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2009年9月 6日 (日)

バラッド 名もなき恋のうた

Img 「バラッド BALLAD 名もなき恋のうた」、私は、この映画を創った山崎貴監督のファンです。「ジュブナイル」「リターナー」「ALWAYS 三丁目の夕日」、その続編と、この監督の作品は、それまで邦画では見たことのなかったVFXを駆使した楽しい作品でした。「ジュブナイル」は、子供向けとはいえ、未来から送られてきたロボットを中心としたなかなか凝ったストーリーのSF作品でした。「リターナー」も、未来から来た娘が活躍するアクション映画です。「ALWAYS」は、映画を見る観客全体を昭和の時代にタイムスリップさせるような映画でした。そして、極めつけは、その続編で、全身CG製のゴジラを復活させたのです。

いずれも、類まれなVFX技術とセンスを生かした映画でした。その監督が、時代劇を撮るときいて、期待しないわけにはまいりません。しかも、「ラストサムライ」のリアルなセットの撮影現場を見て、触発されて作ったと聞きましたので、どのような画期的な時代劇ができるか、大きく期待が膨らんだのです。

さらに、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦」が元ネタであると聞いても、その期待感は少しも揺らぎませんでした。面白いじゃないか。クレヨンしんちゃんの一連の映画化は、「大人帝国の逆襲?」なども含め、下品なギャグは別にして、ストーリー的には、結構秀作もあるという声も聞きます。しかも、山崎監督得意のタイムスリップものです。これまでに見たことのない時代劇、合戦シーンなど、ハリウッドのCG製にも負けないような映像になるだろうと、密かに思い描いていました。

しかしながら、やはり、ハリウッドと比べて、資金力がちがうのでしょうか、合戦の迫力がまるでありません。かつて黒澤明が言いました、100人の数を映像で表現するなら、その倍のエキストラを集めて撮ることが秘訣だと。どうやら、課題はその辺の演出力なのでしょうか、兵士の数が少なすぎます。まばらで、まるで迫力がありません。「ロードオブザリング」とは言いませんが、せめて、「レッドクリフ」並にはしてほしかった。今の観客は、最近の豪華絢爛なCG映像に見慣れており、目が肥えているのです。

しかも、従来の竹光に変えて、新たなプラスティックの槍や薙刀の小道具開発は良いことですが、本番で穂先が曲ったまま戦う映像になったら興ざめです。あの変てこなシーンには、一気に引きました。細部にも十分気をつけてほしいものです。

最後に、スト-リーが、やはり子供向けなのでしょうか、あれだけの合戦で人も多数死んでいるのです。そのへんの悲惨さがストンと抜け落ちています。この点の描写については、やはり「逃げる」べきではないでしょう。描き方はいくらでもあるとおもいます。また、当時の人達の意識がすこし現代過ぎるというのは、言い過ぎでしょうか。普通、怪しげな器具(携帯電話)を使ったりしたら、妖怪扱いされるべきでしょう。この辺ももう少し工夫をして欲しかったものです。主演者の演技などについては批評は控えます。それより、香川京子が出演されているのがうれしいことです。パンフレットによると、山崎監督が彼女のファンで直接依頼したとか。実は、私もファンなんです。年をお召しになったとは言え、やはり美形ですなあ。(ありがたいことです。笑)

ところで、BALLADというのは、「素朴な民間伝承の物語」という意味だそうですが、何故、時代劇なのに、英語表記をするのでしょうか。この感覚は、全く判りません。厳しい意見になり、申し訳ないことですが、もう少し、時間をかけて時代劇をしっかり勉強していただいて、次回は、是非、21世紀の時代劇を作って欲しいものです。

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