隠密剣士
古き良き時代の子ども達の遊ぶ映像(20世紀少年)を見て、そういえば、よくチャンバラごっこをしたものだと、古い記憶が甦ります。風呂敷を纏い、棒切れを腰に差した写真が残っています。当時の男の子は皆そうではなかったでしょうか。ところで、その姿は何を真似したものなのでしょう。東映時代劇映画など見たことはなかったと思います。TVの影響なのでしょうか。あるいは少年誌の特集記事のせいかなあ?
記憶の範囲では、どうやら、憧れの対象となったのは、当時テレビで放映されていたTV時代劇「隠密剣士」ではないでしょうか。このシリーズは、大変な人気を得ていたようで、映画化も2本あります。無敵の強さを誇るヒーロー剣士の秋草新太郎、その足をいつも引っ張るお庭番の伊賀忍者、霧のとん兵衛(牧冬吉の当たり役・・赤影でも同じような役)、そして、うるさくでしゃばる子役が一人。いつも思うのですが、いくら子供向けの映画とはいえ、当時の映画等に登場する子どもがどの役も可愛げのない、でしゃばりな子供という設定は、作り手にどのような意図があったのでしょう。聞いてみたいものです。(ウルトラマン、ガメラのギャオスしかり。)当時の子供らの気持ちを投影させていたというなら、当時のガキは、相当嫌な奴らだった(笑)。
ともあれ、このシリーズの魅力は、敵役の忍者の忍法です。甲賀、風魔などさまざまな流派が出てきて、恐ろしい(?)忍法を使います。特に、お気に入りは、天津敏が演じる「甲賀の金剛」です。登場するたびに「フフフ、秋草新太郎・・」などと投げかける不敵な声色をいまでも覚えています。そして、何度やっつけられても復活します。まるで、漫画「伊賀の影丸」の天野邪鬼のような不死身です。ちなみに「伊賀の影丸」の映画化では、松方弘樹が影丸で、笑えることに邪気を山城新吾が演じていました。(子供の頃は憧れていた記憶があります。)この俳優さんは、ホントに強い悪役が似合います。好きですねえ。そういえば、「赤影」でも敵の大将をやっていました。 現在、この隠密剣士TVシリーズは、DVD化されています。記憶にないほど、長いシリーズだったのには驚きました。ただ再見はあまりお勧めしません。美しい思い出は、記憶のままにそっと抱いているのが幸せなのです。(・・・私は見てしまいました。)それにしても、幼少期の忍者物の人気は凄まじいものがありました。少年誌には忍者特集が組まれ、書籍もいくつか出版されました。書庫に多分当時のものがあると思いますので、また機会を見て探してみましょう。思い出話でした。
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