これがなかなか難しい。4本の細い足で、両腕を振り上げた体勢を支えるのが難しい。さらに、このキットは、ご丁寧にも、手足の体毛(?)まで付いています。今回は、途中経過ということで紹介したいと思います。といいますのも、複眼の塗装に失敗、(クリアを載せたら、下地の塗装が流出しました。)体毛の接着も断念です。Dscn91731 Dscn91811 Dscn91851 いずれ、再チャレンジします。ちなみに、写真は、未塗装、サーフェイサー塗装、そして今回の失敗バージョン塗装です。

2009年10月11日 (日)

ベムラー

「ベムラー」とは、TV番組「ウルトラマン」の記念すべき第1話に登場する宇宙怪獣の名前です。さすがに、第1話だけあって、ネーミングも立派です。昆虫型の宇宙人の代名詞「ベム」に、「ラ」=等の複数形を足しています(笑)。実際は、怪獣の名前らしく語尾をもじったのでしょうが、なんとも上手いネーミングです。

最近、昭和の怪獣にちなんだDVD等を観たせいもありまして、懐かしさの故か、ビリケン商会から発売されています怪獣キットを購入しました。ちなみに、ビリケン商会から発売されている商品は、どれもキット化に向けての選択のセンスとキットの出来が非常に良く、なかなか目移りがします。ただ、絶版ものも多く、中には、オークションで高値が付いているものもあります。

Img_0001 今回、ベムラーを選んだのは、その昔、少年漫画雑誌で、造型担当の高山良策さんの製作現場が紹介された特集があり、その中で、製作途中であったのが、「ベムラー」だったのです。この時の印象が強烈でした。この記事を、編集者の大伴昌司さんを記念して後年発売された特別編集版の中に発見したのは、うれしかったなあ。本当に懐かしいですねえ(写真参照)。ちなみに、この特別編(3集あります。)を観ますと、名編集者の大伴昌司さんの影響がいかに大きかったかが良くわかります。あのころの特集記事は、映画撮影の裏話や外国B級映画の紹介など、ビジュアルに工夫があって、本当に面白かった。Img_0002

Img また、「バルタン星人はなぜ美しいか」という怪獣デザイン論の解説本の著者によると、ベムラーの造型は、恐竜型のタイプとして、棘棘や細腕などの表現で画期的なデザインであるとのことです。少し大げざな気もしますが、まあ、お気に入りですから、全く異論はありません。

しかし、やはり、塗装は生き物で、難しいものです。ブラウン系の単色と舐めていました。なかなか、色の濃淡が表現できません。塗り重ねていく中で、結局、濃い茶色ずくめになってしまいました。うーん、失敗ですか?。ただ、今更ながらですが、つや消しスプレーは、よく振って使用することがうまくいくこつだと発見しました。Dscn91691 Dscn91711 Dscn91681 Dscn91721 Dscn91701

2009年10月 8日 (木)

ゲハラ

Img 「長髪大怪獣ゲハラ」のDVDが発売されました。先般、ブログに間違って書いてしまったように、私は、この映画?は某落語家さんの自主製作映画と思い込んでいたのです。ところが、天下のNHKの番組から生まれた怪獣映画というのです。正直、驚きました。しかも、平成時代の新しい怪獣映画の生みの親の一人、平成ガメラの樋口特技監督が製作総指揮というではありませんか、これは、認識を新たにせざるを得ないと、早速DVDを入手しました。

入手して、さらに驚愕です。本編はわずか21分。残り、80分ぐらいがメイキングのようなものです。これで、この定価は高い。ベラボーです。暴利です。もっとも、大河ドラマで稼いでいるNHKにとっては当然のことなのでしょうか。

ただ、内容が良いのなら、文句は言いません。ところが、本編は評価のしようがないぐらいの出来です。全編、予告編かと思いました。あくまで、NHKの番組のおまけというものでしょう。しかし、NHKも変わったものですナア。もう少し、まっとうな内容にして、販売して欲しいものです。

ところで、この製作に関わったみなさんは、特典映像のメイキングやトークを見る限り、昭和の怪獣映画へのノスタルジーに浸りきっています。往年の怪獣映画にオマージュを捧げるという趣旨のことなども話されていますが、この人たちは、そもそも「怪獣映画」ではなく、「怪獣」そのものが好きなのでしょう。着ぐるみを作ったことで満足してしまっています。まるで映画を創っている感じがしません。映画を創ろうとするなら、できれば、自分達の懐古趣味の発散ではなく、次代を担う子供達に向け、21世紀の新しい怪獣映画の創造への出発点にして欲しかったものです。この点が最も残念でした。特に、現在の状況は、ファイナル・ゴジラとファイナル・ガメラに、怪獣映画の息の根を止められたと明言した映画監督さんもいるのです(特撮映画雑誌に掲載)から、なおさらでした。

さらにいえば、この怪獣のデザイン自体、ゲゲゲの鬼太郎の大海獣にそっくりですね。なにも、毛のある怪獣は珍しくもありません。意図的にか、漫画のヒトコマにそっくりなシーンも作っていました。

特撮も、伝統の着ぐるみの怪獣が家やビルを(火薬で爆破して)破壊するのです。・・・最近、山崎監督が「続ALWAYS」で、CGゴジラが家を(槌で叩き)壊す特殊撮影を試みたことが、いかに斬新であったか、改めて思いました。(普通の家やビルの中には火薬はないですよね?)

それにしても、目玉が豆電球で黄色く点灯しているのは、懐かしさを通り越して、なんとか再考はできなかったものか、と思います。実際、往年の怪獣映画を茶化されているような気にもなりました。今回、製作に関わった怪獣ファンの有名人達の、このような姿勢を観るにつけ、日本の怪獣映画の夜明けは遠いですなあ。先日、20世紀少年の第三部のラストに、わずかな光が見えたのを、クモの糸として、若い優秀なクリエイターの出現をお祈りしましょう。・・・怒れる昭和の怪獣映画ファンでした。

2009年10月 4日 (日)

タイタンの戦い(その3)

レイ・ハリーハウゼンの最後の作品「タイタンの戦い」がリメイクされるというお話が、ある映画雑誌に載っていました。その真偽のほどは、確かめようがないのですが、ハリーハウゼンの映画としては、作品的にあまり出来の良いものではないものにもかかわらず、こうした動きがあること自体、やはり、彼のファンタジー映画の人気のほどの証だと思います。

この映画には、ストーリーのだるさとか、ストップモーション技術の衰えとか、マッチョな主人公のクドサさなど、様々な欠点がありますが、あの蛇の下半身を持つ「メデューサ」を登場させただけで、大きな評価を与えることが出来ます。

丁度、このメデューサのジオメトリック社のソフビキットの塗装が完成しましたので、ご披露したいと思います。実は、このキットは、ヤフーのオークションに組み立て済みの未塗装の形で出されていたのを一目ぼれして入手したものです。本来、このキットは少し体が斜めになるのですが、前の持ち主の方が、きりりと垂直に立っている姿に組み立てていたのです。

しかし、塗装となると、やはり難しいものです。思うようにはいきません。基本の色彩設定が間違ったようで、青色系ではなく、いつもの緑系になってしまいました。(別メーカーのキットですが、これまでに何体も塗っています。)ただ、頭の蛇については、映画オリジナルのとおり、一匹一匹、体色を分けました。(映画では全然わかりませんが、撮影に使った模型写真を見ると色分けしているのです。)塗り方は、シルバーのラッカー系塗料をエアブラシで吹き、その上から、エナメルのクリアー系塗料を被せ、蛇の文様をそれらしく、大雑把に筆塗りしました。思った以上に、蛇腹や口の中の表現がうまくいったような気がします。ただ、やはり、根気が続かず、塗りにムラがあるのが最大の欠点です。とりあえず、弓弦は省略していますが、無い方が見栄えがしますので、そのままで完成です。Dscn91561 Dscn91611 Dscn91631 Dscn91661 Dscn91581

ところで、リメイク作品には、できたら、サソリとか、ヒヒとか、ありきたりの生物を巨大化したものではなく、オリジナルの造型美のモンスターを多数登場させてもらいたいものです。優れたデザインの創造物は、作品がこけても永遠に残ります。

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