トランスフォーマー
封切初日、しかも字幕版の初演に、「トランスフォーマー」を観て来ました。予告編に流れる物凄い戦闘シーンの断片に、すっかり魅せられていたのです。スピルバーグとマイケル・ベイのコンビにも期待していました。
冒頭の砂漠の戦闘シーンは、快調です。ヘリコプターに擬態したロボット生命が突然、基地を襲ってくるのです。戦車が、吹き飛び、横転します。それらが、本物(のように見えます)なのです。あの懐かしい東宝特撮に出て来る、プラスチックのミニチュアの戦車ではありません。本物の戦車やジェット機、ヘリコプターが、CG技術によって、重量感を持って破壊されます。夢にまで見た映像でした。あの「宇宙戦争」でも成し遂げられませんでした。
と、ところが、一転して、主人公の青春映画です。青臭く、しかも古臭いシーンの連続です。そこへ命ある車の登場です。(ディズニーか?)違和感を持ち続ける中、アニメ漫画のようなスパイロボットの活動、そして主人公の車のロボットと、その仲間達の登場、しかも、そのロボット達が、これまでの経過を英語でとくとくと説明するのです。この人間くさいこと、とても、エイリアンとは思えません。この時点で、完全に、引いてしまいました。ましてや、庭先での度を越えたドタバタ演技などは、見るに耐えません。
実は、「トランスフォーマー」という玩具やお子様漫画やアニメ映画を、まったく知らなかったのです。「変身」という名の、エイリアン侵略映画とばかり思っていました。正義のロボットと、人類滅亡を謀ろうとする悪のロボットが戦い、しかも、それぞれのボスが、使命を真面目腐って、口にするのです。また、そのロボット達のスタイルたるや、人間型というのはまだ許せるにしても、黒い悪の方はともかく、正義の方は、塗装自体も恥ずかしいとしかいえない、幼稚なものです。要は、完全なお子様映画だったのです。出演しているジョン・ボイドの国防長官も、どことなく、あきれた風な演技です。いやはや、驚きました。ちなみに、パンフレットの裏面に、正義の方のリーダーの姿があります。赤と青は、スーパーマンのように米国の正義の印なのでしょうか。それとも、実写のガンダムなのでしょうか?
折角の砂漠の戦闘シーン、軍の協力の下の作戦、あるいは、高速道路での取っ組み合い、ビルの中での戦いなどは、新時代の怪獣映画と評価しても、差し支えないと思います。21世紀の「サンダ対ガイラ」と言ったら、大げさでしょうか。
こうした素晴らしいシーンを、幼稚な設定が、すべてをぶち壊してしまいました。ヒットはするでしょうし、続編もできるでしょうが、私としては、次回作に期待せざるを得ません。まあ、スピルバーグも60歳とか、黒沢明ですら、晩年はぱっとしませんでしたから、無理も無いですが、インディジョーンズ4も控えていることですから、是非、奮起してもらいたいところです。
幼稚だどうだと貶す前に
それなりに調べることも大切なんじゃないでしょうか。
「知らなかった」じゃダメだと思いますけど。
投稿: 通りすがり | 2007年8月 6日 (月) 03時28分