「フライトナイト」のエイミー
映画「フライトナイト」に登場するヒロイン「エイミー」のレジンバストキットが、ジオメトリック社から発売されています。このエイミーは、ご存知のとおり、ラスト近く、吸血鬼の手に落ちて、あっと驚く変身を遂げるのですが、その変身後の姿を彫像にしたものです。まあ、悪趣味的な感じもしますが、あの衝撃の姿を再現したものですから、笑って見てください。
まずは後姿です。この俳優さんは、映画では、大学生の役です。ところが、ボーイフレンドの隣に引っ越してきた吸血鬼の想い人(恋人)に生まれ変わりと思われるほどそっくりだったことから、その毒牙に堕ちるという設定(ドラキュラ物の定番です。)です。が、その容姿は、いたって「隣のおねえちゃん」風なのです。とても、不死の吸血鬼が何世紀もの間、その面影を捜し求めるというほどの美貌ではありません。第一、若すぎます。完全なミスキャストです。
もっとも、最後のあんな恐ろしい(笑い)メイクをしなければならないと思うと、役に手を上げる女優がいなかったのではないかとも疑いたくなりますが・・。
さて、この映画は、公開当時、吸血鬼映画分野のニューウエーブの一つであり、結構、傑作の部類に入る作品なのです。現代的で、コミカルであり、斬新な映像、モンスターの造型にも感心しました。CGが無い時代でありながら、狼や蝙蝠への変身シーンでは特殊メイクが効果を上げています。何しろ、指が伸びて、蝙蝠の羽になるというのは、骨格的に正しいのですから・・・。しかも、古典の吸血鬼映画のお約束をきちんと踏襲しています。吸血鬼に3回咬まれる前に、ご本尊が滅びれば、被害者が助かるという設定などです。このエイミーは2回咬まれていますが、夜明けまでに吸血鬼が滅びれば、命は助かります。・・さあ、ご覧ください。
どうです。いわゆる、「口裂け女」といわんばかりのイメージです。これが襲ってくるのですから、映画を初見したときは、こわいやら、わらえるやらで、ただ驚きました。ところで、このモデルの塗装には、苦労しました。胸のあたりがガイアノーツの肌色系の塗料で塗った第一段階のままなのですが、顔や髪については、2回ほど塗りなおしました。どう塗っても、ぴたっと落ち着かないのです。
結局、エナメル塗装での上塗りは断念。ガイアノーツ塗料のみでの濃淡処理です。髪は、金髪用塗料を白色系で彩度を落としました。しかし、「てかり」がどうしても取れません。クレオスのつや消しでは、無理なのでしょうか。どなたか、ガイアノーツ塗料の効果的なつや消し剤をご存じないでしょうか。
もっとも、この出来は、塗料のせいだけではないようです。そもそも、この造型自体に無理があるようです。まず、第一、映画の姿に似ていないゾ。さらに、口の開け方がデフォルメに過ぎるなど、モデルキットのデザインが良くないと評価せざるを得ません。キット製作には定評のあるジオメトリック社製にしては珍しいことではないでしょうか。その証拠に、反対側からの写真をご覧ください。なんか、情けないような風情ですよネ。
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