ターザン
突然ですが、「ターザン」映画のお話です。先般、クラシックSF映画のお話のときに、「絶海のターザン」を思い出しました。すっかり、忘れていました。
映画評論家の児玉数夫氏が書いたターザン映画の解説書「ターザン」には、帯のキャッチフレーズとして「キミはターザンを見たか」とありますが、若い人たちは、最高のターザン役者と呼ばれたジョニィ・ワイズミュラーの「ターザン」映画のシリーズを多分ご存知ないでしょう。
なにしろ、1930年後半頃から製作されたハリウッド映画です。私自身、子どもの頃に、テレビで放映されたものを見たものです。子ども心には結構楽しかったことを覚えています。
DVDでは、12作のうち、6作がDVD化されてます。「類人猿ターザン」、「ターザンの復讐」、「ターザンの逆襲」、「ターザンの黄金」、「ターザン紐育に行く」です。いずれもモノクロ作品で、当時のアフリカの記録映画をふんだんに使用していますので、アフリカの現地の人たちの風俗などがえらくリアルです。再見すると白人の横柄さなどが鼻につきます。やはり、西部劇と一緒で、今の時代に通用する内容ではないかもしれません。
しかし、それでも、懐かしさのせいか、結構面白いです。一見してぬいぐるみと判るゴリラなどが一緒に活躍します。猛獣や人食い人種との戦いも思わず笑います。古き良き時代の勧善懲悪の健全なアクション映画です。それにしても、ワイズミュラーが最高のターザンと云われる理由は、まず、オリンピックのメダリストという経歴が示すように、水泳で鍛えぬかれた体型がよく皮短パンに似合っていることと、白人にしては珍しく胸毛が全然無かったせいだと思います(笑)。しかも、あの有名な雄たけびを発明(?)したことも挙げられます。初めて聞いたときはホントに驚きます。この6作のうち、お勧めは2作目の「ターザンの復讐」です。この時のジェーンは、当時にしては非常に大胆な衣装と演技を披露します。その衣装はこの作品以降は禁止になりました。その後は、子役がメンバーンに加わり、よりアットホームな印象が強くなって、家族揃ってご覧になれる娯楽作品となっています。是非、ご覧ください。
残りの6作品はDVD化されないのでしょうか?(録画ビデオがありますが、鮮明な映像で観たいものです。)特に、シャコ貝の「絶海のターザン」、恐竜の出る「ターザン砂漠に行く」を期待したいものです。
ところで、リアルなターザン映画ともいうべき「グレイストーク」という作品があります。この映画も、もう相当前の作品になりますが、見所は、特殊メイクの第一人者でエイプ(類人猿)マニアのリック・ベイカーが渾身の腕を振るったゴリラの着ぐるみの出来が本物そっくりという点でした。あとは、夢とロマンの空想のターザン物語というファンタジーを、社会的な面からリアルに作っても、なんの面白味も意味も無いことを証明したにすぎません。後味の悪さだけが残りました。当然の結果、その後は、実写版ターザンは途絶えてしまいました。まあ、ディズニーのアニメ版がかろうじてありましたか・・。
ただ、この前公開された「インディー・ジョーンズ4」では、ジャングルの蔦の渡りが映像化されましたので、せめてもの慰みといたしましょう。
最近のコメント