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2007年11月24日 (土)

岡本喜八

いやあ、ブログも久しぶりです。

さて、朗報がひとつ。岡本喜八監督の未だDVD化されていなかった時代劇作品が、昨日、同時に3本発売されました。先日紹介した「斬る」、そして「侍」、「大菩薩峠」です。「侍」は、三船敏郎主演で、井伊大老暗殺の裏話です。さむらい日本という有名な話の喜八版・・というような内容です。

Img_0003 前置きはさておき、本命「大菩薩峠」のご紹介です。有名な原作であり、無明の闇を彷徨う主人公の机竜之介の物語です。主演は、もちろん、喜八組の常連、仲代達矢です。仲代竜之介は、ぴったりすぎて、単なる変質的な殺人狂のようになってしまいました。封切当時は、原作を崇める日本人には受けが悪かったようですが、アメリカでは大評判になったそうです。「あのサムライはドラッグをやっている」と(笑)。まあ、カルト的な人気が高かったようです。この映画は、殺陣の迫力がかなりのものです。脇に回った三船敏郎の豪腕ぶりが久々に楽しめます。(この人は、黒澤とか、喜八のように監督が良くないと、でくの棒の様な演技とワンパターンな殺陣をします。)機会があれば、是非ご覧ください。

Img_0002 ちなみに、今回、久しぶりに「斬る」を再見したところ、予想以上に面白かったので驚きました。記憶が薄れたりしており、仲代、高橋悦史の演技合戦、ホントに新鮮に楽しめました。しかし、神山繁のように悪役が良いと面白さが格段に上がりますねえ。是非、ご覧ください。

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2007年11月11日 (日)

スターダスト

「スターダスト」は、欧米で有名なコミックと小説を映画化したもののそうです。そのせいでしょうか、ロバート・デ・ニーロとミッシェル・ファイファーなどの大物俳優が出演しているのも頷けるような気がします。Img_0001 ストーリーは、壁で囲まれた別世界へ流れ星を捜しに行った青年の成長物語です。その世界は、魔女や魔法が生きている王国であり、しかも、王家の世継ぎの争いの真っ只中という典型的なファンタジー映画です。

最近、「ロードオブザリング」の成功によってか、「ナルニア王国」などのファンタジー映画が増えています。CG技術が進んで、かなりリアルに撮影できるようになったせいかもしれません。しかし、映画の出来はそれぞれバラツキがあります。ダントツの作品は、「ロードオブザリング」であることは異論は無いでしょう。「ナルニア」などは、子供向けで、明るすぎるせいか、まったく好みではありませんでした。

 今回の映画は、美術や風景は美しく、セットも立派で、衣装なども見事です。空飛ぶ海賊役のデ・ニーロの演技も楽しめます。見せ掛けの残酷さを売り物にした心優しいロマンチストという設定が面白く、捕らえた若き主人公達に剣やダンス、そして人生を教えるというのは、ドラマとしては王道です。また、権力争いをして殺しあった7人の王子達が次々と幽霊となって集まるのは笑えます。ただ、ファイファーの演じた魔女は、やや型どおりで、バットマンのキャット・ウーマンのようにはいきませんでした。

 観ている途中で、反発やしらけ感を持つことはありませんでしたが、さりとて面白さに感動することもありませんでした。まあ、大作の割に、可もなく、不可もなく、というような出来でしょうか。最後の宮殿の大団円のシーンだけは、CG技術の進歩のおかげで、壮大で見栄えがします。

 ただ、ひとつ明確に異論があるのは、「流れ星」役のキャスティングです。もうすこし美人だと感情移入ができたのにと、それが一番残念でした。嫌味な元恋人役の女優の方がまだ「流れ星」役にふさわしいと思えるほどでした。ああいうタイプが、欧米での女神の基準なのでしょうか。よくわかりません。

2007年11月 8日 (木)

バイオハザードⅢ

Img ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の「バイオハザードⅢ」を観て来ました。1作、2作と結構面白くて、最終作という宣伝文句に誘われて、内心大変期待しておりました。

実は、個人的には、モンスターの造型はやや難がありましたが、世界観・雰囲気などの点で、2作目を結構ひいきにしておりました。今回の3作目は、冒頭から007の「ロシアより愛を込めて」のパクリ(?)で、続いて「マッドマックス2」かな?と思ったら、そのまんまで(笑)。さらにゾンビカラスの襲撃も「鳥」だし、ゾンビ退治はB級の「ヴァンパイア」を髣髴させるし、どのシーンもどこかで見たような絵づくりでした。サプライズが全くありません。

 また、ストーリー的にも超人アリスが簡単に気絶させられるのや、逆に、アリスのはなつ「気」のような、「サイコキネシス」の超能力も、なんかしっくりしません。演出も、大きな音や画面横からの飛び出しなど単調なテクニックです。さらにゾンビの造型も、期待したモンスターも、B級のどろどろ風で、センスが悪すぎます。ラストネタも、「だから、どうしたの?」とつっこみの一つも入れたくなります。活動的な走るゾンビは、何かヘンです。(きっぱり)

 そして、狐につままれたように映画が終了しました。700円のやたらサイズのでかいパンフレットを買いましたが、大きいだけでした(笑)。

 これまでの1作から2作目のシリーズで、アリスの超人ぶりが芽を出し、大きく広がると思っていたら、最終作がどうしてマッドマックスになるのか、まったく理解できません。脚本の計算違いと監督の力量でしょうか。ともかくも、せっかくの素材を生かしきれず、消化不良になった映画でした。

2007年11月 4日 (日)

ALWAYS 続・三丁目の夕日.

本日封切の「ALWAYS 続・三丁目の夕日」を見てきました。ただ、前作の続き、竜之介と小雪を見たいとの気持ちで、何の予備知識も持たず、映画館に足を運びました。(調べてから映画に行けよと言った人もいますが、とんでもない話です。感動をみすみす捨てるようなものです。)冒頭、あっと驚くシーンが飛び出し、椅子から飛び上がるほど喜んだと同時に、改めて山崎監督のうまさに唸りました。さすがに、私のヒイキの若手監督です。やることが素晴らしい。センスも良い。

Img 未見の方は、ここからは読まないでください。映画を見ての感動が半減します。じつは、戦後日本が生んだ世界的な大スターが鳴り物入りで登場するのです。しかもCG製です。個人的に、長年待ち焦がれたCG製です。こういう形で登場とは意表をつかれました。写真のパンフレット(700円)を読むと、東宝内には反対もあった由。山崎監督の熱意が、旧態依然の伝統主義を打ち破り、大スターの登場を実現させたのです。デザインも、平成シリーズの子供のオモチャのようなものではなく、大人の落ち着きと生きている感じがよく出ています。家屋の破壊シーンはド迫力であり、のどをはじめ体の筋肉や体表もしっかり動いています。これです、この生物感が見たかったのです。下から見上げた目線も良いですねえ。これを全編二時間見たいものです。東宝の方、復活の際は、新しい発想や手法でお願いします。どうせなら、山崎監督に撮影をお願いすべきです。さて、何を指しているかは、映画を是非ご覧になって確認してください。Img_0001

この冒頭のシーン以外でも、この続編は、総じて前作より出来がよいのです。CG技術もすっかり落ち着いたような気がして、安心して見ることができました。前作には、少しながらCG感がありましたが、今回は、現実のリアルな姿とマッチして、全く違和感はありません。それどころか、実際の絵以上に爽快感を与えます。高速道路のない日本橋、低い家並みと東京タワー、そして一番感激したのは羽田空港です。送迎デッキも良いが、低空を飛ぶ飛行機の映像が良い味を出します。ともかく、風景画が一分の隙もなく決まっています。懐かしの日本をご覧ください。

なにより、この映画、ストーリーが良い。俳優も上手い。すべてが芳醇にマッチし、前作よりも素直に感動します。映画のラスト近くになって、もう終わるのか、と寂しい気持ちを味わったのは、久しぶりでした。映画が終わって、2時間40分という上映時間(知らなかった)にも驚きましたが、全く長く感じませんでしたし、このところストレス気味の気持ちも和らぎました。いやあ、映画館に出掛けてホントによかった。皆さんも、是非、映画館でご覧ください。

2007年11月 1日 (木)

十兵衛暗殺剣

Img_0002 剣豪俳優、近衛十四郎は、その殺陣の上手さで有名ですが、所属の東映では準主役が多く、あまり作品にめぐまれていません。代表作といえば、やはり柳生十兵衛シリーズです。どちらかというとB級的な作品群ですが、そんななかでも、玄人筋をうならす殺陣が披露されています。でも映画自体はあまり面白くありません。(笑)

この十兵衛シリーズ最後の作品が「十兵衛暗殺剣」です。なにが凄いかというと、格上の主演スターの大友柳太朗がゲスト出演し、近衛十四郎に倒されることです。(笑)この大友柳太郎が実に良いのです。両手を広げ、小太刀を使った殺陣は、もともとの不器用さ、下手さを微塵も感じさせず、堂々たる貫禄です。ストーリーが同じ流派の元祖争いの因縁の話であり、十兵衛と同等以上という設定ですので、見せ場も用意されています。また、海賊ならず、湖賊という連中も出てきます。一方、近衛十兵衛は、逃げ回り、小細工を弄して、やっと倒すのです。ほんとにどちらが主役かわかりません。しかし対決シーンや迫力ある立ち回りは見応え十分です。モノクロ映画ですが、昔、この伝説の映画を追いかけて、場末の古びた映画館に入ったことがあります。そう意味でとても懐かしい映画です。いまや、それが家庭でDVDで手軽に見えるのですから、便利になったものです。再見すると、玄人筋の高い評価には少し疑問ですが、楽しめます。

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