エイリアンの遺棄船
映画「エイリアン」に登場する異様な形の宇宙船をご記憶でしょうか。女性器にも似た形状の入口から胎内道のようなトンネルを抜け、巨大なドームの中央に据えられている砲台(?)の台座で、胸を破られた異星人の化石化した姿を発見するインパクトは、圧倒的なビジュアルの力に支えられ、衝撃的でもありました。この有名な異星人は、スペース・ジョッキーと呼ばれ、モデル化もされています。
ところが、映画では、この宇宙船の全体の姿が良くわかりません。外観の姿は、霧(?)の中のワンシーンしか映りません。しかも左右非対称のうえ、デザイナーというより芸術家であるギーガーの持ち味の骨やら内臓やら金属やらの複合体であり、常識的な宇宙船にあるまじき姿なのです。いわば、宇宙船のモンスター、異形のモノなのです。長年、この宇宙船がどんな姿なのか、非常に興味がありました。
その後、この宇宙船のモデルキットが製作されていることを知り、なんとか入手したいと思っていました。モデルの名は、「ALIEN DERELICT SHIP」つまり、直訳すれば、異星人の遺棄船です。
そして、この念願のキットをやっと入手しました。ところが、現物のキットは、個人ディーラーのガレージキットの見本といってよいほど、気泡と抜けの悪さの典型なのです。その補修に頭を捻りましたが、結局、レジン表面にある無数の細かな気泡は瞬間接着剤の流し込みの荒業で、外観の複線の補修は糸とゼリー状の接着剤のコンビネーションで対処しました。いやはや手間がかかりました。さらに、塗装は、思い切って、モスグリーンとブラウン、ブロンズ色をベースに混色し、最後はダークカッパーのドライブラシで際立たせました。
では、エイリアンの遺棄船の全体像をお楽しみください。まずは、映画を髣髴される角度からどうぞ。次の写真の真ん中の部分の下部に開いている穴が入り口であろうと推察しています。 そして、多分、両腕の付けの胴体の丸い部分に、スペースジョッキーが位置していると睨んでいます。しかし、どちらが前か、後ろか、やっぱりわかりません。どんな形で飛んだのでしょう。想像するだけで楽しいものです。
さて、最後に、組み立て作業中の写真も一枚オマケでご紹介します。 このレジン製のキットは、アメリカから輸入した物ですが、メーカーは不明ですし、大きさも長いほうの腕の長さが30cmあります。さらに、このキットには異星の地面が台座として付いているのですが、それこそ30cm四方の板状ですので、未塗装のまま離型剤処理もせず遺棄しています。どうも日本の家屋向けじゃあありません。
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