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2009年1月25日 (日)

ターザン

突然ですが、「ターザン」映画のお話です。先般、クラシックSF映画のお話のときに、「絶海のターザン」を思い出しました。すっかり、忘れていました。

Img_0001 映画評論家の児玉数夫氏が書いたターザン映画の解説書「ターザン」には、帯のキャッチフレーズとして「キミはターザンを見たか」とありますが、若い人たちは、最高のターザン役者と呼ばれたジョニィ・ワイズミュラーの「ターザン」映画のシリーズを多分ご存知ないでしょう。

 なにしろ、1930年後半頃から製作されたハリウッド映画です。私自身、子どもの頃に、テレビで放映されたものを見たものです。子ども心には結構楽しかったことを覚えています。

Img DVDでは、12作のうち、6作がDVD化されてます。「類人猿ターザン」、「ターザンの復讐」、「ターザンの逆襲」、「ターザンの黄金」、「ターザン紐育に行く」です。いずれもモノクロ作品で、当時のアフリカの記録映画をふんだんに使用していますので、アフリカの現地の人たちの風俗などがえらくリアルです。再見すると白人の横柄さなどが鼻につきます。やはり、西部劇と一緒で、今の時代に通用する内容ではないかもしれません。

しかし、それでも、懐かしさのせいか、結構面白いです。一見してぬいぐるみと判るゴリラなどが一緒に活躍します。猛獣や人食い人種との戦いも思わず笑います。古き良き時代の勧善懲悪の健全なアクション映画です。それにしても、ワイズミュラーが最高のターザンと云われる理由は、まず、オリンピックのメダリストという経歴が示すように、水泳で鍛えぬかれた体型がよく皮短パンに似合っていることと、白人にしては珍しく胸毛が全然無かったせいだと思います(笑)。しかも、あの有名な雄たけびを発明(?)したことも挙げられます。初めて聞いたときはホントに驚きます。この6作のうち、お勧めは2作目の「ターザンの復讐」です。この時のジェーンは、当時にしては非常に大胆な衣装と演技を披露します。その衣装はこの作品以降は禁止になりました。その後は、子役がメンバーンに加わり、よりアットホームな印象が強くなって、家族揃ってご覧になれる娯楽作品となっています。是非、ご覧ください。

残りの6作品はDVD化されないのでしょうか?(録画ビデオがありますが、鮮明な映像で観たいものです。)特に、シャコ貝の「絶海のターザン」、恐竜の出る「ターザン砂漠に行く」を期待したいものです。

Img_0002 ところで、リアルなターザン映画ともいうべき「グレイストーク」という作品があります。この映画も、もう相当前の作品になりますが、見所は、特殊メイクの第一人者でエイプ(類人猿)マニアのリック・ベイカーが渾身の腕を振るったゴリラの着ぐるみの出来が本物そっくりという点でした。あとは、夢とロマンの空想のターザン物語というファンタジーを、社会的な面からリアルに作っても、なんの面白味も意味も無いことを証明したにすぎません。後味の悪さだけが残りました。当然の結果、その後は、実写版ターザンは途絶えてしまいました。まあ、ディズニーのアニメ版がかろうじてありましたか・・。

ただ、この前公開された「インディー・ジョーンズ4」では、ジャングルの蔦の渡りが映像化されましたので、せめてもの慰みといたしましょう。

2009年1月21日 (水)

スタン・ウィンストン

「映像+」という雑誌があります。コンピュータグラフィック(CG)やら模型製作など様々な映像表現を紹介している、専門誌のような内容で、現在まで、季刊的に5冊出版されています。結構、SFX映画の裏側を解説しているので、よく購入しています。最新刊が、スタン・ウィンストン特集でした。

この人は、知る人ぞ知る、というか有名な特撮マン(古い?)です。出世作は、ご存知、「ターミネーター」のデザインや造型です。いまや伝説の映画ですが、製作当時は無名で低予算で、特撮には相当苦労しているようです。しかし、この作品で、ジェームス・キャメロン監督とのコンビが出来上がり、その後、エイリアン2、ターミネーター2と続きます。さらには、プレデターの造型、ついには、歴史的な映画「ジュラシック・パーク」の恐竜たちのデザインと、さらには機械仕掛けの実物大から着ぐるみまでつくりだしました。いまでは、CGと模型のミックスがSFX映画の常道になってしまいました。この本の受け売りですが、そうしたことから、ハリウッドでは相当な大家になっていたようです。

Img ということで、この本「映像+」05号をご覧ください。スタン・ウェンストンの製作現場や会社の現場などの鮮明な写真(よくあるピンボケしたような印刷ではありません。)やクリーチャーのデザイン画が多数掲載されています。興味の無い方には、どうでもよろしいのでしょうが、私にとっては眼福、まさに垂涎ものです。ということで、今回は、映像製作になんらかの興味のある方は、是非ご覧ください。

そういえば、子どもの頃、円谷プロの倉庫を見たかったという記憶があります。その場所は、怪獣の着ぐるみが何体も保存され、「怪獣倉庫」だったようです。・・という夢の場所も、つい最近、解体撤去されたようです。

実は、「スタン・ウィンストン」は最近お亡くなりになっており、追悼特集だったのですが、この本にはスタジオの行く末が案じられると書いてありました。競争が激しいですからねえ。ともかくもご冥福をお祈りします。

2009年1月18日 (日)

深海 アビス

深海といえば、キャメロン監督の映画「ザ アビス」を思い出します。この映画には、ネオンのように発光するクラゲ型の異星人が登場します。深海に潜んでいるという設定なのです。こんな生物が本当に居そうな気になる図鑑を入手しました。その名もズバリ「深海」です。最新の深海探査艇が捉えた、深海生物の精密な写真を集めた物です。Img_2 写真のものが、その本の表紙ですが、一ページ一杯に、あるいは見開き2頁に、様々な深海生物の生態写真が掲載されています。ページ数約250ページ、その量も写真の質も半端ではない、素晴らしい本です。

以前から図鑑で見慣れた深海魚が、とんでもない姿で、精密画にも匹敵する精度の高い写真で捉えられています。さらに、巨大なくらげなど未知の生物の姿もあります。いやあ、図鑑ファン、深海魚ファンとしては、誠にうれしいことです。

実は、以前のブログでも書きましたが、映画趣味と並んで、図鑑趣味がありまして、動物を中心に、様々な図鑑を収集しています。もちろん、専門図書ではなく、市販のものですが・・・。その中でも、奇妙な生物、異形のモノ、絶滅したものが好みなのです。そうした生き物の姿は、ロマンと想像力を喚起するのです。そういう意味でも、深海魚は、恐竜と並んで、私のお気に入りなのです。想像の世界のモンスターとも通じるところがあります。(そういえば、古今東西の架空生物、怪物、妖怪などの図鑑もいいですねえ。) 

Img_0002 子どもの頃の愛読書があります。S37年発行のポプラ社の「ぼくらの博物館」シリーズの第2巻「魚と貝のさまざま」です。ちなみに、第1巻は、「地球の生いたち」で恐竜などの話です。この第2巻は、すこぶる珍妙な形の魚や貝が紹介されています。巨大なヒレを持つ深海アンコウ、海草のようなタツノオトシゴ、巨大なシャコ貝など、一般の子供向けの図鑑には出てこない種類のものです。こうした異形の生物が、モノクロの挿絵で紹介されています。いやあ、こう書くだけで、当時の想いが甦ってきます。(すっかり忘れていました。)そういえば、「絶海のターザン」という映画の中に、人食いシャコ貝が登場します。何故か、わくわくしたものでした。

 Img_0001_2 ところで、この本の挿絵の魚達を、実際の写真などで目にし始めたのは、結構、最近のことです。数年前には、荒俣宏氏が発行した博物誌シリーズの中で、精密画による深海魚の紹介(この図鑑にも感動しました)もありましたが、深海の研究が進んだおかげで、深海生物関係の本もよく出版されますし、外国の図鑑の翻訳なども随分増えてきております。やっと欧米並みの図鑑文化が定着する兆しが見え始めてたといえば、少し大げさでしょうか。ともかく、恐竜図鑑などもよく出版されます。

さらにうれしいことは、アマゾンなどの通販制度の普及で、一般書店にはまず並ぶことの無い図鑑が、地方でもかんたんに入手できるようになりました。ありがたいことです。あとは、もうすこし、中身検索制度が充実すればいうことなしです。なにしろ、図鑑は一般図書より高いのですから、結構、リスクを伴います。いつぞや、「へび大図鑑」なるものを購入しましたが、あけてびっくり、見開きに一匹のへびの大きな写真という構成です。いやあ、「大へび写真図鑑」だったのかと驚いたものです。

今回のブログは、映画ネタから少し?はずれましたが、たまには、こんなこともあることにいたしましょう。(笑)

 

2009年1月12日 (月)

ヘルボーイ ゴールデン・アーミー

Img 「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」は、どういう映画なのだろう。アメコミの「ヘルボーイ」の映画化の第2弾、というのは、当然わかっていますし、「ファンタジー・アクション」という宣伝文句が踊っています。

 今回は、主要メンバーの赤い大猿、炎の女、青いギルマンに加えて、ガス人間、さらに敵役に闇の王子やら、地下世界の様々なゴブリン(モンスター)たちまで登場します。巨大な植物怪獣や死神など、怪物系のごった煮料理です。

おいしい筈なのですが、どうもピンと来ません。ストーリーや舞台に感情移入が全然出来ないのです。オタク監督の作ったオモチャ箱を見せられているようです。(SWに通じるアメリカの幼児性か?などと文句を言いたくなります。)通常、大スクリーンで見れば、その大きさゆえに、すっかり化かされ、後日、DVDで再見したときに面白くないことに気づく(最近、特にこの傾向が強くなっています。笑)のですが、今回は、鑑賞中も醒めたままなのです。ストーリーは平坦、無駄なエピソードが多く、実社会のパロディにもなっていません。まあ、あのコスチュームで、男と女の愛(痴話げんかも)の話を語られても、感情移入はしないですわ。

 第一、モンスター達のデザインが良くない。エレメンタルとかいう植物怪獣の造型はなんだ(怒)。大怪獣という名に値しないスタイルの悪さです。歯の妖精も、死神もどこかで見たイメージです。地下世界の怪物も作りすぎ、凝りすぎです。

 しかも、ラストの「異議あり」の言葉が切り札なら、早く言え。本来は、あの時点では、もう効力の時機を失していると思いますが、いかがでしょうか。 ともかく、映画館内がガラガラだったお客さんの状況にも納得しましたが、写真のパンフレットを購入する程度は、モンスター映画ファンとして、義理?を果たした気持ちです。

2009年1月 3日 (土)

K-20

新年あけましておめでとうございます。今年も忙しそうで、ブログが書けるかどうか心配しています。

Img さて、本年最初に取り上げるのは、「K-20 怪人二十面相 伝」です。私が、今年最初に見た映画でもあります。正直、大げさに言えば、こんなエンターティメントな日本映画がきちんと製作できるようになった、という気持ちになりました。それほど、丁寧に、面白く出来ています。最近のハリウッドには十分太刀打ちできます。もっとも、これも主演の金城武の力があるかもしれません。こんな俳優は、いまの日本では育たないかも知れません。みんな、せこいものねえ。

この映画の一番の良さは、第二次世界大戦が無かった設定の日本というパラレルワールドを丁寧に作り上げているところです。まず、都市のビジュアルが凄い。貧民層のバラック群と富裕層のビルが広がる冒頭のシーンは、鳥肌が立つほど感心しました。後でパンフレット(写真の冊子で600円でした。)をみたところ、あの「ジョブナイル」「リターナー」「ALWAYS」の映画のVFXを担当した集団との事で、その仕事振りには頭が下がります。そして、セットのデザインや造りも素晴らしい。これも、様々な美術品・意匠をミックスして作り上げています。かつての大映のように、セットや意匠、小道具に力を入れた日本映画界の力が脈々と伝わっているような気がしました。(多分、妄想ですが・・・)

 脚本も面白い。原作があるようですが、よく江戸川乱歩の子孫の方が了承したものです。ネタは、映画をご覧ください。それにしても、「カリオストロの城」を思わせるジャイロの活躍、様々なレトロな小道具、ほんとに作り込んでいます。しかし、松たか子はけっこう適役でした。やはり、お嬢様役は似合うのでしょう。

それにしても、監督が女性とは意外でした。最近、才能がある人が沢山出てきているような気がして楽しいですね。今後の邦画に期待したいものです。(ハリウッドが情けない分、頑張って欲しいものです。)

ともかく、皆さん、是非ご覧ください。しかし、何故、怪人二十面相がK-20なの?K-1にちなんでいるのでしょうかエ。おしゃれといえば、おしゃれですか(笑)。

 

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