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2009年7月31日 (金)

個人趣味映画

先日、落語家さんが趣味で作った怪獣映画をDVDで見ました。この方は、以前、ガメラ4も作ったということで、その折は、その道の好き者として大変敬意を表しました。もちろん、そのときは、公開もされませんでしたので、どんな内容かも知りません。ただ、平成ガメラの続編を見たいというファンの一人として、個人で映画を作られたことに感心したのです。

もともと、すいぶん昔のことですが、友人が特撮8mm映画を作っていたのに、いっとき参加したこともあって、おおいに頼もしく思ったのです。

しかしながら、今回の映画、タイトルが「深海獣 レイゴー」というのですが、なんと劇場公開され、DVD化までされました。有名な脇役ばかりあつめて、怪獣や妖怪などの造型で有名なスタッフで作っています。当然、お金を取って、人様に見せるのですから、もう個人映画ではありません。きちんとした商業映画だろうと思って、DVDを買いました。

ストーリーは、太平洋戦争中に、戦艦大和が、海の未知の巨大生物と戦う、という設定には、なんとも面白いと思いました。時代劇で怪獣を出すように、新たな視点に期待したのです。

Img_0002 しかし、見てびっくり、もう酷い出来です。安手のCG製の戦艦ヤマト、ゴジラの顔を持つ古代サメか、エイのような怪獣、龍のような魚、素人の思わせぶりな演技、わけのわらかないストーリーや作戦などなど、とても通常再生モードで正視できるものではありません。

この映画が個人趣味映画としてなら、何も言うつもりはありませんが、劇場公開映画としての点数は、零号ならず、零点(レイテン)としか、言いようがありません。次回作は、髪のある怪獣とか、落語家さんだけに、発想はユニークなのですね、しかし、どうなのでしょう、あまり、純情な特撮怪獣映画ファンに期待を抱かせないで欲しいものです。

そして、どうせなら、「シャレですよ、シャレ。」なんて言いながら、長年の夢の対決、ゴジラ対ガメラを製作して欲しいものです。

2009年7月19日 (日)

S&W モデル2アーミー

「S&W」とは、Smith &Wessonという、アメリカの銃器メーカーの名前です。この有名なスミス&ウェッソン社が1861年頃に発売した短銃の名が「モデル2 アーミー」なのです。この銃は、これまでのパーカッション式の銃弾ではなく、現在のような薬莢方式の画期的なタイプでした。このような歴史的な名銃のモデルガンが、かつて、モデルガンメーカーのマルシン工業会社から発売されていました。現在は、絶版です。

Dscn9022 左の写真がこの銃なのですが、どこぞで観たことはありませんか?そうです、あの黒澤明の名作「用心棒」に登場する卯之助が使用している短銃なのです。仲代達矢扮する卯之助が、ふくろ手でこの銃を構えた姿のかっこ良さは、忘れられません。完璧主義者の黒澤監督が、本物の銃で空砲を使って撮影したという逸話まで残っています。本当の話でしょうか。その真偽は不明ですが、劇中ではなかなかの活躍ぶりです。卯之助のマフラー、着物の裾とともに、名脇役を演じています。

なお、この銃には、実際には、先行発売されたモデル1と、モデル1 1/2が存在するそうですが、ほぼデザインは変わりません。(ひょっとしたら、用心棒に登場する銃も、タイプ1の類かもしれません。真偽のわかる方は、是非教えてください。)この銃のサイズは、案外小さいのです。結局、大柄なアメリカ人の手には小さすぎたのでしょうか、後世の短銃は結構大型化します。一方、仲代達矢の手には丁度の大きさに見えます。実は、この俳優さんは、映画では長身に写っていますが、それほど大きな方ではありません。頭身のバランスが良いのでスクリーンでは大きく写るのでしょう。一度、池袋でお見かけし、握手してもらった経験がありますので、自信をもって断言できます。どちらかというと、モデルのようなほっそりとした体つきです。

また、私がモデルガンを持つほど、この銃にこだわるのは、時代劇に登場できる連発短銃としては、幕末時期までの最新型だからです。通常の時代劇では、西部劇に出て来る大型シリンダーをもつ連発銃が平気で使われているのですが、幕末には、まだそういった銃は製造されていませんので、時代考証的にはまったくあり得ないことなのです。西部劇においても、三流のひどいものになると、南北戦争時代において、そういった銃が登場します。特に、マカロニウエスタンにはよくあるようですが、アメリカ人にとっては、国定忠治がマシンガンを持って暴れ回るような話だと、故淀川さんが何かの評論で書いていたのを思い出します。(ホントか?)

ところで、この銃は、もう一つ、坂本龍馬が持っていた銃としても有名です。来年は、NHKの大河ドラマで「龍馬伝」が始まります。これを機会に、かつて、一度発売されたことがあるという幻の「モデルガンでない銃=ダミーカート方式のディスプレイモデル」の復刻版が再発売されることを期待しています。(発売元は、ブレインズ・レプリカ社とのことです。)

ノウイング

映画「ノウイング」には驚きました。予告編で、ニコラス・ケイジ主演のパニック映画と思っていたのですが、とんでもなく、ばかばかしく、あきれた設定の与太話でした。まあ、予告編に、しばしば登場する、飛行機の墜落シーンなどは、多分たっぷり金を掛けたCG映像であり、それ自体は見応えはありますが、結局それだけのものです。

50年前、ある少女が書いた数字がびっしり記された紙切れの謎など、前半のサスペンスは、なかなか盛り上がりましたが、設定のネタが割れたとたん、ちゃぶ台をひっくり返したくなります。しかも、いきあたりばったりの展開に加えて、設定そのものも、細部を含め、全く辻褄も合いません。あきれたまま、ラストを迎えることになるのです。

どうして、こんな馬鹿馬鹿しいストーリーに、欧米人は、カネをかけるのでしょう。1/10の予算があれば、もう少し、まともなSF・パニック映画が作れると思うのですが・・・。正直なところ、マナー違反であっても、この映画のストーリーとネタばらしをし、善良な映画ファンに警告を発したいものです。映画になぞらえれば、「367」と記すべきでしょうか。(笑)

ともかくも、災害シーンの特殊撮影映像だけを純粋に楽しめる方だけに、お勧めの映画です。

2009年7月12日 (日)

崖の上のポニョ

Img 先日、DVDが発売されて、やっと映画「崖の上のポニョ」を見ました。劇場公開中は、何故か、劇場に足を運ぶ気がしなくて、未見のままでした。主人公の年齢が一挙に下がり、いつもの少女を主人公にした宮崎駿の作風と違和感があったのです。

もっとも、公開中の噂では、子供達にとても人気があったとか、覚えやすい歌とともに、上々の人気だったそうです。

さて、感想といえば、まず、単純なストーリーに驚きました。まるで古典的なディズニー・アニメ映画の筋書を髣髴させるほどのシンプルさです。そして、幼い子ども達の幼い恋の物語。あとは、いつもの魔法の世界で、人間と異界の者への差別もなく、というか、細かいことは気にしないような、大らかな人々が暮らす世界です。ふつう指が3本になったり、半魚人であったりしたら、驚愕しますよね?しかし、この世界の住民は、誰も気にしないのです。いや、正確には、一人の意地悪婆さん以外は、誰も気にしないのです。映画を見ている方が、ポニョの正体がばれたときのリアクションを想像して、はらはらし通しでした。これが今回のメッセージなのでしょうか?

それにしても、映画のラスト以降の子ども達の関係が心配です。こんな単純でいいのでしょうか。心配です、あの「卒業」の二人の行く末のように。・・・言い過ぎでしょうか。

8マン

「8マン」、読み方は「エイトマン」。ご存知、平井和正原作、桑田次郎作画のSF漫画です。少年マガジンに連載されていたのですが、鉄腕アトムや鉄人28号とは違い、スタイリッシュでアダルトな内容でした。殉職した刑事がロボットとなって甦るのですが、単なる少年漫画のように、何の疑問もなく大活躍しないのです。この超人となった主人公は、人間で無くなったことを悩み続けます。ヒロインの幸子さんにロボットであることを隠すこともしなければなりません。また、このロボットは、電子頭脳の熱を冷ますために、定期的にタバコ(強化剤)を吸わなければなりません。大人になって、ロボットにタバコを吸わせた原作者の気持ちが良くわかります。(笑)

この漫画の魅力は、まず、桑田次郎の絵が凄くうまい。・・と思います。私の美男、美女である基準の原型の一つになりました。(笑) 逆にいうと、この桑田デザインの呪縛からまだ脱していないのかもしれません。なにしろ、昔からいたずら書きをノートに書くと、何故か、主人公や幸子さんの横顔になります。(笑)

そして、この漫画のもう一つの魅力が、ハードなストーリーです。なにしろ、シリーズ途中から、先端科学が生み出した魔女、超能力者、最後は、錬金術の魔人まで、SFというよりホラー系のモンスターが登場します。この辺は、後に小説「狼男だよ」を生み出すこととなる平井和正の力なのでしょう。

さらに、登場する悪役のかっこよさも特筆すべきです。同じロボットの007(ゼロゼロナナと読みます。)、悪の科学者ゲーレン、纏っているマントに憧れました。それ以上に、端役の三下、プロの殺し屋達も魅力一杯です。ナイフ投げのナイフの形状には、いまでも憧れます。

Img_0001 しかし、この8マンには何故か、不運が続きます。結局一部の熱狂的なマニアは存在しますが、鉄腕アトムのような国民的な人気は得られませんでした。桑田次郎が拳銃不法所持で逮捕、当然ながら、連載は中止。主人公の名前が、東八郎というのも、今から見れば情けない。幸子さんも、恋愛面では、幸が薄そうでした。ストーリーもみんな死んだり、ハッピーエンドがなかったような気がします。この数年前に、未完部分を書きたして、完全版として発行されましたが、往年の絵のタッチは見る影もなく、挿絵風の別物となっていました。それでも、その後のストーリーがわかってうれしかったものです。

Dscn9055 ところで、何故、いまさら懐かしの「8マン」かというと、実は、ビリケン製の8マンのソフビ・フィギュアを購入したのです。このモデルは、結構、人気があって、絶版後、入手困難でしたが、オークションで偶然入手しました。すこし可愛いのが欠点ですが、まあ雰囲気が出ています。

なお、「エイトマン」というのはTVアニメの題名です。テーマソングが好きで、かつては、ソノシートなども持っていました。その表紙の、00七とのデザインが忘れられません。連載漫画の特集号の表紙のデザインの凄さも忘れられません。最近、TVアニメのDVD化が発売されていますが、とても、その映像を見る勇気はありません。静止画の多用など安っぽく正視できる出来ばえでない筈です。美しい想い出はそっとしておきましょう。

Img_0002_2 実は、関連して、「キング・ロボ」や「エリート」の話題も提供したいのですが、それはまた別の機会にしましょう。そして、小説家に転身した平井和正の「サイボーグ・ブルース」や「幻魔大戦」などは、実写の映画化してもらいたいものです。というのも、どうもてみても、「ロボコップ」は、8マンの剽窃でしょう。(きっぱり)しかし、あそこまで、完璧に実写化されると反発もなくなります。もっとも、これだけCG技術が進歩すれば、もうそろそろ本来の8マンの映画化を試みて欲しいものです。超スピードでの動きをどう映画で表現するか、想像するだけで楽しいものです。

2009年7月 5日 (日)

「フライトナイト」のエイミー

Img_0004 映画「フライトナイト」に登場するヒロイン「エイミー」のレジンバストキットが、ジオメトリック社から発売されています。このエイミーは、ご存知のとおり、ラスト近く、吸血鬼の手に落ちて、あっと驚く変身を遂げるのですが、その変身後の姿を彫像にしたものです。まあ、悪趣味的な感じもしますが、あの衝撃の姿を再現したものですから、笑って見てください。     

Dscn90521まずは後姿です。この俳優さんは、映画では、大学生の役です。ところが、ボーイフレンドの隣に引っ越してきた吸血鬼の想い人(恋人)に生まれ変わりと思われるほどそっくりだったことから、その毒牙に堕ちるという設定(ドラキュラ物の定番です。)です。が、その容姿は、いたって「隣のおねえちゃん」風なのです。とても、不死の吸血鬼が何世紀もの間、その面影を捜し求めるというほどの美貌ではありません。第一、若すぎます。完全なミスキャストです。

もっとも、最後のあんな恐ろしい(笑い)メイクをしなければならないと思うと、役に手を上げる女優がいなかったのではないかとも疑いたくなりますが・・。

さて、この映画は、公開当時、吸血鬼映画分野のニューウエーブの一つであり、結構、傑作の部類に入る作品なのです。現代的で、コミカルであり、斬新な映像、モンスターの造型にも感心しました。CGが無い時代でありながら、狼や蝙蝠への変身シーンでは特殊メイクが効果を上げています。何しろ、指が伸びて、蝙蝠の羽になるというのは、骨格的に正しいのですから・・・。しかも、古典の吸血鬼映画のお約束をきちんと踏襲しています。吸血鬼に3回咬まれる前に、ご本尊が滅びれば、被害者が助かるという設定などです。このエイミーは2回咬まれていますが、夜明けまでに吸血鬼が滅びれば、命は助かります。・・さあ、ご覧ください。

Dscn90511 Dscn90491

どうです。いわゆる、「口裂け女」といわんばかりのイメージです。これが襲ってくるのですから、映画を初見したときは、こわいやら、わらえるやらで、ただ驚きました。ところで、このモデルの塗装には、苦労しました。胸のあたりがガイアノーツの肌色系の塗料で塗った第一段階のままなのですが、顔や髪については、2回ほど塗りなおしました。どう塗っても、ぴたっと落ち着かないのです。

結局、エナメル塗装での上塗りは断念。ガイアノーツ塗料のみでの濃淡処理です。髪は、金髪用塗料を白色系で彩度を落としました。しかし、「てかり」がどうしても取れません。クレオスのつや消しでは、無理なのでしょうか。どなたか、ガイアノーツ塗料の効果的なつや消し剤をご存じないでしょうか。

もっとも、この出来は、塗料のせいだけではないようです。そもそも、この造型自体に無理があるようです。まず、第一、映画の姿に似ていないゾ。さらに、口の開け方がデフォルメに過ぎるなど、モデルキットのデザインが良くないと評価せざるを得ません。キット製作には定評のあるジオメトリック社製にしては珍しいことではないでしょうか。その証拠に、反対側からの写真をご覧ください。なんか、情けないような風情ですよネ。

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