「トランスフォーマー」の第2作目「リベンジ」を見ました。第1作の際は、機械生命ともいえる異星人が地球を守る善と地球を滅ぼす悪の二派に分かれて、地球上で戦うという設定世界に、なんとも馴染めずに興ざめな印象を受けました。もっとも、映画は予想どおりヒットしましたようで、今回、第2作目ができたことは喜ばしいことです。
さて、2作目の出来は、なかなかの水準です。第1作目のように宇宙人らがくだらなさ過ぎるギャグや行動を連発するというような演出は一定抑えられているうえに、この手の映画の目玉となるアクションがなかなか論理的に進みますので、好感をもちました。なにしろ、前作は、唐突に格闘などが行われたり、無駄なエピソードが塗され、ストーリー的に盛り上がらなかったという気がしました。(まあ、今回も母の行動の描写等はなんとか許容の範囲でしょうか?)
「リベンジ」では、前作に引き続き、敵役の悪異星人が出るとともに、その上の悪の大親分までが登場します。さらに、変異体がさらに巨大になり、様々なタイプも数多く登場します。蝿ぐらいの大きさのものや虎の様なタイプ、さらには大怪獣も出現します。しかも、何千年も前から異星人が地球に潜んでいたという設定もあり、隠れていた老兵、そして人間にそっくりなタイプも現れるのですから、自然に盛り上がります。とりわけ、最後にはヒロインに懐く、ペットのような小型タイプには思わず笑います。また、前作でなんとも困った敵役を演じた某機関の幹部が今回、意外な形で参加し、その名誉を回復するほどの活躍ぶりです。こうしたエピソードは大いに評価したいものです。
なお、SFXは、さらにパワーアップし、見せ場はたくさんあります。前回より格闘シーンがスムーズに見えたのは技術が上った証拠でしょうか。といっても、観劇後、若い人が「途中で目が痛くなった」と言っていたのもわかります。あの機械部品で複雑に構成された体が変形して凄いスピードで動き回るわけですから、やはりよく見えないのは事実です。ただ、今回のアクションシーンは派手ですが、一定の合理性がありますから、納得できます。そのせいもあるのでしょう。
また、舞台も、上海、アメリカ、パリ、エジプトと大幅にスケールアップしています。大怪獣のような異星人がピラミッドを破壊するシーンは見ものです。飛来した異星人が空母に衝突し、沈没させる場面も驚嘆します。怪獣映画の次世代版を見せ付けられる思いです。本家日本映画の奮起を望みたいと思います。
しかし、今回の勝因は、やはりストーリーです。謎を追う形の冒険談になっています。先の見えない展開がスリルを加速させるのです。「映画は脚本で決まる」という基本を思い出させてくれました。DVDの発売がいまから楽しみです。舞台裏を早く見たいものです。ちなみに、パンフレット(600円)には、本当に失望しました。何も情報が載っていないのです。まったく「金返せ」と言いたいくらいです。
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