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2008年10月27日 (月)

センター・オブ・ジ・アース

Img_0001 「センター・オブ・ジ・アース」は、偉大なるSF小説の生みの親といわれるジュール・ベルヌの「地底旅行」の何度目かの映画化です。

「ハムナプトラ」シリーズで名を馳せたブレンダン・フレイザーが主演ですので、予想通り能天気な内容となっています。しかも、オリジナルは、3Dの立体映画といいますから、押して知るベシです。幸いなことに、私が見た劇場は普通の映画方式でした。ただ、残念なことは日本語版だったのです。要するに、お子様向けなのでした。

映像は、CGを駆使した派手なビジュアルに満ちあふれていますが、どこか軽くて、驚きと感動にはほど遠い出来です。地底世界の主役である古代生物達も、肥満のティラノザウルスのようなギガントサウルスの造型のお粗末なこと。目の表現が、漫画アニメの犬が眉を吊り上げて怒ったような絵そのままなのです。いやあ驚きました。そして、空飛ぶピラニアなどは、大口で牙をむき出したデザインがあまりに幼稚で見るに耐えません。唯一の救いは、魚のような目をした首長竜のCG造型だけです。しかも、背景となる地中空洞世界のセット(?)も、想像力の乏しさを現しています。センス・オブ・ワンダーが決定的に欠けているのです。

それにしても、鑑賞途中に、なぜか「ザ・スーラ」という宇宙旅行のゲームの世界を描いたお子様映画を思い出していたら、案の定、監督も、子役も、同じヒトでした。

 結論として、私としては、かつてのジェームス・メイソン主演の「地底探険」をお勧めします。いかに、本物のトカゲに背びれをつけた恐竜が登場しようとも、CGの無い時代に金をかけて作った見事な地底のセットや美術の凄さを堪能してください。あの水晶などの結晶の美しさが忘れられません。それにしても、ジェームス・メイスンは、同じくヴェルヌ原作の「海底二万マイル」のネモ艦長も演じており、ジューヌ・ベルヌとは相性が良いようです。 

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