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2008年6月25日 (水)

隠し砦の三悪人

上映期間の終了間際ですが、やっと「隠し砦の三悪人」を観て来ました。平成ガメラシリーズの特撮以来、ヒイキである樋口監督の作品ですが、黒澤作品のリメイクとなると、オリジナルへの思い入れがある分、劇場に向かうのに少し時間がかかりました。

 Img 感想は、一言で言えばなかなかよかった。オリジナルの土台を生かして、現代的に話を膨らましているのが好印象です。

 まず、阿部寛扮する武士が初めて登場した場面は、三船敏郎が居ると錯覚したぐらい、風貌や雰囲気がよく似ていました。(このワンシーンだけですが・・・)メイキャップのせいか、撮り方のせいなのか、よくわかりませんが、何か、工夫があると思います。

 このオリジナルの「隠し砦の三悪人」に登場する二人の百姓は、「スター・ウォーズ」の凸凹ロボットのモデルと言われております。今回は、前作のような狂言回しの役から、姫との恋もある儲け役に設定されておりますので、前作とは雰囲気がずいぶん違います。マツジュンのためなのでしょう。

 そのかわり、黒尽くめの鎧武者姿の悪役が登場します。まるで、「スター・ウォーズ」のダース・ベーダーです。もろ逆輸入です。といっても、ダース・ベーダー自体、日本の鎧からの発想ですので、なんの不思議もありません。もっとも、ラストに大爆発を起こす敵の砦は、工事中という設定もふくめて、デス・スターです。いかにも、特撮監督出身らしいサービスです。

 しかし、冒頭の群集の暴走シーンなどは、オリジナルの迫力には敵いません(あの石段のシーンは何度見ても凄い)が、お約束の騎馬シーンは、しっかりと描かれています。関所のシーンは蛇足でした。うれしかったのは、ラスト近くの風景がオリジナルの「裏切り御免」の名場面の野山を髣髴させることです。この青い空を見ただけで個人的には大満足です。

 それにしても、今回は、「裏切り御免」をテーマにしています。最後の使い方はちょっと感心しましたが、途中の姫の「裏切り、ごめん」の台詞はオカシイゾ。強引な設定と思うのは、姫と山の民が恋に落ちるか、落ちるなら、もっとヒーロー然として欲しかったし、ストーリーからも必然的な工夫が抜けています。マツジュンだから?しかし、あの足軽奴のような髭はいただけません。

 「椿三十郎」より何倍も面白かった。しかし、ヒットしたのかなあ。娘は、マツジュンのファンだそうですが、あの小汚い扮装を見て、観に行ってません。製作の計算違いではないかなあ。

  樋口監督さん、ご苦労様でした。是非、オリジナルの黒澤・三船コンビの映画も再見してください。CGも無い時代によく頑張っています。

  

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