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2009年5月 3日 (日)

GOEMON

映画館に別の映画を見るために出かけて、つい「GOEMON」を見てきました。実は、あまり見る気がしていなかったのです。なぜなら、この紀里谷監督の前回の作品「キャシーン」があまりに出来が悪く、全編、CM映像でつなげたような印象があったからです。

それなのに、何故、見てしまったのか?・・多分、その理由は、この映画が、一応、時代劇であり、アクションが満載で、しかもCGも多用した映像作品であることから、ひょっとしたら新たな活劇が見られるかもしれない、と切符売り場で血迷ったのでしょう。

結論から言えば、初日なのに、ガラガラだった映画館が評価しております。

冒頭から、いきなり、CG丸出しの風景です。しかも、いかに架空世界の設定としても、あそこまでの和風、中華風、東南アジア風の文化のごちゃ混ぜの文化はないのではないですか。まるで、無知な欧米人が喜びそうな東洋的なものを寄せ集めて作り上げたような、底意が透けるやり口に思えます。正直、インド象の「ねぶた」を見たときは気持ちが悪くなりました。また、ローマ帝国や中世文化と日本の城や仏閣を文字通り集めた、城のデザインには魂消ました。なにしろ、ディズニーの城の周りに五重塔が建っている固まりがいくつもあるのです。ここまで、悪趣味、ごてごて、成金主義のものは見たことがありません。また、出て来る人物の衣装にも絶句です。スカートのような着物など、最近流行の和服をさらに徹底的に崩したようなものです。ともかく、あまりに珍奇な衣装で、気になるやら、何故か腹が立つやら、(正直、「伝統文化をなんと心得るのか」などと言いたくなりました。苦笑)・・・開幕すぐに、降参です。

そして、今度は、ストーリーです。登場人物の名前は、すべて歴史上の人物か、過去の文学の人物です。この辺は、妙に律儀で、セットとまるでそぐいません。どうせなら、架空の名前でやって欲しいものです。といっても、人物設定はでたらめですが。それにしても、霧隠才蔵の妻子のエピソードは、大映の「忍びの者」シリーズからの流用など、いかにもビデオクリップ(プロモーションビデオ)の監督らしい、造り方です。

とどめは、アクションです。西洋の甲冑や剣のことは許せるにしても、あの何百メートルも飛び上がり、マッハのような速度で走るようなアクション、あり得ない構造の建物と信じられない破壊の有様、あるいは、一見してCGで拵えた何百万人もの軍勢を見せられると、馬鹿馬鹿しい極みとなります。「荒唐無稽」という言葉を三乗ぐらいしたいような気持ちです。

なんでもあり、という世の中ですが、時代劇だけは、もうすこしマトモで本格的で、しかも全く新たな作品を見たいものです。この映画は、ぶっ飛びすぎでした。

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コメント

GOEMONでヒットしてやってきました。
映像がすごかったですねー。ゲームみたいな感じ。
子供にはおおウケでしたw

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