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2009年5月24日 (日)

黄色いロールスロイス

Img_2 「黄色いロールスロイス」のDVDを購入しました。この映画の名前は、若い頃、故淀川氏が、スクリーンという雑誌の評論で、小粋な喜劇という風に紹介(褒めて)していた記事を見て以来、気にかかっていました。丁度、主演のレックス・ハリソンがロールスロイスを眺めている小さな写真が載っていたことを覚えています。最近のことはますます覚えが悪くなっていますが、そんな大昔のことは良く覚えています。当時は、ビデオなどもなく、本日まで結局数十年間一度も見ることなく、忘れていましたが、今回、やっと見ることが出来ました。

題名にあるとおり、一台の黄色いロールスロイスをめぐる、男と女の人生悲喜劇模様を小粋に描いた三つの物語です。このまったく違う場所で起こる話をつなぐ狂言回しが黄色いロールスロイスなのです。英国の名車ロールスロイスは、壊れない優秀な車という絶大な自信と古きよき時代への憧れがこの映画を作らせたような気がします。第一、主演の俳優達が凄い豪華メンバーです。1話目が英国貴族のレックス・ハリソンとジャンヌ・モローの夫婦の話。2話目がイタリア旅行中の大物ギャングが、ジョージ・C・スコット、その女がシャーリー・マクレーン、さらに女に言い寄る色男がアラン・ドロンという豪華さ。3話目が、イングリッド・バーグマン扮する有名未亡人と地元の男オマー・シャリフの出会いの物語です。

いずれも、コミカルに豪華に描いています。上質の舞台劇を見るような気になりました。いまでは「こんな映画は二度とつくれない」という宣伝コピーは、そのとおりでしょう。もはやクラッシク映画の中でしか存在し得ない、古き良き上流階級の世界と、なんとものんびりしたほのぼのした空気が満ち溢れています。あの優雅な雰囲気はCGでも作れません。未見の方は、是非、ご覧ください。

鴨川ホルモー(原作版) 

Img 映画「鴨川ホルモー」の原作である小説を読みました。著者は、万城目 学と書いて、「まきめ まなぶ」と読むそうです。私頃の世代になると、万城目というと「まんじょうめ じゅん」が主人公のウルトラQを思いだします。著者のペンネームの由来を知りたいものです。(余談でした。)

さて、原作の感想ですが、まず、読んでいて困ったのが、登場人物の顔が映画の役者に見えるのです。やはり、原作は、映画の前に読むべきでした。もっとも、そうすると、映画の筋がわかってしまい、逆に映画が面白くなくなるのかも知れません。うーん、悩むところです。(これも余談です。)

比較した結論から言うと、映画の不満は、すべて原作で明快に説明できているということでした。①ちょんまげ役の第1回戦での不可解な行動を映画のように生来的な心の弱さとするには、役の設定的に無理があります。原作のように、ここ一番の、単純な失敗・・・の方がわかりやすい。②栗山千明役の姿や生活が原作ではそれなりにきちんと描かれている。そこをきちんと描いてこそ、後半の活躍に納得性が出るのです。③映画のような大風呂敷の風船オニは原作にはありません。もっと、それぞれの戦術や戦いの姿をきちんと描いています。この細かな描写こそが大事なのです。「七人の侍」の合戦をの描写をみてもらいたいものです。④やはり、オニ語は、小説の中でこそ、読者が想像力を働かせるものなのでしょう。この点は、映画としてはなんとも気の毒なことです。

映画化には、①から③が抜けていました。ここが残念なところです。もっとも、これだけ文句を並べていますが、最初に書いたとおり、役者がなかなか適役だったということは、結局、映画も水準以上だったということでしょう。最後に、この映画の興行成績はどうだったのでしょう。製作者が「ホルモー」と絶叫していないことをお祈りしています。

 

2009年5月 5日 (火)

鴨川ホルモー

Img とにかく、設定が何より面白い。「鴨川ホルモー」の凄さは原作にあるようです。奇想天外な千年続く儀式の創作とレナウン娘の踊りや織田信長憑きなど、抱腹絶倒のギャグは、多分原作にあるのでしょう。一度、原作の方を読まなければならないと、映画を見ながら、思いました。

しかし、これだけの面白い筈のお膳立てと材料が揃っているにもかかわらず、映画のほうは、あまり盛り上がらなかったのです。まず、栗山千明演じる「めがねの凡ちゃん」、もっともっと面白くなるはずだったのに、見せ場が少ないような気がします。一方、坊主頭の先輩役の「荒川 良々(読み方知りません)」と織田信長憑きの友人役「濱田 岳」が好演です。どちらもパンフレットで初めて名前を知りました(笑)。あのちょんまげには、ふきだしました。落とし穴落ちの繰り返しも傑作です。

また、京大や寮で実際にロケをしたとか、そうした丁寧な製作の姿勢は高く評価したいのですが、肝心の演出のテンポやポイントがズレているような気がします。なにしろ、笑うために映画館に行ったのに、あまり大笑いの箇所が少なかったというのは贅沢な要求でしょうか。それにしても、「凡ちゃん」の栗山千明の魅力をきちんと描かないまま、ライバルの嫌味な男と悪女の方にばかり力が入った演出では、やはり面白くありません。観客が何を望んでいるのか、考えて欲しいものです。ラストの風船オニは、いくらなんでも風呂敷を広げすぎでしょう。そして、結局は竜頭蛇尾の終わり方です。この点は、逆に原作のせいなのでしょうか? 

それにしても、映画の中で叫ばれる変てこなオニ語やパパイアの変な振り付けも、なんとなくワザとらしく、馴染めませんでした。これらの可笑しさは、文字だからこそ、小説の中だからこそ、その可笑しさがストレートに伝わるものかも知れません。やはり、どうしても、原作の小説を読んで見なければなりません。

デス・レース

DVDで「デス・レース」を見ました。あまりヒットしなかった、昔の映画のリメイクということもありまして、映画館には足を運びませんでした。ただ、主演が最近頭角を現した男優ですし、監督が「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソンということに一縷の望みをかけて、未見のままにDVDを購入しました。

Img_0007

近未来において、民営化した刑務所で、絶対権力を誇る女所長が、囚人を使った武器使用も可能なルール無しのカーレースを開催し、世界に中継し、大きな娯楽になっているという設定です。そこに元レーサーの主人公が無実の罪で刑務所に入れられ、レースに参加するという話です。

こうした設定などは、なんとも新鮮味のない話であり、ライバルとなる様々な囚人レーサー達の描き方もあまり魅力がありません。ただ、看守の俳優が気持ち悪い風貌と持ち味が特筆できます。あの笑い顔の横顔は忘れられません。

 肝心なレースのアクションはなかなかの迫力ですが、最近は、どの映画もCGを使った凄い映像が氾濫しており、もうすっかり慣れてしまいました。第一、レースの途中に現れる戦闘用の巨大なトレーラーの意味はあるのでしょうか。競争中の車を攻撃してしまえば、賭けをしている筈の観客が怒るのではないでしょうか。

 まあ、退屈もせずに見ましたので、水準の出来なのでしょう。しかし、アンダーソン監督への期待も、「バイオハザード」の第一作の頃まででしょうか。もともとは、カート・ラッセル主演のB級SF映画「ソルジャー」がお気に入りでしたので、贔屓にしていましたのですが、「バイオハザードⅢ」などは大きな失望でした。まあ、次回作も一応は心に留めることとしましょう。

ゼイラムのイリア

「ゼイラム」に登場する、女宇宙人の賞金稼ぎ「イリア」のソフビキットの製作済み中古品をオークションで入手しました。この「イリア」の人気は根強いものあり、オークションでもかなりなお取引が見られます。もっとも、映画「ゼイラム」の人気というより、このイリアを含めた、独特の世界観やデザインなどがマニアを生み出しているといった方が正確かも知れません。なにしろ、映画としては、何回見ても、素人演技に、素人演出の範疇です。(もっとも、何回も見ること自体が不思議ですが・・・笑)

Dscn89821 さて、今回のキットは、ファルシオンというメーカーから販売されていた(現在、絶版)ソフビキットを、前の持ち主の方が組み立て、塗装をした中古品です。ソフビ製であり、多分、下半身をレジンで補強しているとは思われますが、経年変化により、体が前傾しており、自立しません。また、いたるところ、塗装が剥がれており、かなり、ひどい状態でした。

Dscn89801 リペイントに当たっては、まず、熱湯でボディを柔らかくした上で、自立できるように矯正し、急速冷却です。案外、レジンが注入されていても、柔らかくなるものです。勉強しました。そのうえで、エアブラシによりリペイント塗装をしました。ところで、このキットは、戦闘服バージョンと、マント姿のコンパチブルタイプであり、マント姿の方には、胴体が無いものですので、他の製品から台座だけを流用しました。予想以上にうまく決まりました。なお、顔は、なかなか上手く塗装されていました。顔に使用した塗料の種類はどのメーカーなのでしょう、テカリが全くないことに感心しています。少し、汚れたように見える点と、エアブラシの飛散跡の修復失敗が気になりますが、当面、そのままで置くことにしました。(けっこう、皆さん、上手いので、勉強になります。)では、ご覧ください。Dscn89761 Dscn89741 Dscn89771 Dscn89791 Dscn89831

2009年5月 4日 (月)

空の大怪獣 ラドン

Img 昭和30年製作の東宝映画「空の大怪獣 ラドン」のお話です。ご存知のとおり、東宝特撮初のカラー怪獣映画であり、ゴジラに続いて、主役を張った「ラドン」の登場です。

この映画は、今見直しますと、九州の炭鉱町の景色や暮らしぶりが記録映画のように刻まれており、大変興味深いものがあります。また、最初に、登場するのは、ヤゴ(トンボの幼虫)の化け物ですが、その怪物による被害が殺人事件のように扱われるなど、不気味な坑道の描写とあわせ、なかなかサスペンスが高まります。ラドンが登場するや、雰囲気が一転して、タイトルのとおり、青い大空をバックにした戦闘機との空中戦、あるいは、大空から舞い降りて博多の町を徹底的に破壊するシーンなど、今見てもカタルシスを感じさせます。個人的には、衝撃波でジープが吹っ飛ばされ、岩に当たる場面が忘れられません。模型とはわかっていますが、物凄い迫力です。多分、そのジープの模型の大きさに感動しているのでしょう。

ところで、長年不思議だったのが、ジェット機でもないのに「何故、ラドンの飛行跡に飛行機雲ができるのか」というものでした。実は、飛行機雲のでき方は2種類あって、エンジンからの空気が水蒸気になるものと、もうひとつ、飛ぶ衝撃による気圧の変化から主翼のあとにできるものがあるようです。つまり、ラドンの場合は後者なのです。納得しました。

さて、このラドンは結構根強い人気がありまして、「地球最大の決戦」でゴジラやモスラなどと共演して以来、何度となく銀幕に登場します。Dscn89961 Dscn90001 Dscn89991 今回、ツクダ製のソフビキットを製作いたしました。頭部から足元まで約30cmあります。サイズの問題もあり、翼を丸めています。塗装は、茶系のラッカー塗料を吹き付けていますが、色を重ねるたびに、どうも濃くなってしまいます。反省です。乳白系のエナメル塗料でドライブラシをかけてなんとか、明るく見せました。出来上がりの印象はいかがでしょうか。

ついでに、デフォルメされたデザインのラドンとメガヌロンを製作しました。メガヌロンは、少し派手目に、我流の「銀透かし」により塗装してみました。いかがでしょうか。Dscn8989 Dscn89851 Dscn8988

2009年5月 3日 (日)

GOEMON

映画館に別の映画を見るために出かけて、つい「GOEMON」を見てきました。実は、あまり見る気がしていなかったのです。なぜなら、この紀里谷監督の前回の作品「キャシーン」があまりに出来が悪く、全編、CM映像でつなげたような印象があったからです。

それなのに、何故、見てしまったのか?・・多分、その理由は、この映画が、一応、時代劇であり、アクションが満載で、しかもCGも多用した映像作品であることから、ひょっとしたら新たな活劇が見られるかもしれない、と切符売り場で血迷ったのでしょう。

結論から言えば、初日なのに、ガラガラだった映画館が評価しております。

冒頭から、いきなり、CG丸出しの風景です。しかも、いかに架空世界の設定としても、あそこまでの和風、中華風、東南アジア風の文化のごちゃ混ぜの文化はないのではないですか。まるで、無知な欧米人が喜びそうな東洋的なものを寄せ集めて作り上げたような、底意が透けるやり口に思えます。正直、インド象の「ねぶた」を見たときは気持ちが悪くなりました。また、ローマ帝国や中世文化と日本の城や仏閣を文字通り集めた、城のデザインには魂消ました。なにしろ、ディズニーの城の周りに五重塔が建っている固まりがいくつもあるのです。ここまで、悪趣味、ごてごて、成金主義のものは見たことがありません。また、出て来る人物の衣装にも絶句です。スカートのような着物など、最近流行の和服をさらに徹底的に崩したようなものです。ともかく、あまりに珍奇な衣装で、気になるやら、何故か腹が立つやら、(正直、「伝統文化をなんと心得るのか」などと言いたくなりました。苦笑)・・・開幕すぐに、降参です。

そして、今度は、ストーリーです。登場人物の名前は、すべて歴史上の人物か、過去の文学の人物です。この辺は、妙に律儀で、セットとまるでそぐいません。どうせなら、架空の名前でやって欲しいものです。といっても、人物設定はでたらめですが。それにしても、霧隠才蔵の妻子のエピソードは、大映の「忍びの者」シリーズからの流用など、いかにもビデオクリップ(プロモーションビデオ)の監督らしい、造り方です。

とどめは、アクションです。西洋の甲冑や剣のことは許せるにしても、あの何百メートルも飛び上がり、マッハのような速度で走るようなアクション、あり得ない構造の建物と信じられない破壊の有様、あるいは、一見してCGで拵えた何百万人もの軍勢を見せられると、馬鹿馬鹿しい極みとなります。「荒唐無稽」という言葉を三乗ぐらいしたいような気持ちです。

なんでもあり、という世の中ですが、時代劇だけは、もうすこしマトモで本格的で、しかも全く新たな作品を見たいものです。この映画は、ぶっ飛びすぎでした。

2009年5月 2日 (土)

惑星アドベンチャー

Img_0003 幻のB級SF映画の 「惑星アドベンチャー」がついにDVD化されました。しかも、たった1500円です。ああ情けない、私が秘蔵する弁当箱ほどもあるレンタル落ちVHSの価値が大暴落した記念すべき日です。この映画のVHSは、レンタル黄金時代の初期の頃に、発売されましたが、子供向けの本当にチャチなB級SF映画ということで、ほとんど一般に流通せず、一部レンタルだけだったと思います。何しろ当時はVHS1本が2万円を超える時代でした。その後、廉価VHS(それでも4千円弱)が販売される時代になっても再発売はされず、しかもマニア向けのLD(レーザーディスク)にもなりませんでした。こうしたことから、マニアの間ではプレミア付きの高額で取引される状態となっていました。運良くレンタル落ちのVHSのお宝を入手した私としては、大満足だったのですが、なにしろ、DVDが1500円ですから、その価値はほぼ0でしょう。これも時代の流れでやむ得ませんが、一抹のさみしさをぬぐいきれません。ただ、DVDよりVHSの方が寿命が長いということですので、そこに期待して保有を続けましょう。Img_0004

ところで、この映画、スピルバーグ監督が子どもの頃、好きだった映画とのことで、あのトビー・フーパー監督で再映画化がされています。ところが、元祖の唯一のとりえだった、ボールに入った蛸型宇宙人(DVDの裏側をご覧ください。)などのデザインを改悪するなど、散々な出来でした。しかも、後ろ向きに歩くという着ぐるみの宇宙人は最悪でした。

今回、再見してみると、家の窓から見える丘の向こう側に宇宙船が飛来するのですが、その丘のたたずまいが異様に怖いのです。段々になった道が続き、丘の向こうに続くのですが、その構図がなんとなく恐怖感を生んでいます。そして、父親に入れ替わった宇宙人の役者の演技の怖いこと。また、共産主義の排斥時代に被っているかどうか、わかりませんが、見慣れた人や部屋が突然違う者になってしまうという恐怖が意外に感じられます。「忘れられた街」の映画化よりも上等な気がします。

といっても、ほかの部分はZ級ですから、あまりお勧めはしません。好きな人だけが好きなときに見る、といった映画です。宇宙人も、良いのはデザインだけです。 登場したミュータントなどは哀れなほどひどい代物です。

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