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2009年3月22日 (日)

大アマゾンの半魚人(その5)

またまた「大アマゾンの半魚人」の話題です。その5ですから、我ながら驚きです。(しかも、違うタイトルでの記述もありました。)

さて、この映画は、原題を「The Creature from the Black Lagoon」といい、直訳すると、「黒い入江から来た怪物」となります。半魚人などというのは、我が国だけでしょうか。あちらでは、ギルマン(エラ人間)という呼称もあるようです。

ところで、製作年次は大変古く、西暦1954年であり、つまり、昭和29年になりますので、日本でゴジラが製作された記念すべき年に当たります。(それがどうしたというと困るのですが・・・)まさに、クラシックというべき作品です。

そして、この映画に登場するCreatureは、ゴジラと同様に、製作から55年も経っているというのに根強いファンがいます。ゴジラと違うのは、正統な続編がたった2作しかなく、しかもその2作とも完全な駄作なのです。もっとも、2作目はクリント・イーストウッドがデビューした作品として有名なのは皮肉なことです。にもかかわらず、人気が高いのです。

 この人気のほどを裏付ける証拠の一つに、半世紀以上も経っているにもかかわらず、このCreatureの模型(フィギュア)の新作が、次々と生産され、販売され続けていることが挙げられます。

つい最近も、有名なメーカーの「サイドショウ」社から、主演のジュリー・アダムスとセットの見事なスタチュー(置物)が発売されました。生産数が少ないようで、すぐに完売されましたが、運良く入手できました。(一時は、海外個人輸入まで手配しましたが・・・、なんとかうまくいきました。汗)

ということで、ご覧ください。サイズは、高さや約30cmです。概ね1/6弱の縮尺です。サイドショウ社の精密な造型に感心します。

Dscn89361 Dscn89401          Dscn89451        ジュリー・アダムスの造型はいかがでしょうか。

こういう美女と野獣のからみのシーンを立体化するのは、いかにも欧米流でしょうか。ドラキュラ物にも同じ抱きかかえポーズのフィギュア・キットがありました。いわゆる花嫁の儀式にも通じる”黄金のポーズ”なのかもしれません。日本ですと、鬼が背負うイメージがあります。

ところで、このサイドショウというメーカーは、最近、次々と新作を発表して大変迷惑な会社です。前回は、巨大な半魚人でした。次回の新作は、実物大の頭部モデルだそうです。実物大モデルにまでなると、私の範疇ではありませんので、一安心です。それにしても、このメーカーの動きには目が離せません。

2009年3月20日 (金)

ヤッターマン

Img_0002 「ヤッターマン」の実写化と聞いて、最初は、全く期待していなかったのです。しかし、ある雑誌に載ったヤッターワンという犬のロボットの写真を見て、すこし考えを変えました。なんとも、そのレトロなデザインや使い込まれたような汚れ方、雰囲気が良いのです。そして、配役にも驚きました。曲者俳優の生瀬勝久がボヤッキー、櫻井翔が主人公のヤッターマン1号と、なるほど、アニメのイメージをよく掴んでいると感心したのですが、色気たっぷりなドロンジョ役にボケーとした深田恭子(ゴメンナサイ)とは正直イメージがわきませんでした。

ところが、映画を見ると、フカキョンのドロンジョが素晴らしい。まず、この女優さん、スタイルが良かったのですね。あのコスチュームのなんとも似合うこと、そして、とぼけたような表情もいい。2人の部下(もちろん、この2人の俳優の演技と扮装は凄い。あそこまでよくやりました。満点です。)と揃って、漫画そっくりな姿は本当に感動ものです。さらに、あのアニメそのままのダンスや動作。1号と2号の主役も漫画そのままです。配役でまず勝利したともいえます。 (おもわず、ヤッタ、ヤッタと口ずさみします。)

しかし、この映画の面白さは、単に、登場人物が漫画にそっくりというだけではないのです。微妙にエロチックな設定、はっきり言って、下ネタじみた仕掛けや思わせぶりな会話のギャグが笑えるのです。

正直いいますと、三池崇史監督の映画となるというので観に行くことを悩んでいました。三池監督といえば、いまや様々な映画に引っ張りだこで、欧米でも評価の高い監督さんです。ただ、私個人的には、この監督の演出が、生臭く、猥雑で、どぎつく、変態的と感じることが多いため、少々苦手なのです。(絶対二度と見たく無い映画もあります。)肉食系の西洋人向けには受けそうですが、草食系(雑食系?)人間にはきついのです。

ところが、この映画に限っては、もともと子ども向けのアニメが原作のせいでしょうか、三池監督の毒が幾分中和し、絶妙なギリギリの線で笑えます。ドロンジョと1号の恋、2号の嫉妬、ロボット同士の発情など、昔TVをみた子ども達が大人となって見ることをターゲットにしているのでしょう。おっぱい爆弾の発射シーンの意味など、こどもにはわかりませんわ。ただ、ラストに、「さん」を付けないでという2号の台詞は、「意味わからないのか」、というのは古い世代なのかも知れません。

ともかくも、アメコミの実写化とは全く異なる、新しいタイプのアニメ実写映画の誕生です。ギャグも沢山ありますし、歌やダンスも楽しめます。しかし要は、設定や台詞、動作など様々な部分に詰められ、まぶされている裏や笑いを深読みして、子ども達よりも大人が楽しむ映画でした。

2009年3月 9日 (月)

ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌

「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」をレンタルDVDで見ました。タレントのウェンツ某主演のファミリー向け?の映画です。子ども向けにしても、ターゲットの年齢層は、どのあたりなのでしょう、まったくわかりません。あまりむずかしい理屈を考えず、楽しめばよいと思うのですが、恋愛モノ、怨念モノ、モンスター、水木マニア?いずれも中途半端なのです。

多分、既に体調も悪かったであろう、名優の緒方拳まで引き出したのに、どうも面白くありません。唯一、猫娘の造型(素のままですが・・笑い)が良いですが、そのほかの妖怪の造型はあまり感心できません。ヒロインの女子高校生もどうもイケマセン。第一、主演がイケマセン。(ファンの方ごめんなさい。)そして、ストーリーよりも、作り手が、その演出、特殊撮影、アクションなど、とても本気で、真面目に作っているとは思えません。元水木しげるファンとして、そして「妖怪」ファンとしては、不満がたまります。なにしろ、少年マガジン連載時からの読者なのです。観客をなめたらイケマセン。

Img ところで、こうした「妖怪」たちの姿はいつごろから形成されたのでしょう。水木しげるの漫画に登場する妖怪たちも、江戸時代の絵草紙から引き継いでいます。というか、タッチも姿もそのままです。しかし、水木漫画は、その浮世絵のような妖怪が、背景の細密画のようなリアルな白黒の絵の中に立っているコントラストが大きな魅力でした。この水木妖怪の原点ともいうべき絵草紙を描いて、有名な作者が鳥山石燕です。この映画で緒方拳が演じたぬらりひょんなど、様々な妖怪を描いています。それもいわゆる図鑑のような書物なのです。国書刊行会の「画図百鬼夜行」でそれを見ることができます。一度、ご覧ください。鳥山石燕の楽しさを知ることでしょう。最も、石燕も、言い伝えの絵を参考にしたようです。

 ところで、余談ですが、国書刊行会とはどんな組織なのでしょう。珍奇な本ばかり出版しています。

2009年3月 3日 (火)

ギララの逆襲

 「和製ロジャー・コーマン・B級映画の帝王」と呼ばれているか、どうかは知りませんが、変てこな映画ばかり撮って、ついにイカレスラーで有名になった河崎実監督が、つい先ごろ、ある忘れられた怪獣を現代に甦らせました。題名は「ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発」です。「発」の字にこだわりがあるところが007の初代の年代を表しています。この「ギララ」とは、かつての怪獣ブームの折り、松竹が唯一製作した怪獣映画「宇宙大怪獣ギララ」であり、その怪獣をそのままの姿で登場させたのです。

Img この映画、封切りの当時に劇場で見て、まったく面白くなかった印象のまま、すっかり忘れさられていました。ところが、この新作のおかげで、フィギュアはでるわ、DVDは記念発売されるわで、ちょとしたブームです。つい、オークションで中古DVDを購入して再見してみました。うーん、記憶は正しかったのです。まったく安手の三流SFです。セットも特撮もこれ以上は無いというぐらいお粗末で、名優岡田英二の出演など惨いような映画です。また、ご多分に漏れず、金髪の外国人女性を登場させていますが、まったくの素人演技、さらに、共演男優のセクハラといっても良いような演技は全く情けなく恥ずかしい限りです。唯一の救いは、ギララ自体のデザインのユニークさです。人工的な円盤のような顔に人間型トカゲの合体です。DVDを購入したことをこれほど悔やんだことはありません。

Img_0001 ところで、ギララとあわせて思い出したのが、日活が唯一作った「大巨獣ガッパ」です。これは意外と記憶に残っています。人間に捕らえられた子ガッパを両親のガッパが助けに来るというお涙ストーリーです。実は、これも中古DVDを購入しました。(笑)ただ、再見して驚いたのは、主演は、山本陽子でした。新人の頃でしょうか。

しかし、この2つの作品を見てみると、当時の東宝の円谷特撮映画がいかに素晴らしいかを、改めて感じます。

さて、肝心の最新映画「ギララの逆襲」。・・・特撮技術は進歩しています(当然だろう)が、セットのチープさ、主演する外人のうさんくささ、ほとんど進歩はありません。しかも、スト-リーがふざけています。なにしろ、ビートたけし顔の武魔神が登場し、しかも、「コマネチ」をするのです。いや、正確には「ネチコマ」です。続けていうとコマネチに聞こえるのです。サミットに集合した世界の首脳を笑いものにするのですが、うーん、見ているのが辛いような笑いです。全く「困ネチ」・・・ナンチャって。(古い)

2009年3月 1日 (日)

レイ・ハリーハウゼンの輝き

このブログでたびたびに紹介している、伝説のモデルアニメーターのレイ・ハリーハウゼンの偉業を網羅的に記述している本が出版されました。Img 実はこの本、洋書では随分前に出版されていたのですが、このたび、めでたく翻訳本が出されたのです。表紙のデザインは異なっているものの、本のサイズ(かなりの大型本)や中身は全く同じです。何故、原書を知っているかといえば、実はしっかり持っているのです。なにしろ、鮮明な写真やデザイン画がふんだんに掲載されているので、英語がわからなくても眺めているだけでも楽しいのです。今回、やっと何が書かれてあるかがわかりました。といっても、やはり、文字を追うより絵や写真を眺めてしまいます。(これでは日本語版を買った意味が余りありません。笑)

この本の著者は、「CG技術は、リアルに過ぎる。レイ・ハリーハウゼンのモデルのぎごちない動きは、ファンタジーの中で生きている。」というような趣旨のことを述べています。つまり、ハリーハウゼンの作品が、時代を超えた輝きを持っていることを賞賛しているのです。また、本の記述によれば、名作「アルゴ探検隊の大冒険」の生身の人間と骸骨剣士が戦うシーンなど、そのモデルを動かし撮影する作業の手間は、単に職人芸という範疇を超え、とても人間のなせる業とは思えません。この他にも、それぞれ作品ごとの苦労話は誠に興味がつきることがありません。

ところで、この本の帯に賛辞を寄せている人も凄いメンバーです。外国人では、スティーブン・スピルバーグ、ジェームス・キャメロンなどですが、日本人では、平成ガメラの樋口監督、ALWAYSの山崎貴監督というなかなか玄人受けする見事な人選なのです。

Img_0003 ついでに、私の持っているもう一冊の本も、翻訳版がでないかなあ。この本は、「アートオブレイ・ハリーハウゼン」というタイトルで、レイのスケッチや絵コンテを満載した内容です。

一方、日本でハリーハウゼンを特集した本が無いかといえば、実は作品評価などを載せた「コンプリート・レイ・ハリーハウゼン」という本がありました。個人的には大変重宝しておりましたが、やはり、本自体の装丁をはじめ、(なにしろ紙の質も大違いです)精密で色鮮やかな写真やデザイン画の掲載量の点で、大いに見劣りします。もっとも、本場モノと比較するほうが悪いかも知れませんが、これまでの義理もありますのでここであわせて紹介しておきます。

Img_0002 それにしても、我が国では、こうした類の本は、特撮の神様といわれた円谷監督の特別本があるぐらいで、あまり出版されていません。密かに期待しているのは、初期のウルトラシリーズの造型師である高山良策氏の本が出版されることです。なんでも、同人誌として、彼の作業中の風景写真や製作スケッチを集めた冊子が存在しており、一部マニアの間で、かなり高額な値で取引されていることを小耳に挟んでいます。その冊子の複製でも良いですから、どこかで出版して欲しいものです。よろしくお願いします。

不振のとき

ある雑誌を見ていると、東宝映画のプロジューサーの次のような考え方が掲載されていた。「ピーター・ジャクソンの『キングコング』が世界で唯一ヒットしない国。『ダークナイト』が世界で唯一ヒットしない国。それが日本だ。」と。記事は、そのあと、現在の日本の観客は、怪獣映画やダークなものには飽きているとの見方を示し、だから「ゴジラ」映画の復活はもうしばらく無いよ、と続いています。

 まあ、東宝の製作するゴジラ映画には期待しない(笑)こととしているのですから、かまわないのですが、あの「キングコング」がヒットしなかったというのには驚きました。

 もともとこのブログの第一号は、ピーター・ジャクソンの「キングコング」であり、その内容がすこぶる面白かったというお話から始まっています。興行成績を知らなかったことも問題(?)ですが、いまさらながらに驚きます。何故、あんなに面白くスペクタクルな映画が当たらないのか。怪獣映画のせいか。前作の「ロード・オブ・ザ・リング」にも、怪獣が出てきているぞ。などと吼えたくなります。

やはり、有名なファンタジー小説の映画化と古典映画のリニューアルという違いなのでしょうか。キングコングは悪評高い前例もありましたし、トールキンなどは女性のファンも多いのでしょう。女性の方が見るか見ないかがヒットの鍵を握ると言います。キングコングなどは、うちの娘も妻もそうですが、女性はまず見ないでしょう。とはいっても、「ロード・オブ・ザ・リング」3部作は、奇跡のような傑作ですので、それと比較しても無駄なのかも知れません。(実際、出来上がりの重厚さなどは比較になりません。)

それに比べて、バットマンの「ダークナイト」の不振は良くわかります。私自身は歴史に残る傑作であり、実際、ジョーカーを演じた俳優は、故人でありながら、この度めでたくアカデミー賞の助演男優賞を獲得いたしました。改めてご冥福をお祈りします。話を戻しまして、不振の理由は、まず、アメリカン・コミックの映画化という受け止めではないでしょうか。さすがの私も、アメコミ原作の馬鹿げた映画には正直うんざりしています。(スパイダーマン2以外のことですが。)それに加えて、話の内容に救いがありません。スカッとしないのです。二度と見ようという気が起こりません。(そういう意味で、タイタニックに似ているというのは言いすぎでしょうか。)最後に、時間が長すぎます。

ということで、SF映画が受難のときかも知れません。CGを安易に用いた、子供だましの内容が多すぎる結果なのかも知れません。それに、特殊技術の進歩によってか、あまりに残酷な汚らしい場面をストレートに見せることに、日本の農耕民族は耐えられないのかもしれません。特に、最近のホラー映画は、怖いというより気持ち悪くて正視できません。だから見ていません。なにか、怖さの演出を勘違いして作っているとしか思えないのです。

以上、東宝社長の談話への感想でした。なお、ゴジラは、山崎貴監督の「続AIWAY」が進むべき道と思うのですが、どうやら依然として円谷着ぐるみ歌舞伎にこlだわっているようで、大変残念でした。もし、円谷特技監督が今の時代にいたなら、決して着ぐるみなんかは使用しなかっただろうと確信していえるのでないでしょうか。

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