X星人 波川女史
赤塚不二夫氏がなくなりました。天才バカボンの文化論など、学術的な高尚な議論がなされています。驚きですが、私にとっては、なにより、イヤミのシェーとうなぎ犬とベシ(七人の侍の台詞から引用)が好きでした。ご冥福をお祈りします。
さて、ゴジラが「シェー」をやったのが「怪獣大戦争」でした。公開当時、子供達には大人気でした。私には前作で金星を滅ぼしたというキングギドラが、X星人とかいうサングラスをかけた変な宇宙人に操られていたのが、本当に残念だった記憶があります。もっとも、予算の関係で、ギドラのぬいぐるみも痛んでおり、特撮シーンも過去の作品の使いまわしだったのも気に入りませんでした。いまでも鮮明に覚えているのは我ながら意外です。
しかし、見所もありました。X星人の宇宙船は、典型的な空飛ぶ円盤のタイプで、その飛行シーンなどは今の目で見てもなかなか特撮が良くできています。そして、怪獣01(ゴジラ)やら02(ラドン)を透明カプセルで宇宙に運ぶシーンなどは、円谷特技監督真骨頂の名場面です。また、この変な宇宙人がある種の音波に弱いという設定も出色のものです。後年、「マーズ・アタック」でティム・バートンが真似をしましたネ。
前説が長くなりましたが、このX星人の女性を演じたのが、水野久美です。この女優さんは、古くはマタンゴから、フランケンシュタインの怪獣まで、東宝特撮のヒロインです。その妖艶さは子供心に焼き付いています。昔は、必ずこういう大人の要素が隠し味的にこっそり組み込まれていた気がします。だからこそ、いまでもおっさんが騒ぐのです。その後、完全なお子様向けになって怪獣映画は自滅しました。平成になって復活したゴジラシリーズの最後の映画には、X星人も登場するのですが、水野久美さんが総理大臣となっていました。時の流れを感じさせます。さて、この「怪獣大戦争」では、X星人の女性全員が同じ顔(統制官の趣味?)という設定であり、地球へ潜入した一人の女スパイが「波川」と名乗ります。今見ると、脚本が悪すぎますので、「波川女史」の行動もヘンですし、X星人自体の作戦も意味不明です。失敗するためにやっているようで、彼らの電子計算機がへんだったのでしょう。もっとも当時はそんなことはわかりませんでしたが・・。(笑)
伝説の「ボークス」のレジンキットを入手しました。そのご紹介です。(笑)とりあえず仮組みしました。ハイヒールで直立させるのは至難の業です。微妙なバランスでなんとか二本足だけで、いま、この瞬間、自立しています。今後、時間をかけて完成させましょう。こうご期待。
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