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2007年12月31日 (月)

初恋のきた道

Img_0010 1年に一度は見たくなる映画の第2弾です。ご存知、チャン・ツィイー主演、チャン・イーモウ監督の「初恋のきた道」です。この映画については、封切後もまったく知りませんでした。何年も後に、ある先輩に紹介され、それほど期待もせずに見た記憶があります。実は、その頃まで、主演のチャン・ツィイーも、剣劇映画「グリーン・ディスティニー※」の準主役的なアクション俳優ぐらいの認識でした。(・・・恥ずかしい。)

冒頭、白黒で始まり、変な息子が頑固そうな母の話でしたので、退屈になり始めたとたん、急に、総天然色(昔懐かしい言い方がピッタリ)の画面に変わります。美しい村、素朴な村人、その中に、チャン・ツィイーが居ました。当時、19歳で、この映画がデビュー作だそうです。その姿や振る舞いは「可憐だ。」という五右衛門(ルパン3世)の台詞そのままです。ともかくも、一瞬にして、チャン・ツィイーの虜になりました。よく映画の魅力は、一目ぼれの魅力といいます。俳優が演じ、監督が演出する映画を初めて見て、観客が好きになるか、ならないか、の二つに一つではないでしょうか。(誰の言葉か?・・・私です。笑)この映画は、その意味で、タイトルどおりの初恋のような極上のものです。私の個人的な映画史の中では、オードリー・ヘプバーンが主演デビューした「ローマの休日」の衝撃に匹敵する出来事です、というのは大げさでしょうか。(笑)

 ともかくも、未見の方は、一度ご覧ください。この頃のチャン・ツィイーの初々しさに、はまる事間違いありません。先輩に習って、私が薦めた後輩も虜になりました。次の犠牲者は貴方ですぞ。

 もっとも、よく考えると、映画の話は一種のストーカー行為ですなあ。チャン・ツィイーだから良いというのは当然とは言え、やはり考えものかもしれません。・・・が、そんなの関係ねえよ。(笑)

※「グリーン・ディスティニ-」は、私の嫌いな空飛ぶ剣劇映画ですが、殺陣が結構面白いし、誰かの「三隅研次の大映映画風」という評があったように、言われてみれば、そんな雰囲気もある映画です。私の中国剣劇映画の認識を変えた映画です。それ以降、結構、中・韓問わず、アジア・アクションを見ています。情けないことに、最近の日本より随分殺陣が素晴らしいし、演者も真剣です。(日本の俳優とは根性が違いますなあ。立派です。)

2007年12月30日 (日)

ジョー・ブラックをよろしく

Img_0007 1年に1~2度は何故か見たくなる映画があります。皆さんもそれぞれ、そういった気になる映画をお持ちだと思います。「ジョー・ブラックをよろしく」は、私にとって、何故か、そうした映画の1本なのです。

原題は、「MEET JOE BLACK」という、懐かしいハリウッド映画の定番である「・・・に会う」というタイトルです。もとtも、1934年に舞台劇を映画化した映画「明日なき抱擁」が原案であるそうですので、当然に古きよき時代の雰囲気を持っています。ストーリーは、死神が退屈のあまり人間世界に入り込み、人間の女に恋をして、人間の愛を知るというものです。ギリシャ神話や中国仙人物語の昔から語り継がれた、神が人間の女に恋をするという黄金のストーリーです。

 死神を演じたのが、ブラット・ピットです。この俳優は、よく二枚目と言われていますが、ちょっと変な役を演じれば、結構面白いですなあ。この映画では、死神に肉体を取られる前と後をよく演じわけています。初めてのピーナッツ・バター、キス、セックス等と初々しさが可笑しい。ただ、死神としての目の演技はうまいのか?そうでもないのか、よくわかりません(笑)。なお、事故シーンも特筆すべきです。

 この死神に人間社会の案内人として目をつけれらる死期の迫った男に、アンソニー・ホプキンス。この人、何でも演じられますので特に言うことはありません。このホプキンスの娘役で、死神の正体を知らずに恋をするヒロインがクレア・フォラーニ(実は、名前を調べました。笑)。この映画の前に、先般紹介した「ザ・ロック」にショーン・コネリーの娘役でちょこっと出ていた記憶があります。少し顔が大きい(失礼)ので、あんまり好みではないのですが、この映画ではなかなか良い演技です。死神に惹かれていく経過、最後のシーン、死神との大芝居の演技合戦が好きなのです。あの目の動きなど正体を知ったような心が映されて、よく頑張っています。また、脇役では、長女の娘婿役も好感が持てます。死神がこの男のはげ頭を抑えて慰めるシーンは???(アメリカの普通?)そして、敵役の男優も、ホントに居そうな嫌な男をよく演じています、感心します。さらに、死神の正体を見抜く入院患者のおばはんの演技が凄い(笑)。チョイ役ですが、重要な役どころです。「オービア」(悪霊の意)という声が耳について離れませんし、死神を説教する台詞の内容も素晴らしい。最後の息を引き取る演技もうまい、と思いませんか?

 しかし、この映画の面白さは、なんといっても、「税金と死」という「避けては通れないもの」という常套文句(欧米?)を逆手にとったシナリオの上手さです。種明かしは、是非、映画をご覧ください。昔のハリウッド映画には、よくこうした突拍子もない理屈のストーリーがありました。サンタクロースの実在証明と郵便局などのオチは、自然に笑いが顔に張り付きます。映画は、「三十四丁目の奇蹟」。是非、モーリン・オハラ版をご覧ください。     

ともかくも、ハート・ウォーミングなストーリーをたまにはゆっくり楽しみたいものです。なにしろ、この映画は、約180分もありますので、お暇なときにどうぞ。

   

 

2007年12月29日 (土)

AVP2

 「AVP2」即ち「エイリアンVSプレデター2」を早速観て来ました。前作「AVP」の完全な続編です。プレデターとエイリアンの戦いが、人間の街の中で行われるという設定です。Img_3 思えば、第1作のエイリアンが、地球に来たらどうなるのかという、リプリーの恐怖が実現するストーリーなのです。絶対に面白い筈なのです。いや、面白くなければならないのです。

映画館は、休日であり、封切り2日目なのですが、あんまり混んでいません。意外なことに、年配の男性が目に付きました。私もその一人なのですが、往年のエイリアン・ファンなのでしょう。

期待と異なり、話は一向に盛り上がりません。しかも、子供や赤ちゃんの設定が神経を逆なでします。また、肝心なアクション・サスペンスのシーンがワンパターンに過ぎます。横にエイリアンが来れば人が死ぬ。この繰り返して、ハラハラドキドキも感じられません。プレデターから生まれた新種のエイリアン(プレデリアンというらしい。)もデザイン的に格好悪いし、折角のプレデターの掃除人(ザ・クリーナーというらしい。)も後手後手のふがいなさ。一番いけないのが、人間側の主人公をきちんと定めなかったことだろう。観客は誰に感情移入していいやら、わからないまま、ほとんど映画は終わってしまうのです。ということで、私の結論は、映画を本当に見たのかどうか、と思うほど印象に残っていません。皆さんのご意見をお聞きしたいものです。

モデルマニア

 え~、前号は、どうやら、「お後がよろしく無かった」ようで、すみません。私は、「オチがうまく落ちて、お話がオシマイになって、後味が良いように」という風に思い込んでいました。(汗)世の中、知らないことだらけです。

 Img_0001_3 Img_2 さて、今回、写真のような海外DVD「モデルマニア」のシリーズの2巻を購入しました。このDVDは、有名なモデラーのダビット・フィッシャーが、モデルキットの作り方の実演を行う、マニュアル・ビデオです。もちろん、すべて英語ですから、説明内容は、よくわかりませんが、その実際の手法は、大変、勉強になります。

1巻目は、シリーズの1から3までを一緒にまとまたもので、よく知っている基本的な塗装や道具の内容でした。

実は、今回特に紹介したいのは2巻目です。(ドラキュラの写真の方です。)シリーズの4と5が収録されています。まず驚いたことは、1巻目と2巻目の制作時期にどれほどの期間の差があるかわかりませんが、フィッシャーさんが別人のように太っていたことです。(笑)しかも、貫禄ができたせいか、作品の質も格段に上がったような気がしました。(失礼しました。)

 本などでパステルを使うことは承知していましたが、その実際の使い方には本当に驚きました。私が今まで、さんざん筆塗りで挑戦し、失敗していた顔や筋肉の陰影は、実はパステルの粉だったのかと得心をしました。DVD映像で見る限り、まるで魔法の粉です。さらに、マジックや鉛筆まであらゆる手法を駆使して効果を出しているのも感心しました。やはり、実際の名人の作業が、居ながらにして、自分の目で見えることは大きな意味があります。こんなことなら、このDVDをもっと早く買えばよかったと後悔しております。主にモンスター模型作りのファンの方は、是非、ご覧ください。ただし、リージョン1ですから、ご注意を。

 Img_0001_2 ところで、このDVDの購入前に、世界的に有名らしいシェパード・ペインさんの幻の本「ダイオラマの作り方」が復刊したというので、通販で入手したのですが、写真と意味不明な訳で、手法がよくわからないのが正直な感想です。要は、私の腕が極意を理解する段階に至っていない証拠なのでしょう。 

 ただ、モデルの歴史などの基礎知識は面白く、この本で、欧米には「シャドウボックス」という箱の中の模型を見せる方法が伝統的にあったことを知りました。私は、すっかり、日本の○○堂さんのオリジナルな発想とばかり思いこんでいました。

 それにしても、こうしたノウハウ物は、映像の方が大きな効果があります。筆の使い方、スプレーの吹き方、粉のマジックなど、見て初めてわかります。そして、あれが日本語の字幕付きなら、完璧なのですが・・(笑)

 ところで、雑誌「アーマーモデリング」の付録のDVDは、出ないのでしょうか?私の知る限り、第3巻までで終わっています。(2007年は無かったですのよねえ。)このDVDも勉強になりました。・・・・もっとも、その割には、塗装の腕はなかなか上がりません。やはり、作業中断期間が長すぎ、腕が鈍ってしまうのだと自分を慰めています。3日で元に戻る?

 しかし、サーフェイサーを吹いただけの段階のモデルキットだけが増え続けています。ふと周りを見渡せば、1個、2個、3個、4個と白塗りがやけに目につきます。この休みに少し挑戦しようかな?・・・いや、忙しい年末年始の時期ですから、とても女房殿の理解は得られそうにありません。やはり、気長に構えたいと思います。

2007年12月24日 (月)

ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記

「ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記」の封切り感想です。Img ニコラス・ケイジ扮するトレジャー・ハンターのシリーズ第2弾です。正直、個人的には第1作よりずっと楽しめました。どうも、一作目は、敵役のからみに難がありました。もっとも、今回も、エド・ハリスの役柄・人間性がよくわかりませんが・・・(笑)。それはともかく、ストーリーは、とんでもなく奇想天外です。リンカーン暗殺にからんだベイツ家の名誉回復の話なのですが、アメリカ人は、これほど家系にこだわるのですかねえ。ひいじいさんが言った、言わないということが伝わるということは、このベイツ家は、相当な名門という設定なのでしょうか。アメリカも階層社会といわれますから、メイフラワー号の一員という設定かもしれません。というのも別にして、その宝探しの手掛かりが凄いのです。アメリカの浅い歴史の中から、観光名所を網羅し、主人公らはとんでもない所まで侵入し、とんでもないことをするのです。ここまで徹底すると、よくぞ思いついたとそのアイディアを褒めてあげたくなります。未見の方は、ここから読まないでください。

なにしろ、自由の女神、ラシュモア山、バッキンガム宮殿、ホワイトハウス大統領執務室など、次から次へと舞台設定が過激(?)化するのです。侵入の方法はなかなかおもしろいものですが、そこにたどり着くまでの推理がすこし簡単すぎるというか、辻褄が合いすぎる気がします。要は、ご都合主義です。まあ、気楽に楽しむにはなんの支障もありません。

しかし、アメリカという国は、短い年月をカバーするためか、いろいろな伝説を創造し、その歴史を分厚くしていこうとしているような気さえします。そういえば、別の映画ですが、「トランスフォーマー」では、フーパー大統領のダム建設事業の真相が実は宇宙人を保存するための施設だったとかいうのも思い出されます。今回の映画では、歴代の大統領だけが書き記す「大統領の本」が登場し、様々な事件の真相や歴史ミステリーの謎が、タイトルだけ明らかにされます。この辺が、大統領制に対するアメリカ国民の特別な思いがあるのかもしれません。特に、この映画に登場する大統領の立派なことは、現在のアメリカ人の理想・願望を体現したような感じです。

ともかく、気楽に楽しんでください。という映画でした。ただ、一つだけ判らないことは、お宝が発見されたことが、どうしてベイツ家の名誉を回復したことにつながるのか、よくわかりません。ひいじいさんの言ったことが正しかったから、物証の手帳の記述が嘘だった?と証明されたということでしょうか。強引です。手帳の記述の真偽には、関係ないのでは?と勘ぐりたくなります。え~、お後がよろしいようです。

2007年12月15日 (土)

ザ・ロック

Img_0001 懐かしの古きよき時代の007のお話をしていましたら、「ザ・ロック」を思い出しました。この映画は、かつて脱獄不可能だといわれた悪名高い刑務所のあったアルカトラズ島を占拠した現役の軍人等の反乱(?)を阻止するというストーリーです。主演は、現場経験のない科学兵器のスペシャリストの役のニコラス・ケイジが、なかなかいい味を出しています。最近の二枚目のヒーロー然とした役柄より、ずっと似合っています。そして、唯一人アルカトラズから脱獄した男として、ショーン・コネリーが登場します。なんと、元英国情報部員で、アメリカの恥部を知ったために、長年、幽閉されているという設定です。007のジェームス・ボンドの役柄とダブります。最初見たときは、ホントににやりと笑いました。往年のファンの心を掴む、誠に上手い配役です。かつて、東映でやくざ映画で鳴らした高倉健さんが、後年、刑務所帰りか、やくざ上がりの良い人役を演じていたのによく似ています。それにしても、ショーン・コネリーは、年齢を重ねるにつけ、ユーモアとか、伊達ぶりに磨きがかかり、貫禄と上手さが増しています。

映画自体も、アルカトラズからの脱出方法もよく考えられており、銃撃戦などのアクション、毒ガス兵器をめぐるサスペンスなど、アクション映画としても良くできています。荒唐無稽な気配はあります(笑)が、一度、ご覧ください。十分、楽しめますよ。コネリーを楽しんでください。

2007年12月12日 (水)

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド(その2)

「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」のDVDが発売されました。今後、さらにスペシャルなオマケがついたDVD-BOXも発売される予定です。映画本体については、既に、公開当時にブログに書きましたので、改めては触れません。Img

最近のDVDのお楽しみは、本編とは別に、メイキングの特別版がおまけで付いていることです。

今回も、撮影裏話が結構楽しめました。このようなSFXの多い映画の場合、その舞台裏や仕掛けが垣間見えることは本当に楽しいことです。かつては、映画雑誌やパンフレットの数行の特集記事や解説で想像していたものが、撮影現場が映像になって鑑賞出来るのですから、良い時代になったものです。

それにしても、さすがに世界で大ヒットした映画は、その造りが違います。大渦潮を挟んで、2隻の帆船が一騎打ちするシーンなどは、模型ではなく、2隻の実物大のセットを作って、巨大な油圧装置に乗せて、揺らしながら撮影しています。大勢のエキストラが実際にロープで飛んだり、甲板で格闘をしているのですから、迫力が違うのは当然なのかもしれません。

スタッフのインタビューでは、監督が本物でないと迫力がでないと主張したそうです。そして、その監督の経歴が、実は、特殊撮影関係の出身ということですから、さらに驚きます。もっとも、逆に、特殊撮影の限界を熟知しているのかもしれません。こうした実物大と模型とCG技術を癒合させ、リアルで面白い活劇を創造しています。.

こうなると、近々発売になるDVD-BOXも見たくなります。デザイン画もおまけに付くような噂もあり、期待が一杯です。

2007年12月10日 (月)

スターゲイト(その2)

「スターゲイト」のお話のその2です。このブログで2006.8.19で一度ご紹介しましたが、この映画がなんとなくヒイキなのです。

 この映画に登場するモンスターが3種、「ラー」、「アヌビス」、「ホルス」のレジンキットがホライゾン社から発売されています。しかし、発売元の会社は既に消滅しており、このキットの入手は非常に困難となっています。しかも、有名な某キット屋さんのHPにその完成品が紹介されており、そのキットの出来の素晴らしさが喧伝されています。そうなると、やはり欲しくなるのが、世の常です。

 先般、yahooオークションで、やっとの思いで「アヌビス」のキットを入手し、日々眺めて喜んでいました。そして、先日、e-beyで「ラー」を発見、アメリカからの送料や手数料を勘案しても、日本で買うより安いと即座に判断、ゲット。商品が到着してから驚愕しました。キットではなく、個人製作の完成品だったのです。英語が弱いとはいえ、製作(塗装)する喜びを失い、情けなかったものです。なんとも悔しいので、ここでご紹介します。 Dscn79701 Dscn79731 Dscn79741

いかがです、モデルの造型が凄いとは思いませんか?塗りの出来は少し荒いですが、なんとなく味がありますといったら失礼でしょうか?

とりあえず、「ラー」はこのままで置いて、手持ちの「アヌビス」のキットに挑戦しましょう。いや、どうしようか、やはり迷います。今、しばらくお待ちください。

2007年12月 9日 (日)

ゴールドフィンガー

Img 今、テレビCMで、シャーリー・バッシーが歌う「ゴールドフィンガー」の主題歌が流れています。このダイナミックな歌を聴くと、とたんに血沸き、肉踊ります。かつて何の不安もなく007映画に浸っていた時代が脳裏に甦るのです。かように、007映画の面白さが、といっても、ショーン・コネリーの主演の3作、いや4作に限るのですが、私のDNAに深く刷り込まれています。

あの頃の007映画には、それまでに無かった映画的な面白さが満ちています。コネリーの精悍さや派手なアクションの面白さに加え、世界の観光名所や豪華な施設が舞台となっており、そして、スパイの秘密兵器の数々、さらに強烈な個性の敵役がなんとも魅力的でした。

 その中でも、第3作目の「ゴールドフィンガー」から、一気に馬鹿馬鹿しくスケールが大きくなります。原爆を使って金の相場を操作して大儲けを企むなど、今考えると誇大妄想狂の発想ですが、当時、悪の本拠で巨大な床が可動し、ターゲットの模型が現れるシーンなどにはわくわくしたものです。映画のもつ映像の力です。その一方で、ゲルト・フレーベ演じるゴールドフィンガーが行うトランプの詐欺やゴルフの騙し合いなどのセコイ場面は、ユーモアもあいまって笑います。さらに、ハロルド坂田演じる「オッド・ジョブ」の不死身振りとシルクハットの威力には憧れ(?)ました。そして、なんといっても極めつけは日本人の意識に強烈な間違いを刷り込んだ場面です。人間は全身を金粉を塗れば、皮膚呼吸が出来なくなって死んでしまうと・・・。これは、真っ赤な嘘だそうです。なにしろ、人間は皮膚呼吸しませんから。(笑)しかし、当時はみんな信じ込んでいたのではないでしょうか。これも映画のもつ恐ろしさです。などと、書き出すと限が無いのでこの辺で他の作品に話題を変えましょう。Img_0001

そもそもシリーズの第1作は「007は殺しの番号」です。まだまだ、ショーン・コネリーは体も(髪は?)、ユーモアも若かった感じです。DVDでは、原題のとおり「ドクター・ノー」。この悪玉が印象的なのですが、話題は、やはり第1号のボンドガールです。演じたのは、ウルスラ・アンドレス(前のアーシュラ・アンドレスの方が良いのに・・・)で、そのグラマラスな肢体には、やっぱり人種と食い物が違うと圧倒されましたなあ。

Img_0003 第二作は、邦題が議論を呼んだ、「007危機一発」。もちろん日本語的に正しいのは、「危機一髪」ですが、弾丸の一発を掛けたのでしょう。DVDでは、原題どおり「ロシアより愛を込めて」です。この原題は洒落ていて本当に素晴らしいと思います。内容的には、シリーズ最高傑作であり、アクション映画としても高い評価を得ています。いきなり驚く、あの冒頭のシーン。何度と無く模倣されています。この映画も、悪役が素晴らしいのです。シャム猫を撫でる手だけが場面に登場する、犯罪組織ぺクターのボス。(ちなみに、このボスが顔を見せてから面白くなくなった・・)金髪の殺し屋のロバート・ショー。恐ろしい毒牙を持つババア。そして、あのスパイ道具の代表のようなアタッシュケース。目玉のトリは、007映画史上最も美しいボンドガールと信じて疑わない、ダニエラ・ビアンキの登場です。あの首の紐(名前を知りません。)のインパクトは当時強烈でした。コネリーのユーモアとダンディぶりもすっかり板についてきました。(監督のテレンス・ヤングがゴルフをはじめ、上流階級の作法などを教え込んだそうです。)

Img_0002 最後は、「サンダーボール作戦」ですが、内容的にはイマイチですが、まあ、オマケです。

ともあれ、昔の007は、その当時の時代の雰囲気を反映していたのか、今見ても古びていません。その作り方をそのまんま、ほんの最近まで続けてきたのが間違いなのです。その結果、ポスト007として脚光を浴びた(?)のが、前回紹介した「ボーン」シリーズではないでしょうか。ジェイソン・ボーンとジェームズ・ボンドの名前もよく似ています。原作者のオマージュがあるのではとも思います。(勝手な想像です。)あれこそが21世紀の007映画です。(大げさ?)

 なお、最新作の007は、アクションなど肉体の限界に挑んだような驚きの場面が続きますが、ジェームス・ボンドとは少し違うような気がします。あんまり好みではないですから、再見しようという気持ちが起こりませんなあ。あの女Mに馴染めなくて(笑)

2007年12月 8日 (土)

ボーン・アルティメイタム

Img 「ボーン・アルティメイタム」は、第1作「ボーン・アイデンティティー」と第二作「ボーン・スプレマシー」に続く、第三作にて完結編です。このシリーズの面白さは、マンネリ化し、荒唐無稽化した、後期の007シリーズとは、大きく一線を画し、現代情報社会におけるリアルなスパイアクションを見せてくれたことです。007映画の秘密兵器もなく、貴族のような生活やモデルのような美女も一切登場しません。あくまで、雑踏の中で、ありきたりな武器や車、とりわけ肉体を極限まで駆使したシャープなアクション、傷を負いながらも、いかにも厳しい訓練で得たかのような能力をいかし、敵から逃れます。このあたりの主人公の行動が心地良いのです。撮影が手持ちカメラのせいか、臨場感が溢れますし、携帯電話と保安カメラなどの我々を取り巻く情報網を活用した追跡システム等には、改めて驚きます。そして、その監視網を熟知し、逃れるための小技や対応にはホントに感心させられます。

 シリーズの中でも一番楽しく、ラストの終わり方もよかった。ただ、敵の陰謀自体が、あまりにもお粗末ではないでしょうか。とってつけたようにアメリカの司法の正義を付け足している気がします。(笑)

 それにしても、このシリーズの「題名」はなんとかならないものでしょうか。英語に弱い者には、ニュアンスや意味が良くわかりません。第一、カタカナで書いても読み方を覚えることができません。つまり、切符を買うカウンターで正確に言うことが出来ませんでした。(苦笑)・・・最後に、どなたか、意味を教えてください。

2007年12月 2日 (日)

ブレードランナー25周年

あのSF映画のカルト的な名作「ブレードランナー」が25周年を記念して、DVDのアルティメット・コレクターズ・エディションとして、5枚組みのセットで発売されるようです。この映画は、これまで、アメリカ劇場公開版やら、完全版やら、ディレクターズカット最終版やら、様々な違いのあるモノをビデオやLDで発売していました。しかも、リドリー・スコット監督の思い入れか、ラストを変えるのですから、始末が悪いのです。

 あのほっとするラストのナレーションを削除し、悲劇を予兆させる終わり方は、まったく好きではありませんナ。

 しかし、何度となく、同じネタで商売をしてほしくない、あとから勝手に変えるな!!と、言いたいです。何故かって、これは手が出ないですから。(笑)

 ダリル・ハンナが演じた「プリス」のレジン製のフュギュア。Dscn7962 Dscn7963 Dscn7965 以前作ったのが、どうも気に入らないので、新しい塗料(ガイアカラー)を使って、リペイントしてみました。うーん、この新塗料は、肌色が幾種類もあり、人肌に良いと話に聞いていましたが、どうやら塗り方に秘密がありそうです。テカリが消えません。つや消しも余り効果がありません。塗装の成果が現れません。どうも、ブレードランナーとは相性があわないのかもしれません。とはいいうものの、我ながら、マスキングの下手なさには、あきれ返るばかりです。最後に、目の周りの黒のメイクは、断念しました。何故かって、映画の精悍さは表れず、どうも狸のようで美しくなくなりますので、涙を飲みました。どなたか、「ガイアカラー」のテカリの消し方を教えてください。

ベオウルフ

いつもことながら、特に下調べもせずに、「ベオウルフ」を観て来ました。私の好みの「ファンタジー映画」のジャンルながら、余り期待もせずに素直に見てきました。

Img_0001 ドラマの前半、主演者も共演者も良くわかりませんでした。王様のアンソニー・ホプキンスがやけに太った扮装や容貌で演じていますし、ジョン・マルコビッチも特殊メイクのような雰囲気です。主演の方は、名前も顔も存じません。えらく調子のいい肉体派のヒーローです。そして、前半に登場する怪物「グエンデル」は、出来損ないの醜い姿です。この怪物が暴れるのですが、実写ではあるものの、CG技術まるだしの、アメリカ漫画の動きそのままで、リアルさがありません。さらに、カメラ目線があまりに自由自在に動きすぎて、疲れました。(ヒッチコックの真似は見飽きました。)前半は、少しどころかかなり引いていました。

ところが、中盤、「グエンデルの母」の魔物が登場するにいたって、俄然、面白くなってきたのです。この母をアンジェリーナ・ジョリーが演じています。この女優さんは、顔かたちなど私の好みではなかったのですが、この魔物には参りました。CG技術とあいまって、まさに人でないという妖艶さを見事に出しています。登場シーンはわずか(出演日数は3日?)ですが、この人の主演映画かとも思えるほど、インパクトと美しさは強烈です。是非、ご覧ください。これほど、女の魔物を見事に描いた映画は知りませんゾ。

そして、もう一つ驚いたのが後半の描き方です。一挙に歳月が過ぎるのです。名作「生きる」や「関の弥太っぺ」のように、まさに映画ならでは「すっとばかし」のストーリー展開が見られます。この歳月の流れを見せる男優女優の老けのメーキャップがやけにリアルなのに感心しました。(もっとも、これらはすべて新技術だったのがパンフレット見てわかりましたが、これは後ほど種明かしします。)

後半の主役は、金色のドラゴンです。まさに、一つ首のキング・ギドラの迫力です。残念ながら、ドラゴンとの戦いは、最近いつも目にするような映像で余り驚きません。(しかし、こういう映像が当然のようになると、ますます、東宝のぬいぐるみ怪獣は生きていけませんなあ。続ALWAYSの道を進んでほしいものです。)

 話し全体は、悪魔との契約などの欧米の伝説を映画化したもので、因果応報の視点から、伝説の断片をうまくつないで脚本になっているようです。パンフレットを買って(700円)、わかったのですが、監督はゼメキスでした。そして、実験好きの監督らしく、モーション・ピクチャー撮影を進化させた最新技術で撮影をしたといいます。俳優は、何も無いところで、無数のセンサーを付けたスーツを着て演技するのだそうです。表情や動きがコンピュータで取りこまれ、映像になるようです。当然、服装も、体格も自由になります。実際は、標準的な背でずんぐりした体型の主演男優などは、身長が伸び、立派な筋肉質の体格になり、若さも取り戻した勇者の姿になるのです。これには驚きました。老けるどころか、若返っているのですから・・。アクションが少々漫画的で荒唐無稽なことなどには、この際、目を瞑りましょう。

 映画撮影方法の新たな時代が始まります。なにしろ、演技する舞台があれば映画が作れるようになるのですから驚きです。背景もそして衣装も不要です。最後は人も不要になりそうで、この辺、俳優協会らともめそうですねえ。 この舞台裏の話は、DVDが発売された時に、オマケのスペシャル版に期待したくなります。早く、発売しないかなあ。

ということで、まったく期待せずに見ましたが、アンジェリーナの魔性に魅入られました。お見事です。

2007年12月 1日 (土)

レイ・ハリーハウゼン コレクション

レイ・ハリーハウゼンのDVDのコンプリートコレクションが12月に発売されます。驚くことに、映画会社が異なる作品を含め、作品15本全部を網羅したものです。Img(良くできたものです。) Img_0001はあ、また買う羽目になりそうです。

今回、初期の「地球へ2千万マイル」と「世紀の謎、空飛ぶ円盤地球を襲撃す」「水爆と深海の怪物」の3作品がカラーライズされるそうです。このようなカラー化した版は、過去に見た「カサブランカ」の経験で懲りた筈なのですが、「現代最高の技術で完全復活」と宣伝されるとやはり見たくなります。まあ、粘土製のようなバーグマンでなく、イーマ竜ですから、少しくらい変に見えても構わないか。(笑)

しかし、CG技術が格段に進歩した現在、何故、彼の人形コマ撮りの作品に人気が集まるのでしょう。画面の映像から言えば、コンピュータの方が、動きもスムーズで、リアルさは比較にはなりません。もっとも、その現代の最先端の技術に携わる若いクリエーター達が、レイ・ハリーハウゼンを神様のように尊敬しているというのですから驚きです。まあ、私自身、かなりのファンを自覚していますので、気持ちは良くわかります。

 根強い人気の秘密は、なんといっても、まずはハリーハウゼン映画に登場する様々な独創的なモンスター達の素晴らしさに尽きるのではないでしょうか。そして、彼の作品に限って言えば、ストップモーションのフリッカーによるぎごちない動き自体すらも、その雰囲気を高めて入るような気がします。

そして、その人気の証拠には、レイ・ハリーハウゼンのコレクションとして常に商品化され、今回のようなDVDの映像にとどまらず、大きなサイズからチェスの駒ぐらいのサイズまで、様々なフュギュアの販売などが繰り返し行われてきました。その中から一つだけ、X-PLUS社が発売した「チェスピース・コレクション」を紹介します。既に生産は終了しており、フュギュアの種類が沢山あるものの、整理されたカタログもないようですので、備忘録的に書き留めて置きます。

●レイ・ハリーハウゼンのチェスピース・コレクション全41種(7種のリペイント除く)

Dscn61231弾・・・・5種     サイクロプス1(1本角)、    サイクロプス2(2本角)、    ドラゴン、    スカルウォリアー、    イーマ竜

 

Dscn61262弾・・・・7種     スカルウォリアーA、    スカルウォリアーB、    スカルウォリアーC、    スカルウォリアーD、    スカルウォリアーE、    スカルウォリアーF、    スカルウォリアーG (第2弾は、リペイントのセット商品があります。)

Dscn61213弾・・・・6種     タロス(立像)、    ハーピー、    ヒドラ、    インセクトムーンマン1、    インセクトムーンマン2、    ムーンカーフDscn6142

Dscn61434弾・・・・5種     カーリー、    ホムンクルス、    ウッディウーマン(木彫り女神像)、    グリフォン、    ケンタウルス 

Dscn6146

5弾・・・・7種     グールA、    グールB、    グールC、    ミノトン、    トロッグ、    サーベルタイガー、    ジャイアントウォーラス(大トド)

Dscn6150  第6弾・・・・5種     イーマ竜、    イーマ竜(寝台付き)、    タコ、    ファロラコス(肉食鳥)、    オウムガイ

7弾・・・・6種     スペースシップ、    エイリアン、    サーペントウーマン(海蛇女)、    タロス(坐像)、    サイクロプス、    ロックチック(ロック鳥の雛)

いかがです?どの作品に出たモンスターかわかりますか?この商品は、サイズがチェスピースというだけあって、日本の狭い家庭にはピッタリの大きさです。そのせいか、一度、食玩に採用(流用)されていました。ただ、レジンの質が悪いのか、破損しやすいのが欠点です。特に、骸骨剣士など、骨折しまくりです。(笑)

 

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