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2007年9月 8日 (土)

北北西に進路を取れ

ケイリー・グラントの話となれば、まずは、アルフレッド・ヒッチコックの傑作「北北西に進路を取れ」が浮かびます。Img_0007 一市民がスパイ戦争に巻き込まれ、様々なトラブルに会うというストーリーで、サスペンスとアクションとユーモアとラブロマンスが絶妙なさじ加減でブレンドされた、ヒッチコック監督の絶頂期の作品です。

グラント独特の、何を考えているかわからないような表情をしたまま、とうもろこし畑で複葉機に襲われたり、ラシュモア山の上で格闘する場面などは忘れられません。サスペンス・アクション映画の古典です。また、最後のトンネルのシーンは、意味深な場面として、ファンの間に長く語り伝えられてきています。ところで、題名の意味はなんなのでしょう。北西ではなく、北よりの北西?よくわかりません。一説によると、意味の無い言葉を意味ありげに使う映画の内容を象徴したものとか。本当でしょうか?一度、古き良きサスペンス映画をお楽しみください。

ところで、ヒッチコック映画には、ケイリー・グラントが良く使われています。というのも、ヒッチコック監督は、主演は美男美女が前提。特に、女性は金髪が絶対条件です。一度、オードリー・ヘップバーンを起用しようとして、とんでもない設定を考えたとか、まったく、煮ても焼いても食えないオジサンであります。伝記などを読むと、お気に入りのクールビューティが映画界を去ったときは、相当に見苦しい有様だったようです。芸術を生み出す作家の心の中には、常に魔物が棲んでいるとか、まあ、一般常識人では、良い作品を作り出すことなどはできませんが、相当にへそ曲がりだったようです。 その現場の逸話、作品の質など、どれをとっても、サスペンス映画作りのモンスターと言えます。(笑)。この機会に、ヒッチコックの映画を見ませんか?なにしろ、サスペンスを中心とした一連の映画群は、演出のテクニックなど、いまなお、教科書となっていますし、様々な評論等で伝説となっています。

 私のお勧めしたい映画は、まず、①「海外特派員」・・・ゲイリー・クーパーが主演を断って、完成後非常に悔やんだという一品。②「断崖」・・・グラントが手に持ったコップの光るミルクが必見。③「見知らぬ乗客」・・・テニスの試合を見ない視線の恐怖。④「裏窓」・・・グレース・ケリーをご覧ください。⑤「泥棒成金」・・・グラントのユーモア演技絶好調。⑥「めまい」・・・演出テクニックに酔ってください。⑦「サイコ」・・・シャワーシーンの演出には、シャワーの穴まで特製です。⑧「鳥」・・・カラスが怖い。 こんなところですか。まあ、好みです。しかし、「めまい」、「北北西」「サイコ」「鳥」と製作していた時期が、ヒッチ監督の黄金期であったことが良くわかります。

最後に、ヒッチコックの有名な言葉をお送りします。演技に悩むイングリッド・バーグマンに言った「たかが、映画じゃないか。」です。映画づくりに心血を傾けたヒッチコック監督が言ったことに千金の重みがあります。

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