スパイダーウィックの謎
この映画「スパイダーウイックの謎」は、劇場では見ていません。どうも子供向けの内容であることから敬遠したのです。事実、そうなのですが、登場する妖精たちは、あの悲運(?)のフィル・ティペットが創りだしたと知って、DVDが発売されるのを楽しみにしていました。
前にもお話しましたように、フィル・ティペットとは、モデルアニメーターの神様レイ・ハリーハウゼンの後継者と呼ばれた時期もあった、名モデルアニメーターです。SWのチェスモンスターをはじめ「ロボ・コップ」に登場する警察ロボットなどが有名です。ともかく、彼がつけるモデルの動きが素晴らしいのです。しかし、「ジュラシック・パーク」のCG革新でモデルアニメを断念。その後、一念発起してCG技術によるアニメーションの道を究めたのです。結局、彼が培ってきたノウハウ、技術がCGに生かされたのです。まあ、そのおかげで、「スターシップ・トルーパーズ」の無数のバズを見る事ができました。
この「スパイダーウィックの謎」にも、フィル・ティペット監修の悪役モンスター「ゴブリン」がわんさか登場します。さすがに「ゴブリン」は、ころころ転げるようなユニークな動きをしています。特に、独立戦争の軍服を着たヒキガエルタイプの悪役ゴブリンの間抜けぶりが面白い。また、豚鼻の味方ゴブリンも味があります。こいつがラストに意外な活躍をしますが、思えば、これがこの映画のミソでした。そして、怪物の真打ちがマルガラスという変な名前の悪役ゴブリンの親玉です。木の枝のようなツノをもつ鬼のような姿をしています。オッと忘れるところでしたが、モグラの怪物も出てきましたナア。しかし、DVDの特典のメイキングを見ても、あんまり感心や感動をいたしません。やはり、この手のCGの映像に慣れたのでしょう。こうした状況下では、フィル・ティペット(監修のような立場でもあり)といえども、観客を驚嘆させるほどの映像は作り出せないのでしょう。
最後になりましたが、生意気な主人公は、「チャーリーとチョコレート工場」の子役で、しかも二役。話がやはり子供向けというか、ファミリー映画の典型でありますが、まあ退屈しないでみる程度には面白くできています。時間とお金に余裕があればご覧ください。
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