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2009年5月24日 (日)

鴨川ホルモー(原作版) 

Img 映画「鴨川ホルモー」の原作である小説を読みました。著者は、万城目 学と書いて、「まきめ まなぶ」と読むそうです。私頃の世代になると、万城目というと「まんじょうめ じゅん」が主人公のウルトラQを思いだします。著者のペンネームの由来を知りたいものです。(余談でした。)

さて、原作の感想ですが、まず、読んでいて困ったのが、登場人物の顔が映画の役者に見えるのです。やはり、原作は、映画の前に読むべきでした。もっとも、そうすると、映画の筋がわかってしまい、逆に映画が面白くなくなるのかも知れません。うーん、悩むところです。(これも余談です。)

比較した結論から言うと、映画の不満は、すべて原作で明快に説明できているということでした。①ちょんまげ役の第1回戦での不可解な行動を映画のように生来的な心の弱さとするには、役の設定的に無理があります。原作のように、ここ一番の、単純な失敗・・・の方がわかりやすい。②栗山千明役の姿や生活が原作ではそれなりにきちんと描かれている。そこをきちんと描いてこそ、後半の活躍に納得性が出るのです。③映画のような大風呂敷の風船オニは原作にはありません。もっと、それぞれの戦術や戦いの姿をきちんと描いています。この細かな描写こそが大事なのです。「七人の侍」の合戦をの描写をみてもらいたいものです。④やはり、オニ語は、小説の中でこそ、読者が想像力を働かせるものなのでしょう。この点は、映画としてはなんとも気の毒なことです。

映画化には、①から③が抜けていました。ここが残念なところです。もっとも、これだけ文句を並べていますが、最初に書いたとおり、役者がなかなか適役だったということは、結局、映画も水準以上だったということでしょう。最後に、この映画の興行成績はどうだったのでしょう。製作者が「ホルモー」と絶叫していないことをお祈りしています。

 

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