子連れ狼(映画版)のDVD発売記念
やっと、劇場版「子連れ狼」シリーズがDVD化されました。何故か、製作国である日本では、なかなかDVD化されませんでした。しかたなく、VHSやLD(米国版ショーグン・アサシンの題名)などでお茶を濁していました。 やはり、DVD最新版(?)は、色の出具合が違います。もっとも、画面サイズはオリジナルと同じなのでしょうか。対決シーンで何も無い空間だけが延々写るのが気になります。
今回、セット販売となったのは、シリーズ6作品のうち、前半の傑作揃いの3作です。私の好みは、別途の写真の順番です。
しかも、今回の特典に、原作者の小池一雄や、カメラマン、照明、録音などの技師達が、当時の撮影の裏話や想い出を語るディスクが付いていたのです。もともと撮影裏話やメイキングが大好きなので、本当に面白い内容でした。若山富三郎が原作者に映画化を直談判するエピソードは、さもありなんと思います。それにしても、大映時代劇を支えたのは、職人達の高い技術力と凝り性のおかげだったのが、よくわかります。撮影に当たっての細かい工夫など、職人芸をもっと高く評価すべきでしょう。そして、私の大好きな三隅研次監督も評価して欲しいものです。あの豪快な若山がこの監督に厚い信頼を置いていたという話も頷けます。なにしろ、若山の代表作というシリーズになったのですから、当然でしょう。弟のカツシンの代表作「座頭市」も、三隅監督が第1作を傑作にしたのですゾ。みんなでもっと評価しましょう。
ところで、時期を同じくして、「時代劇は死なず」という新書を読みました。この本は、大映が倒産して、丁度、勝プロダクションによる「子連れ狼」などが製作されていた頃の映画界の状況を描いた本です。大映時代劇と東映時代劇の違いやTV時代劇の発展など、これも面白かった。しかも、「素浪人月影兵庫」の開始にあたって、剣豪のイメージを持つ主演の近衛十四朗が嫌がったというエピソードなどは思わず笑います。
ということで、今回のブログは、時代劇の話題でした。余談ですが、最近、読み物はもっぱら「佐伯泰英」の時代小説ばかりになってしまい、これが止められません。書き下しの新作が待ち遠しいのです。まるで、すっかり子供頃にもどっているようです。困ったものです(苦笑)。
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